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第四の記録
テープ A面
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「よっしゃ。聞こえとるか?今からテープを記録していこう思うわ。念のため説明しとくけど、これはあくまでも実験や。まあ俺の勝手な発想やねんけど、交番での話っちゅうんは、どえらい重大な証拠に繋がる事があると思うんや。例えば、せやな。人が死んどる言うて交番にえらい剣幕で駆け込んで来よった思たら、実はどっこいそいつが犯人で、交番でポロリと矛盾した様な発言なんかしよったら、全部証拠にできるやろ?まあ例が極端すぎるわな。ハハハ。まあええ。今、訪問者がちょうど来よったから、やったろ思てな。あんまり待たせる訳にはいかんし、説明はここまでや。当然堂々と録音しても何の効果もあらへんから、テープはポケットにしもとく。せやから、そんなに音は良うないけど、そこは堪忍やで(終始小声での記録)」
(ガサガサという音。恐らく、ポケットにテープを仕舞い、移動しているものだと思われる)
「待たせてすんません。で、どない用件で来はったんです?」
「実は、通学途中の子供達なんですが、朝早くから毎日の様に騒々しい声で家の前を通って行くんです。もうそれが五月蠅くて五月蠅くて。学校に電話もして、静かに登校する様にお願いしたんですけど、全く変わる様子が無くて」
「そんな事がなんべんも続いた、っちゅう訳ですか」
「はい。学校に直接言っても効果が無いので、できれば、警察の方からも学校に話を入れて欲しいなと」
「まあ、喧しいて寝れんのは、かなんことですしね」
「理解頂き、有難う御座います。学校名は××小学校で間違いないと思います。五月蠅い子達の名前までは分かりませんが、通学路にしてるぐらいですから、うちの近くに住んでる子です。私の家は△△地区です。まあこのまま騒がしいままでしたら、私の方から名前を突き止めてここに連絡しに来るつもりですがね」
「分かりました。××小学校に、△△地区を通学路としてるおたくらの生徒が、朝早くやいうのにガヤガヤ騒ぎながら登校しよる。せやから、その近所に住んでる人達が、寝れんいうて困っとる。おたくらで、しっかり注意してくれ、っちゅう感じで促せばええですかね?」
「十分です。後、私の名前は伏せてくださいね」
「勿論です」
「そしたら、後はお願いします。これでも静かにならない様でしたら、またここへお伺いする事になると思います。有難う御座いました」
「いやいや。こちらこそ」
(ガチャという音。恐らく訪問者の女性が交番を後にしたのだと思われる。)
(しばらく間が開いて、ガサガサという音。テープを取り出したのか、ここから音が良くなる。同時に、男性の溜息が聞こえてくる)
「こらぁ、録音する内容を選び間違うてしもたみたいやな。こんなん、証拠でもなんでもあらへん。それにしてもけったいな小母はんやで。子供なんて、普通は喧しいもんやろ。それを何や寝れんかしらんけどやなぁ…」
(大きな溜息が再び聞こえる)
「ん?あら誰や。交番の前に誰かおるで。じっとこっち見とる。ひょっとしたら、あいつも交番に用事があるんとちゃうか。テープ止めよか思たけど、あの兄ちゃんの話も一応録音しとこか」
(暫く無言が続く)
「あの兄ちゃん、何しとんねや?立ち尽くしとるけど、何も用あらへんのか?それより、何やあの怪しいカッコは。全身真っ黒やないか。フード被っとるしやな。こんな真夜中にそないな事しよって。俺に捕まえ、っちゅうんかいな。交番にえっらい恨みでもあるんか?ただでさえ真っ暗やのにあないにフード深く被りよったら、顔も見えんで」
(また無言が続く)
「なんか怖なってきたで。一体何の用や。そもそも、用なんてあらへんのとちゃうか。ほなあそこで何してるんや、あの兄ちゃんは。いや、あらほんまに兄ちゃんなんか。勿論、老けて見えるから爺ちゃんとかでは、あらへんのやけど、何ちゅうか…あかん、凝っと見てたら、気が狂てまいそうや」
(無言だが、ガサガサという音)
「あら兄ちゃんでも爺ちゃんでもあらへん。もっと、ちゃうもんや。上手く説明はでけへんけど…何にせぇ普通やない。どないしたらええねん。俺は警察官や。せやから、あないな明らかな不審者見つけたら、嫌でも話聞かなあかん。不審者?真夜中に全身黒ずくめで顔も見えん。それに、突然現れて一歩も動きよらん。手も顔も一つも動かしよらんで。そんなもん、間違いなく不審者や。せやけど、あれと関わりとうない。俺の本能がそう思うんや。俺は何十年も警察やっとるから、えぐい変態だって、変質者だって見てきとるし、慣れとるから何も怖ない。俺は今そんな普通のもんにびびっとんのとちゃうねや」
(恐らく無言。ここから、文字では表しようのない雑音が何度も記録され始める)
「あかん。初めに見た時から、近付いて来てるような気がすんで。ほんまにどないしたらええねん。ポリとして、いっぺん話聞きに行くしかあらへんのか。せやけど、近付きとうもないし、ドアも開けとうない。あかん。テープも切れてまう。せめて記録ぐらいはせんと…」
(言い終えると、テープのA面が終わった)
(ガサガサという音。恐らく、ポケットにテープを仕舞い、移動しているものだと思われる)
「待たせてすんません。で、どない用件で来はったんです?」
「実は、通学途中の子供達なんですが、朝早くから毎日の様に騒々しい声で家の前を通って行くんです。もうそれが五月蠅くて五月蠅くて。学校に電話もして、静かに登校する様にお願いしたんですけど、全く変わる様子が無くて」
「そんな事がなんべんも続いた、っちゅう訳ですか」
「はい。学校に直接言っても効果が無いので、できれば、警察の方からも学校に話を入れて欲しいなと」
「まあ、喧しいて寝れんのは、かなんことですしね」
「理解頂き、有難う御座います。学校名は××小学校で間違いないと思います。五月蠅い子達の名前までは分かりませんが、通学路にしてるぐらいですから、うちの近くに住んでる子です。私の家は△△地区です。まあこのまま騒がしいままでしたら、私の方から名前を突き止めてここに連絡しに来るつもりですがね」
「分かりました。××小学校に、△△地区を通学路としてるおたくらの生徒が、朝早くやいうのにガヤガヤ騒ぎながら登校しよる。せやから、その近所に住んでる人達が、寝れんいうて困っとる。おたくらで、しっかり注意してくれ、っちゅう感じで促せばええですかね?」
「十分です。後、私の名前は伏せてくださいね」
「勿論です」
「そしたら、後はお願いします。これでも静かにならない様でしたら、またここへお伺いする事になると思います。有難う御座いました」
「いやいや。こちらこそ」
(ガチャという音。恐らく訪問者の女性が交番を後にしたのだと思われる。)
(しばらく間が開いて、ガサガサという音。テープを取り出したのか、ここから音が良くなる。同時に、男性の溜息が聞こえてくる)
「こらぁ、録音する内容を選び間違うてしもたみたいやな。こんなん、証拠でもなんでもあらへん。それにしてもけったいな小母はんやで。子供なんて、普通は喧しいもんやろ。それを何や寝れんかしらんけどやなぁ…」
(大きな溜息が再び聞こえる)
「ん?あら誰や。交番の前に誰かおるで。じっとこっち見とる。ひょっとしたら、あいつも交番に用事があるんとちゃうか。テープ止めよか思たけど、あの兄ちゃんの話も一応録音しとこか」
(暫く無言が続く)
「あの兄ちゃん、何しとんねや?立ち尽くしとるけど、何も用あらへんのか?それより、何やあの怪しいカッコは。全身真っ黒やないか。フード被っとるしやな。こんな真夜中にそないな事しよって。俺に捕まえ、っちゅうんかいな。交番にえっらい恨みでもあるんか?ただでさえ真っ暗やのにあないにフード深く被りよったら、顔も見えんで」
(また無言が続く)
「なんか怖なってきたで。一体何の用や。そもそも、用なんてあらへんのとちゃうか。ほなあそこで何してるんや、あの兄ちゃんは。いや、あらほんまに兄ちゃんなんか。勿論、老けて見えるから爺ちゃんとかでは、あらへんのやけど、何ちゅうか…あかん、凝っと見てたら、気が狂てまいそうや」
(無言だが、ガサガサという音)
「あら兄ちゃんでも爺ちゃんでもあらへん。もっと、ちゃうもんや。上手く説明はでけへんけど…何にせぇ普通やない。どないしたらええねん。俺は警察官や。せやから、あないな明らかな不審者見つけたら、嫌でも話聞かなあかん。不審者?真夜中に全身黒ずくめで顔も見えん。それに、突然現れて一歩も動きよらん。手も顔も一つも動かしよらんで。そんなもん、間違いなく不審者や。せやけど、あれと関わりとうない。俺の本能がそう思うんや。俺は何十年も警察やっとるから、えぐい変態だって、変質者だって見てきとるし、慣れとるから何も怖ない。俺は今そんな普通のもんにびびっとんのとちゃうねや」
(恐らく無言。ここから、文字では表しようのない雑音が何度も記録され始める)
「あかん。初めに見た時から、近付いて来てるような気がすんで。ほんまにどないしたらええねん。ポリとして、いっぺん話聞きに行くしかあらへんのか。せやけど、近付きとうもないし、ドアも開けとうない。あかん。テープも切れてまう。せめて記録ぐらいはせんと…」
(言い終えると、テープのA面が終わった)
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