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第1章「異世界と狂戦士」
「片鱗」
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"彼"の身体は次第に大きくなっていく。全身の筋肉が隆起し、その目に宿す瞳は最早人間のそれでは無い。赤く染まった瞳が見つめるのは二体のクレイゴーレム。片方のクレイゴーレムは今正にその巨大な棍棒のような腕を振り下ろしている最中であったが…彼は振り下ろされた巨大な両腕を片手でもって、意図も簡単に止めてみせた。
「流石ね…」
私は癖になりつつある仕草…自身の指を唇に押しつけるようにしてその光景を見ていた。
先程クレイゴーレムに成す術無く吹き飛ばされ、全身を粉々に砕かれた筈の瀕死の男が、いとも容易くクレイゴーレムの攻撃を止める姿を見て私…リリア・カルネルの自信は確信へと変わった。
やはり彼…イッセイ・バンドウこそ伝説の特殊能力である狂戦士(バーサーカー)の持ち主であると。
戦いの為だけに強化される身体能力や固有の能力(スキル)は、人知を超越した破壊力を発揮する代わりに…術者の身体に深刻なダメージが残るという古の伝説級特殊能力。
その力は術者の魔力量に依存すると本国の古文書には記されていた筈だったが…
壱成は受け止めたクレイゴーレムの太くて丈夫な腕を掴むと、そのまま彼の2倍近い身長に数倍の重さがあるであろうクレイゴーレムを片手で持ち上げる。
そしてそのまま空中へ放り投げると、凄まじい速度で走り出し自身も空中へと飛翔する。
そして槍のように飛び出した壱成は、弾丸のような速度で空中のクレイゴーレムへと迫ると自身の拳を振り抜いた。
壱成が拳を振り抜くと、先程までどんな攻撃に対してもあまりダメージを受ける事なく耐えていたクレイゴーレムの身体は、その凄まじい威力に耐えることができずに瞬時に四方へと砕け飛んだのだった。
「今の彼の魔力量でこの力…ふふっ、ふふふふ。凄い…凄すぎるわっ!」
私はあまりの興奮に思わず声を大にして笑ってしまう。
木の上から観戦していた私だったが、その笑い声に気づいた彼は、その獰猛な肉食獣のような目を私に向けた。
「良いわよ、来なさい!少しだけ手合わせしましょう?」
壱成は背後に迫ったもう一体のクレイゴーレムを、その方向を見ることもなく裏拳のように振った拳で瞬殺する。
そして狙いをリリアに定めたようで…
「ふふっ…。偉大なる風の精シルフよ。我に夢幻と歳星(さいせい)の魔を授け給え…加速(ファスト)!」
リリアは自らに速度上昇の魔法をかけ、弾丸のように飛び込んで来た壱成を辛うじてかわす。
リリアが立っていた木は跡形もなく消し飛び、壱成は勢いのあまり数十メートル離れたところに着地したようだ。
「凄い…凄いわ!!期待以上よバンドウ様!!!身体強化した私でもかわすのがやっとだわ…ふふっ、ふふふふふ。それじゃあこれはどうかしら?…偉大なる火の精サラマンダーよ。我に堅忍と太白(たいはく)の魔を授け給え…炎壁(ファイアーウォール)!!」
呪文を唱えたリリアの前には、幾重にも張り巡らされた炎の壁が出現する。高さは10メートル程だろうか…業火のように燃え上がる炎の壁は、とてもじゃ無いが生物が通過できるようには思えない。
「流石に突破出来ないかしら?………!!」
数十に渡って張り巡らせた鉄壁の守りであったが…外側の壁から順に何かが突破しているのか、壁が消滅していっているのが魔力的に繋がっているリリアには分かった。
自身の魔力を用いて世に顕現させた魔法は、術者との繋がりが感じられる。魔法が外的要因によって妨害又は掻き消された場合、術者は直ぐに把握出来るのだが…今まさに私の炎壁が掻き消えているのが分かる。
一枚…二枚…三枚…凄まじいスピードで消滅していっている。残っているのは後三…二…一…来るわ!
「グゥゥゥゥ!!!!!」
業火の中から現れた壱成は金切り声のような奇声を上げる。そして彼の腕は黒いモヤの様なものを纏っていた。
「あれは…能力(スキル)かしら?記録には残っていないわね。…さあバンドウ様?ここからが本番です。実は私、こう見えて肉弾戦の方が得意なんですよ??…来なさい」
「グググゥゥ…」
金属と金属がぶつかり合った時の様な音を発した壱成は、凄まじい速さでリリアに迫る。
「そう!そうですよバンドウ様!!もっと…もっと来て下さいっ!!もっと私を滅茶苦茶にするように来て下さい!!!」
リリアは壮絶な攻撃を繰り出してくる壱成の打撃を全て受け止めながら、非常に楽しそうに笑いながら声を上げる。
「良い!凄く良いっ!!これは第6級…いや、既に上級冒険者である第5級冒険者の域に達しているかも知れないですね…ふふっ、ふふふふふふ。バンドウ様、凄いですよ…想像を遥かに超えていますよ!ふふふふっ」
リリアは半ば狂気に満ちたように笑い、理性を失っている壱成に楽しげに話しかける。それは非常に妖艶であると同時に恐ろしくも感じるものであったが、壱成の目には映ってはいない。
今の彼の目に映っているのは、ただの破壊対象に過ぎないからである。
「ガッ!!…ガッガッ!!ガガンッ!!」
両者の攻撃の応酬は見事に拮抗する。…いや、リリアはわざと拮抗するように相手をしているのだ。
壱成の打撃は特殊能力によって遥かに強化されたものであっても、リリア相手では技量や経験…多くの点で下回っていた。
一見すると膠着しているように見える戦闘も、リリアが手を抜いているに過ぎないからである。
「いいデータも取れたし…そろそろかしら?誰かに見られても不味いし」
夕暮れの街外れの街道という人気の無い場所に時間帯を選んで"データ収集"を始めたものの、あまり長引くと行商人や騎士が通りかかる恐れもある。そろそろ彼を鎮静化させて傷ついた身体に回復魔法をかけないと…。
本国の文献では狂戦士の弱点は"睡眠"。眠り系の魔法や能力に弱いとの事だったわ。
そしてリリアは壱成の腹部に軽く打撃を入れると、大きく後ろに飛んで距離を保つ。
「偉大なる水の精ウンディーネよ。我に奔放と辰星(しんせい)の魔を授け給え…睡眠(スリープ)!」
リリアから放たれた魔法はふわふわと壱成に迫ると、スポンジが水分を吸収するかの様に壱成の体の中へと入っていった。
「これでこの前のように眠りに落ちて…………っ!!!!」
しかし、魔法の直撃を受け眠ったかのように俯いた壱成であったが…突如近寄るリリアに向けて飛びかかった。
「何故効かない?!この前はこれで………まさかこの2週間で成長して?…そんな、いくらなんでも早過ぎるわ…!!」
彼女の予想を上回る速度で成長を見せる壱成に驚きを見せるリリア。
そして更に想定外の事態がリリアを襲う。
「誰か来る…」
周辺の魔力を感知する魔法を展開しているので、近くに魔力を有する何かが近づけばそれが反応するのだが…魔力反応は7…いや9.10…15?!この数は…巡回の騎士か?!
「何だこの戦闘の跡は…おいっ!誰かそこにいるのか?!」
近づいて来る騎士の声に反応して、狂戦士状態の壱成は声のする方向に狙いを定めたようだ。
「不味いっ!!…くっ!!」
リリアは止めようとするも、思いのほか近くまで迫っていた騎士たちに見られないように森の中に飛び込む。
まだ正体がバレるわけには…。
リリアはフードを深くかぶると、自身に透明化の魔法を付与する。
「くっ…面倒な事にはならないで欲しいのだけれど…」
しかし、そんな彼女の想いとは裏腹に…
「何だお前は?!おい!止まれ!!おいっ!………ぐわぁぁあ!!!!」
壱成が近付いていった先からは騎士の断末魔の叫びが響いてきたのであった。
「流石ね…」
私は癖になりつつある仕草…自身の指を唇に押しつけるようにしてその光景を見ていた。
先程クレイゴーレムに成す術無く吹き飛ばされ、全身を粉々に砕かれた筈の瀕死の男が、いとも容易くクレイゴーレムの攻撃を止める姿を見て私…リリア・カルネルの自信は確信へと変わった。
やはり彼…イッセイ・バンドウこそ伝説の特殊能力である狂戦士(バーサーカー)の持ち主であると。
戦いの為だけに強化される身体能力や固有の能力(スキル)は、人知を超越した破壊力を発揮する代わりに…術者の身体に深刻なダメージが残るという古の伝説級特殊能力。
その力は術者の魔力量に依存すると本国の古文書には記されていた筈だったが…
壱成は受け止めたクレイゴーレムの太くて丈夫な腕を掴むと、そのまま彼の2倍近い身長に数倍の重さがあるであろうクレイゴーレムを片手で持ち上げる。
そしてそのまま空中へ放り投げると、凄まじい速度で走り出し自身も空中へと飛翔する。
そして槍のように飛び出した壱成は、弾丸のような速度で空中のクレイゴーレムへと迫ると自身の拳を振り抜いた。
壱成が拳を振り抜くと、先程までどんな攻撃に対してもあまりダメージを受ける事なく耐えていたクレイゴーレムの身体は、その凄まじい威力に耐えることができずに瞬時に四方へと砕け飛んだのだった。
「今の彼の魔力量でこの力…ふふっ、ふふふふ。凄い…凄すぎるわっ!」
私はあまりの興奮に思わず声を大にして笑ってしまう。
木の上から観戦していた私だったが、その笑い声に気づいた彼は、その獰猛な肉食獣のような目を私に向けた。
「良いわよ、来なさい!少しだけ手合わせしましょう?」
壱成は背後に迫ったもう一体のクレイゴーレムを、その方向を見ることもなく裏拳のように振った拳で瞬殺する。
そして狙いをリリアに定めたようで…
「ふふっ…。偉大なる風の精シルフよ。我に夢幻と歳星(さいせい)の魔を授け給え…加速(ファスト)!」
リリアは自らに速度上昇の魔法をかけ、弾丸のように飛び込んで来た壱成を辛うじてかわす。
リリアが立っていた木は跡形もなく消し飛び、壱成は勢いのあまり数十メートル離れたところに着地したようだ。
「凄い…凄いわ!!期待以上よバンドウ様!!!身体強化した私でもかわすのがやっとだわ…ふふっ、ふふふふふ。それじゃあこれはどうかしら?…偉大なる火の精サラマンダーよ。我に堅忍と太白(たいはく)の魔を授け給え…炎壁(ファイアーウォール)!!」
呪文を唱えたリリアの前には、幾重にも張り巡らされた炎の壁が出現する。高さは10メートル程だろうか…業火のように燃え上がる炎の壁は、とてもじゃ無いが生物が通過できるようには思えない。
「流石に突破出来ないかしら?………!!」
数十に渡って張り巡らせた鉄壁の守りであったが…外側の壁から順に何かが突破しているのか、壁が消滅していっているのが魔力的に繋がっているリリアには分かった。
自身の魔力を用いて世に顕現させた魔法は、術者との繋がりが感じられる。魔法が外的要因によって妨害又は掻き消された場合、術者は直ぐに把握出来るのだが…今まさに私の炎壁が掻き消えているのが分かる。
一枚…二枚…三枚…凄まじいスピードで消滅していっている。残っているのは後三…二…一…来るわ!
「グゥゥゥゥ!!!!!」
業火の中から現れた壱成は金切り声のような奇声を上げる。そして彼の腕は黒いモヤの様なものを纏っていた。
「あれは…能力(スキル)かしら?記録には残っていないわね。…さあバンドウ様?ここからが本番です。実は私、こう見えて肉弾戦の方が得意なんですよ??…来なさい」
「グググゥゥ…」
金属と金属がぶつかり合った時の様な音を発した壱成は、凄まじい速さでリリアに迫る。
「そう!そうですよバンドウ様!!もっと…もっと来て下さいっ!!もっと私を滅茶苦茶にするように来て下さい!!!」
リリアは壮絶な攻撃を繰り出してくる壱成の打撃を全て受け止めながら、非常に楽しそうに笑いながら声を上げる。
「良い!凄く良いっ!!これは第6級…いや、既に上級冒険者である第5級冒険者の域に達しているかも知れないですね…ふふっ、ふふふふふふ。バンドウ様、凄いですよ…想像を遥かに超えていますよ!ふふふふっ」
リリアは半ば狂気に満ちたように笑い、理性を失っている壱成に楽しげに話しかける。それは非常に妖艶であると同時に恐ろしくも感じるものであったが、壱成の目には映ってはいない。
今の彼の目に映っているのは、ただの破壊対象に過ぎないからである。
「ガッ!!…ガッガッ!!ガガンッ!!」
両者の攻撃の応酬は見事に拮抗する。…いや、リリアはわざと拮抗するように相手をしているのだ。
壱成の打撃は特殊能力によって遥かに強化されたものであっても、リリア相手では技量や経験…多くの点で下回っていた。
一見すると膠着しているように見える戦闘も、リリアが手を抜いているに過ぎないからである。
「いいデータも取れたし…そろそろかしら?誰かに見られても不味いし」
夕暮れの街外れの街道という人気の無い場所に時間帯を選んで"データ収集"を始めたものの、あまり長引くと行商人や騎士が通りかかる恐れもある。そろそろ彼を鎮静化させて傷ついた身体に回復魔法をかけないと…。
本国の文献では狂戦士の弱点は"睡眠"。眠り系の魔法や能力に弱いとの事だったわ。
そしてリリアは壱成の腹部に軽く打撃を入れると、大きく後ろに飛んで距離を保つ。
「偉大なる水の精ウンディーネよ。我に奔放と辰星(しんせい)の魔を授け給え…睡眠(スリープ)!」
リリアから放たれた魔法はふわふわと壱成に迫ると、スポンジが水分を吸収するかの様に壱成の体の中へと入っていった。
「これでこの前のように眠りに落ちて…………っ!!!!」
しかし、魔法の直撃を受け眠ったかのように俯いた壱成であったが…突如近寄るリリアに向けて飛びかかった。
「何故効かない?!この前はこれで………まさかこの2週間で成長して?…そんな、いくらなんでも早過ぎるわ…!!」
彼女の予想を上回る速度で成長を見せる壱成に驚きを見せるリリア。
そして更に想定外の事態がリリアを襲う。
「誰か来る…」
周辺の魔力を感知する魔法を展開しているので、近くに魔力を有する何かが近づけばそれが反応するのだが…魔力反応は7…いや9.10…15?!この数は…巡回の騎士か?!
「何だこの戦闘の跡は…おいっ!誰かそこにいるのか?!」
近づいて来る騎士の声に反応して、狂戦士状態の壱成は声のする方向に狙いを定めたようだ。
「不味いっ!!…くっ!!」
リリアは止めようとするも、思いのほか近くまで迫っていた騎士たちに見られないように森の中に飛び込む。
まだ正体がバレるわけには…。
リリアはフードを深くかぶると、自身に透明化の魔法を付与する。
「くっ…面倒な事にはならないで欲しいのだけれど…」
しかし、そんな彼女の想いとは裏腹に…
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