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第十一章 捨てられた者
03 肉体再構成
しおりを挟む「巫女様!」
「ダフネさん、この人を治療します、手伝ってください。」
ダフネさんはテキパキと手伝ってくれます。
ななしさんの衣服を剥ぎ取って、ダフネさんは息をのみました。
「どうしたらこんな酷いことを思いつくの!」
そう、ななしさんは体中傷だらけです。
切り傷だけではなく、火傷の痕や、足の爪も一部剥がされたりしています。
あの男、戻ったら同じ目にあわせてやる……
とにかく前室の診察台に乗せました。
私の頭の中で如何するのか、聞かれたような気がしますので、パスポートキー登録と、身体中の傷も治療するように強くイメージしました。
閃光が起こり、ななしさんの身体がだんだん消えていきます、最後に白骨の状態になりました。
しばらくして、徐々に筋肉や内臓が復活し皮膚が出現し、最後に髪が生えてきました。
遺伝子情報を解析して、肉体を再構成できたようです、その後、計測器のようなもので、ななしさんの身体を念入りに計測していました。
ダフネさんが真っ赤な顔をしています。
「巫女様、ここからは先は、人に見られたくないものですから!」
とリリータウンへ追い出されました。
久し振りのリリータウン、いつものようにアリスさんが出迎えてくれます。
アリスさんが云うには、ダフネさん以外はキリーの町で、海水浴を楽しんでいるそうです。
皆さん、好きですね、でもウミサソリキングは大丈夫なのでしょうか?
何はともあれ、若い衆には目の毒でしょうね。
ダフネさんが、ななしさんをつれてきました。
「ななしさん、バスローブはどうしたのですか?」と聞くと、「イシュタル様の許可なくして衣服は着られません。」
ななしさんは文句なしの美少女です。
真っ白の髪と真っ白の肌と赤い瞳、胸は少々小ぶりですが、引き締まったヒップが、若さを強調しています。
ん、赤い瞳?
アリスさんが、
「その方の遺伝子情報はほぼ正常です。先天性白皮症が少し出ていますが、個性ということで、再現したということです。」
「しかし紫外線などに弱いことになるので、特別に耐性をつけています、通常の生活に支障はありません。」
「とりあえずバスローブを着てください。」
「アリスさん、所持者とリリータウンについての説明をしてあげてください。」
アリスさんが説明している間に、ダフネさんにななしさんの印象を聞いてみました。
「感情のない方ですね、あの身体を見れば、どれほど惨いことをされたのか想像できます、生きるために感情を捨てたのでしょう。」
「ダフネさん、失礼ながら、あなたは私たちの中で一番年上、できれば、少し彼女のことを気にしてやってくれませんか?」
ダフネさんは頷いてくれました。
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