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婚姻の儀-3
しおりを挟む【婚姻の儀まであと三ヶ月】
デビューで着るドレスが出来上がってきました。
真っ白のドレスは胸元から首部分はレース、胸から下は美しい光沢のサテン、二の腕までのレースの長い手袋、スカート部分はチュールが何枚も重ねられ、ドレスの裾には白いユリの花の刺繍、薄い水色のビジューがユリの花を飾り、美しいアクセントになっています。
急ごしらえだというのに身体にピッタリとそって、直す所は無さそうです。
「王妃様にいただいた髪飾りも付けてみましょうか?」
「はい、お願いします。」
「それと、こちらを」
シンディが恭しく、宝石ケースを持ってきました。
「それは?」
「ドレスと一緒に届きました。こちらは殿下からですよ。」
「リオから?前に言ってたネックレスとイヤリングかしら?」
「そのようです、付けますね」
銀とサファイアで出来た美しいネックレスとイヤリングをシンディが付けてくれます。
「さぁ、これで完成です。どうでしょうか?」
「凄い、素敵です。こんなに綺麗にしてもらえるなんて……」
髪には王妃様にいただいた銀と青いユリの花の髪飾り。
リオが用意してくれたネックレスとイヤリングは、私の髪と瞳の色に合わせた銀の台にサファイアが嵌められた美しいもの。
ドレスは真っ白でレースとサテンとチュールをふんだんに使い、ドレスの裾には私の名前にちなんだユリの花が刺繍され、アクアマリンのビジューが散りばめられていて、光を反射してとても美しいです。
ドレスの裾に刺繍された美しいユリの花をじっと見ていると、シンディが
「日数が足りなくて裾にほんの少ししか刺繍出来ませんでした」
と、とても残念そうに言っていました。
「私は充分美しいドレスだと思いますよ。このユリの花もとても美しいです。」
そう言うと、ドレス担当のお針子さん達がとても嬉しそうに笑っていました。
ビビアンは
「髪飾りがこんなに素敵なのでもう少し凝った髪型にしたいですね、もう少し練習しておきますね。」
そう言って鏡越しに私の頭をじっと見つめていました。
今でもこんなに綺麗なのに、ビビアンは凄いです
「妹が二人いるんです。いつも髪を結ってくれとせがまれるので……」
それで上達したんですよと笑っていました。
美人で強くてその上手先まで器用だなんてビビアンは凄いです!
シンディだってあんなに可愛らしい見た目なのに、淑女としての完璧なマナーに、暗器を操る強さ、そして私に対する細やかな気遣い、こんな魔力しか取り柄のない私には勿体ないくらいの侍女達です。
夜になってリオがダンスレッスンにやって来ました。
なんだか、最近とても忙しそうなのにこんな私に時間の許す限り付き合ってくれて、申し訳なくなります。
「リオ、今日、ドレスと装飾品が届きました。どれもとても美しくて、私の為にありがとうございます。」
「気に入ってくれた?」
リオが私を抱き寄せて言いました。
「もちろんです、とても素敵でした。」
私はリオの顔を見上げてニッコリ笑います。
「良かった、本番が楽しみだな」
チュッ!
リオの唇が私の唇にほんの一瞬触れました。
「早く私の贈ったアクセサリーを付けた君を見たいな。」
何事も無かったように、リオはしれっとしています。
「そ…そ……そうですね…」
私は恥ずかしくてうつ向いてしまいます。
「そろそろレッスンしようか?では、レディ、お手をどうぞ。」
「本日もよろしくお願い致します。」
そう言って深くカーテシーをしました。
レッスンはすでに三曲目に入っています。
今日は一回もリオの足を踏みませんでした。
(私 上手になってる?)
でも、リオ以外の人と踊る勇気はありません。
相手の足を踏みまくる未来しか見えません。
他の方にダンスを申し込まれないようにリオが私を離さないと言ってくれました。
陛下の誕生パーティーまであと少し
たった三曲です。
たった三曲だけ覚えたらなんとかなります。
リオと初めて踊るダンス。
私とリオのダンスは陛下と王妃様が踊った後にホールに入って踊るそうです。
そして、二曲目から三曲目、四曲目は私が踊れる曲が演奏される事が決まっています。
(ああ、どうか失敗しませんように…)
これ程念入りに準備してもらっておいて失敗する訳にはいきません。
リオ、私 頑張りますね!
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