77 / 83
第77話:初戦の結果は?
しおりを挟む
ブー、という電子音と共に
ドローンがリング上部へと飛び上がる。
1R目とは異なり、
4401は突っ込んでこない。
((思ったよりダメージあるのかな?))
((──うん。左太ももが赤く腫れているから、
踏み込みが上手くいかないと推測できるよ。))
しっかり構えて、
間合いを取りながら4401を見据える。
((こないなら、こっちから仕掛けようか?))
((──うん。相手の隙を見つけてポイントで示すね。))
((お願いね、ゼニス。))
4401は肩幅に脚を広げ右手を後ろにし、
オーソドックスな構えで狙いをつけている。
4401が左脚を少し前に出した瞬間、
ポインターが赤く腫れた箇所に点灯。
左脚を踏み込み、
ポインター目掛けて右脚を思いっきり振り抜いた。
バチン、という音が響き、4401の動きが止まる。
苦悶の表情をしているが、
眼光の鋭さは衰えていない。
((いい感触だったけどな......))
((──確実にダメージは蓄積できているから、
焦らず落ち着いていこう。))
((うん。))
その時、
4401は力を振り絞るように前へ出る。
太ももに痛みなど感じていないかのように、
左、左、右と連続でパンチを繰り出す。
いつの間にか、
4401の間合いまで詰められていた。
((ヤバっ......))
ミシッ、右の脇腹にズシリと重い感触、
瞬間的に息が止まりそうになる。
そのまま、4401のパンチが容赦なく降り注ぐ。
成す術なく、ガードを固め後退。
((──遥、4401の左側に回り込んで。))
パンチを放ちながら前に出てくる4401の左側へ回り込むように、
右側に体を捻りながら躱す。
ポインターが、
左太ももに点灯、すかさず蹴りを当てる。
間髪入れずに左脇腹にも表示、
戻した右脚を即座に振り抜く。
バキッ、という鈍い音と共に
4401のガードが下がった瞬間、
左側頭部にポインターが点灯する。
左脚でしっかり踏み込み、
右脚を鞭のように4401の側頭部へ叩き込む。
ドサッ、と前のめりでリングに倒れ込む4401。
リング上部で戦況を見守っていたドローンが、
4401の側に降り、周囲を旋回しながら様子を伺っている。
「はぁ......はぁ......立たないで欲しい......」
((──4401のダメージ率87%と推測。
左肋骨6番目、7番目の骨折あり。
左太もも、重度の打撲と判別。
総合的に判断して立ち上がる確率は3%未満だよ。))
「ふぅ......はぁ......それなら助かるね。ふふっ」
((──うん。))
4401の様子を伺っていたドローンは、
リング上部へと飛び上がる。
それと同時に担架を手にした職員が、
リングへと入ってきた。
「あぁ......終わったみたいね......」
((──うん。お疲れ様、遥。))
職員は倒れている4401に一瞥もくれず、
荷物でも扱うように担架に乗せ、
リングの外へと運び出して行った。
観客席からは歓声はなく、
ざわざわとしている。
「マジで、しんどかったね。」
((──うん。頑張ったね、遥。))
リングにそのままへたり込む。
「あと19回とか地獄だわ......あはは」
((──......))
ゼニスと会話をしていると、
リングの中へと栞が入ってきた。
「あれっ......栞ちゃん?」
栞が顔を覗き込みながら、
声を掛けてきた。
「遥さん、お疲れ様でした。立てますか?」
「うん、大丈夫だよ。」
「それならよかったです。」
「栞ちゃん、見てたの?」
「はい、もちろんです。
遥さんの担当なので、ちゃんと見ていました。」
「そうなんだね。」
グッと両足に力を込めて立ち上がり、
栞と共にリングから通路へと移動した。
「わたしも脇腹とか痛いな......」
「大丈夫ですか、遥さん?」
栞が心配そうに顔を向けてきた。
((──遥の受けたダメージで、重篤なものはないよ。
脇腹や鳩尾は軽い打撲とデータ上で確認済み。
2日、3日すれば回復するよ。))
((おぉ~、それなら安心。))
「骨とか折れてないみたいだし、大丈夫だよ、栞ちゃん。」
「それなら、よかったです、遥さん。」
「栞ちゃん、心配してくれてありがと。」
「いえ、遥さんの担当なので、当然のことです。」
「うん。でも、ありがと。」
「はい、遥さんにはサバイバル・レジスタンスを
盛り上げていただく必要があるので、
参加できなくなると困ります。」
「......あっ、うん、そうだよね。えへへ」
((ぜんぜん、わたしのこと心配してる感じじゃないよね?))
((──うん。管理官の手のものだから、
運営側、情報統括省の考えで動いているという事だね。))
((なるほどね、友達にはなれそうもないかもね。ふふ))
((──うん。用心に越した事はないね。))
((だね。))
栞は歩く速度を上げ、
スタスタと通路の奥へと消えて行った。
「なんか......味気ないね。あはは」
((──うん。でも、管理官が寄越した職員という事を考慮すれば、
納得の行動とも言えるね。))
「確かにね。ふふっ」
キューブに戻ったゼニスの光が、
視界の隅で淡く光を放っている。
「ゼニス居るから、別にいいけどさ。」
((──うん。遥のサポートは任せてね。))
淡い光が少しだけ力強く光ったように見えた。
ドローンがリング上部へと飛び上がる。
1R目とは異なり、
4401は突っ込んでこない。
((思ったよりダメージあるのかな?))
((──うん。左太ももが赤く腫れているから、
踏み込みが上手くいかないと推測できるよ。))
しっかり構えて、
間合いを取りながら4401を見据える。
((こないなら、こっちから仕掛けようか?))
((──うん。相手の隙を見つけてポイントで示すね。))
((お願いね、ゼニス。))
4401は肩幅に脚を広げ右手を後ろにし、
オーソドックスな構えで狙いをつけている。
4401が左脚を少し前に出した瞬間、
ポインターが赤く腫れた箇所に点灯。
左脚を踏み込み、
ポインター目掛けて右脚を思いっきり振り抜いた。
バチン、という音が響き、4401の動きが止まる。
苦悶の表情をしているが、
眼光の鋭さは衰えていない。
((いい感触だったけどな......))
((──確実にダメージは蓄積できているから、
焦らず落ち着いていこう。))
((うん。))
その時、
4401は力を振り絞るように前へ出る。
太ももに痛みなど感じていないかのように、
左、左、右と連続でパンチを繰り出す。
いつの間にか、
4401の間合いまで詰められていた。
((ヤバっ......))
ミシッ、右の脇腹にズシリと重い感触、
瞬間的に息が止まりそうになる。
そのまま、4401のパンチが容赦なく降り注ぐ。
成す術なく、ガードを固め後退。
((──遥、4401の左側に回り込んで。))
パンチを放ちながら前に出てくる4401の左側へ回り込むように、
右側に体を捻りながら躱す。
ポインターが、
左太ももに点灯、すかさず蹴りを当てる。
間髪入れずに左脇腹にも表示、
戻した右脚を即座に振り抜く。
バキッ、という鈍い音と共に
4401のガードが下がった瞬間、
左側頭部にポインターが点灯する。
左脚でしっかり踏み込み、
右脚を鞭のように4401の側頭部へ叩き込む。
ドサッ、と前のめりでリングに倒れ込む4401。
リング上部で戦況を見守っていたドローンが、
4401の側に降り、周囲を旋回しながら様子を伺っている。
「はぁ......はぁ......立たないで欲しい......」
((──4401のダメージ率87%と推測。
左肋骨6番目、7番目の骨折あり。
左太もも、重度の打撲と判別。
総合的に判断して立ち上がる確率は3%未満だよ。))
「ふぅ......はぁ......それなら助かるね。ふふっ」
((──うん。))
4401の様子を伺っていたドローンは、
リング上部へと飛び上がる。
それと同時に担架を手にした職員が、
リングへと入ってきた。
「あぁ......終わったみたいね......」
((──うん。お疲れ様、遥。))
職員は倒れている4401に一瞥もくれず、
荷物でも扱うように担架に乗せ、
リングの外へと運び出して行った。
観客席からは歓声はなく、
ざわざわとしている。
「マジで、しんどかったね。」
((──うん。頑張ったね、遥。))
リングにそのままへたり込む。
「あと19回とか地獄だわ......あはは」
((──......))
ゼニスと会話をしていると、
リングの中へと栞が入ってきた。
「あれっ......栞ちゃん?」
栞が顔を覗き込みながら、
声を掛けてきた。
「遥さん、お疲れ様でした。立てますか?」
「うん、大丈夫だよ。」
「それならよかったです。」
「栞ちゃん、見てたの?」
「はい、もちろんです。
遥さんの担当なので、ちゃんと見ていました。」
「そうなんだね。」
グッと両足に力を込めて立ち上がり、
栞と共にリングから通路へと移動した。
「わたしも脇腹とか痛いな......」
「大丈夫ですか、遥さん?」
栞が心配そうに顔を向けてきた。
((──遥の受けたダメージで、重篤なものはないよ。
脇腹や鳩尾は軽い打撲とデータ上で確認済み。
2日、3日すれば回復するよ。))
((おぉ~、それなら安心。))
「骨とか折れてないみたいだし、大丈夫だよ、栞ちゃん。」
「それなら、よかったです、遥さん。」
「栞ちゃん、心配してくれてありがと。」
「いえ、遥さんの担当なので、当然のことです。」
「うん。でも、ありがと。」
「はい、遥さんにはサバイバル・レジスタンスを
盛り上げていただく必要があるので、
参加できなくなると困ります。」
「......あっ、うん、そうだよね。えへへ」
((ぜんぜん、わたしのこと心配してる感じじゃないよね?))
((──うん。管理官の手のものだから、
運営側、情報統括省の考えで動いているという事だね。))
((なるほどね、友達にはなれそうもないかもね。ふふ))
((──うん。用心に越した事はないね。))
((だね。))
栞は歩く速度を上げ、
スタスタと通路の奥へと消えて行った。
「なんか......味気ないね。あはは」
((──うん。でも、管理官が寄越した職員という事を考慮すれば、
納得の行動とも言えるね。))
「確かにね。ふふっ」
キューブに戻ったゼニスの光が、
視界の隅で淡く光を放っている。
「ゼニス居るから、別にいいけどさ。」
((──うん。遥のサポートは任せてね。))
淡い光が少しだけ力強く光ったように見えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる