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プロポーズ-5
しおりを挟む【リオネル】
「う~~~ん」
「どうなさいました?殿下」
思案顔の私を見たアンドレが心配そうに声をかけてくる。
「彼女との距離をもっと詰めたいのだがどうすれば良いのだろう…」
「距離ですか…」
「それは、やっぱりデートじゃないですか?街に出て一緒に買い物したり、カフェでお茶を飲んだり、綺麗な公園で散歩したり、王女殿下に色々案内してもらってはどうですか?」
エリオが楽しげにアドバイスしてくれたが…
「デートか…だが彼女は学園に通う年になるまで、王宮どころか離宮からも出た事が無いと言っていたし、学園に通う様になっても世間の目を気にして、離宮と学園の往復しかしていないと聞いている。街の事など分からないだろう。」
「ーーー可哀想ですね。まだ、たった15歳なのに、自由に過ごす時間が全く無いなんて…」
オスカーの瞳に影が差す。
「そうだな」
なんだかしんみりとしてしまった。
「殿下!やっぱりデートは必須です!どこでも構いません。彼女をこの窮屈な城から出してあげましょうよ!」
「殿下、遠乗りなどはいかがですか?軽食等も用意してどこかよい場所が無いか城の者に聞いてみましょうか?」
エリオとアンドレの言葉に気分も少し上向いた。
「それは良いな。アンドレ準備してくれるか?私は王女に予定を聞いてみよう。」
「かしこまりました。では早速。」
そう言ってアンドレは部屋を出て行った。
私は王女の離宮に先触れを出し、夜の晩餐を一緒にしないかと使いを出した。
王女からは「是非晩餐を離宮で」と返事が来た。
離宮に招待され、私はウキウキと出かけて行った。
「こんばんは、シルビア王女。」
挨拶を交わし、彼女にピンクのバラの可愛らしい花籠をプレゼントした。
籠にいっぱいのピンクのバラに所々蜂や蝶のピックが刺さった、少女が喜びそうな花籠だ。
「可愛い」
彼女は頬をほんのりピンクに染めて嬉しそうに受け取ってくれた。
「リオネル殿下、ありがとうございます。さぁ、どうぞこちらへ。」
晩餐の準備がされたこぢんまりした食堂に案内された。
温かい雰囲気の食堂には既に晩餐の用意がされていて、私はテーブルの上座に、彼女は右斜め前に座った。
テーブルも大きなものではない為、距離が近く、話をしながら食事を楽しめそうだった。
「あの、帝国の王太子殿下にこの様な狭い食堂では失礼かとも思ったのですが…」
「そんな事はありません。こうして近くで話せる方が私は嬉しいですよ。シルビア王女もそのおつもりでこの食堂を用意して下さったのでしょう。」
「はい、ありがとうございます。そう言って頂けて安心しました。」
嬉しそうに、はにかんでそう言う彼女は、とても噂の様な悪女には見えなかった。
王女が侍従に晩餐の始まりを合図すると、心得た様に食前酒が注がれ、前菜、魚料理、肉料理、デザートまで、私達の会話の邪魔をしないように計算されたタイミングで料理が運ばれて来た。
私達はしばし、お互いの事をおしゃべりして、食事を楽しんだ。
そして、タイミングを見て、私は今日の目的を話す事にした、
「遠乗りですか?」
「ええ、ここからそう遠くない所にとても美しい湖があると聞きました。あなたは騎士を目指していて、乗馬もお得意だと聞いたので、馬に乗って2人で出かけませんか?」
「ええ、是非行ってみたいです。あの…でも一応お父様に行って良いか聞いてみないと…」
「それなら大丈夫ですよ。ここに来る前に、国王陛下から許可をもらって来ました。王女がよろしければ、次の学園の休みの日にいかがですか?」
「本当ですか?行きたいです!ありがとうございます。」
目をキラキラさせて胸の前で手を組んで嬉しそうにお礼を言ってくれる彼女はとても可愛らしかった。
「では、次の休みの日にお迎えに上がりますね。」
「はい、どうぞよろしくお願いいたします。」
私は馬車で彼女を迎えに来ると約束し、当日は一緒に馬舎へ行こうと誘った。
彼女は嬉しそうに何度もお礼を言ってくれた。
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