悪虐氷姫の幸せな結婚

nao

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婚姻の儀-4

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【婚姻の儀まであと二ヶ月】


とうとう陛下の誕生パーティーの日になりました。
今日は学園も休んで朝から念入りに夜のパーティーの支度をします。

午前はシンディとダンスの練習(最終チェック)と、身体磨きです。
ユリの香りの香油を付けて、全身をマッサージします。
ユリの良い香りに包まれて心も身体もリラックスします。

午後は軽い昼食の後、シンディやビビアン、エリオ様と今日の警備の予定やダンスの順番、段取りなどの打ち合わせをしました。
軽く休憩を挟んで今夜のためのドレスを着付けていきます。
コルセットをギュウギュウと絞めて、ドレスを身につけます。

「姫様、初めてここに来た時より少しふっくらされましたね。女性らしいラインが出て来て、とても綺麗になられました」

「そうだと嬉しいです。」


鏡台の前に座って待っていると、ビビアンがやって来て髪を結ってくれます。
基本はハーフアップ。
そこに両サイドの髪を編み込んで、頭の後ろで一つに纏めて、王妃様にいただいた髪飾りを付けます。

シンディが丁寧に化粧をほどこしてくれて、最後の仕上げに香水を胸元に付けて

「さぁ、出来ました。いかがですか?」

鏡の中に、まるで妖精のように美しい少女が映っています。

「これが私?」

「「姫様、本日はデビューおめでとうございます」」

シンディとビビアンがカーテシーをして私のデビューを祝ってくれます。

「シンディ、ビビアン、こんなに綺麗にしてくれてありがとう」

「姫様は元々お綺麗ですから…」

すると扉がノックされて、リオが迎えに来てくれました。
そして、私を見るなり

「シルビア、とても綺麗だ…」

そう言って両手を広げながら近づいて来たリオの前にシンディとビビアンが立ち塞がりました。

「シンディ、ビビアン、そこをのけ!」

「ダメですよ殿下、着付けたばかりのドレスが乱れます。」

「殿下、自重なさってください」

リオは二人を睨みつけていますが、二人共引き下がりません。
王太子相手に二人共強いです。

「はぁ、わかった、今は我慢するよ。」

そう言ったリオは笑いながらシンディとビビアンの向こうから

「シルビア、とても綺麗だよ。一緒にダンスを踊るのが楽しみだよ。」

ニコニコ笑顔で褒めてくださいました。

時間が来て、私はリオにエスコートされて王城に用意されたパーティー会場に向かいました。
会場には本日の招待客が、ほぼ全員集まって、王族が入場するのを、今か今かと待っています。

王族控え室に陛下と王妃様がいらっしゃって、全員が揃うと、四人で会場に向かいました。

先ず、私とリオが入場し、一段高く用意された席に着きます。
そして、本日の主役、陛下と王妃様が入場され、陛下の挨拶が始まりました。

「本日は私の誕生を祝う宴に参加してくれてありがとう。今日は他にも嬉しい知らせをしたいと思う。リオネル、シルビア王女、ここへ…」

私とリオは陛下に呼ばれ、隣に立ちます。

「この度、我が息子リオネルリードが素晴らしい婚約者を得た。彼女の名はシルビアリリィ=ノースウッド。ノースウッド王国の第二王女である。そして、今日は彼女のデビューでもある。シルビアリリィ王女は現在15歳、皆にはもう通達を出しているが、二ヶ月後の彼女の誕生日に合わせてリオネルとの婚姻の儀を行う。めでたい事が続いて私も嬉しく思っている。これからも未来の王と王妃の為、我が国に尽くしてくれるよう皆に頼みたい。では、宴を始めよう!」

拍手が会場を埋め尽くし、一曲目のワルツが流れます。
陛下と王妃様がホールの中央に向かわれ、最初のダンスが始まりました。
二人共さすがお上手です。
あの中に私が行くんですか?
無意識に身体が震えます。
するとリオがそっと手を繋いでくれました。

「大丈夫だよ、シルビア」

「はい」

一曲目が終わり、二曲目が始まります。
一番最初に覚えた曲。
リオと手を繋いでホールに向かいました。

リオだけを見て
足元は見ない
曲を良く聞いて

ステップさえ間違えなければリオが上手く私に合わせてくれます。

二曲目のワルツが終わり、三曲目に向かいます。

「シルビア、とても上手だよ、その調子でずっと私だけを見つめていて…」

囁くように耳元で話されて、腰が抜けそうです。

(リオの声が素敵すぎる!)

三曲連続で踊って、なんとか本日のノルマを達成しました。
大きな失敗も無く、無事に終わって本当に良かったです。

なんとか役目を終えて、席に戻ると王妃様がじっと私を見つめています。
私は髪飾りのお礼を言いたくてリオに言って最上段に座る御二人の元へ、リオと一緒に向かいました。

「父上、お誕生日おめでとうございます。」

「陛下、本日はお誕生日おめでとうございます」

二人でご挨拶します。

「ありがとうリオネル、シルビアもデビューおめでとう。白いドレスも良く似合っている。ダンスも良かったぞ。よくたった四か月であそこまで上達したな、安心した、これで婚姻の儀の後の舞踏会も心配せずに済むな。」

「ご心配をおかけしました。褒めていただき光栄でございます」

「王妃が贈った髪飾りも美しいな、そなたに良く似合っている。」

「はい、ありがとうございます。この様に王妃様に気にかけていただいて大変嬉しく思っております。王妃様に最大の感謝を」

私の言葉に王妃様が

「喜んで貰えたようで良かったです。」

あ…今、王妃様 笑ってくださった?
ほんの少しだけれど微笑んでくださったような気がして、私も もっと嬉しくなりました。

挨拶を終え、リオと席に戻ると、リオが

「王妃の笑った顔なんて初めてみたな…」

と 呟いていました。

私はそっと髪飾りに触れてニマニマと笑ってしまいました。

それを見たリオが…

「何か、負けた気がする…」

「リオ?」

「シルビア、二ヶ月後の婚姻の儀の時は王妃に負けないよ。」

「へ? 何の勝負をしているんですか?私の為に散財するのは、止めてくださいよ?リオ?」

「ははーーー楽しみにしていてくれ」

そうして私のデビューは、なんとか無事に終わったのでした。

次はいよいよ、婚姻の儀です

リオが恥ずかしくないよう頑張らないと!
決意を新たにする私でした。

















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