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しおりを挟むエドワードに連れられて、劇団の稽古を見学しにいくと、みんなが歓迎してくれた。
僕は稽古の邪魔にならないように、いつも隅っこにいる。
でもアルバートくんも遊びに来ていたから、たくさんお喋りをして仲良くなることが出来たし、毎日充実していた。
それに、エドワードを誤解していたところもあって、僕はまた、エドワードと仲良くやっていけるのではないかと思うようになっていた。
ずっと後援者がいると嘘をついていたことに関しては、理解出来なかったけど……。
僕を陥れたいとかそういう理由ではなかったから、その点は気にしていない。
なにより、僕のために臨時の仕事をしていたことにも驚いた。
誤解が解けたおかげもあって、僕はエドワードのことを心から支えたいと思っている。
そう、思っているのだけど……。
小さな家の狭いキッチンで、料理をしている僕にバックハグをするエドワードが『早く食べたい』と甘えている。
すぐ傍にレオンさんとアルバートくんもいるから、僕は正直恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。
「エディーも一緒に作ろうよ!」
「いや。俺は料理苦手だし、手伝ったとしてもただの足手纏いだろ?」
「そんなことないよ? それにほら、包丁を使ってるから、くっついていたら危ないし……」
「大丈夫。ノエルが怪我をしないように、俺が見てるから」
僕がなにを言っても、得意な人がやればいい、分担作業だと答えるエドワード。
なかなか頑固なところがあるんだ。
僕はエドワードに料理を覚えてもらいたいし、できるなら一緒に作って楽しみたい。
でも嫌なことを強制させるわけにもいかないから、なんて誘い文句を言えばいいのだろうかと、頭を悩ませていた。
エドワードは、僕が寂しい想いをしないように、ずっと傍にいようと心がけてくれている。
その気持ちは嬉しいのだけど、僕は楽しみを共有したい……。
料理に一切興味がないのに、僕の好きなことを理解しようと、共に厨房で料理をしてくれたユージーン様を思い出して、僕は慌ててかぶりを振る。
「間違ってはいないっ! 僕もされたらドキドキすると思うっ。でも、桃色天使が求めているのは、それじゃないっ!」
なにやら早口で喋った可憐な容姿の男の子が、フォークでガンガンと鶏肉を叩いている。
料理に興味を持ってくれたアルバートくんは、レオンさんを喜ばせるためにやる気満々だ。
「おい、急にどうした? アルもやって欲しいのか?」
「っ!! は、はあっ???? そんなわけないじゃんっ、バッカじゃないの!? 誰にでもそんなこと言ってるわけ!? チャラい奴は嫌いっ!」
「……心配しただけなのに、なんで俺はチャラい男になってるんだよ。危ないからもうやめておけ」
そう言って、さりげなく華奢な体を背後から包み込んで、鶏肉をぶっ刺していたフォークを奪ったレオンさん。
アルバートくんの代わりに、慣れない手付きで肉を柔らかくし始めた。
横目で見ていただけの僕だけど、キュンと音を立てた胸を押さえた。
ちなみにアルバートくんのライフはゼロで、意識はどこかへ飛んでいる。
そのあと四人で卓を囲み、完成した料理を食べる時間はすごく楽しかった。
また四人で集まろうと約束をして、今後は劇団の人たちにも差し入れをすることに決まったんだ。
僕によくしてくれる劇団のみんなをサポート出来るし、僕も心置きなく稽古の見学に行ける。
なんだかんだで、充実した一日になっていた。
わくわくしながら明日の差し入れの下準備をしていた僕だけど、エドワードは次の舞台のために本格的に動き出すことになり、僕はまた複雑な想いをすることになる。
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