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第一章 ~新人研修~ヴィーギナウス編
第10話 「中間報告」
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「先生、この山の奥に魔物の巣があるんですか?」
「そうよ、もうすぐ着くはずだけど…」
「気を引き締めて行かないとですね」
「とりあえず、筋力強化・知覚強化・反応速度強化」
「うわ、先生~。いつも突然強化魔法掛けるのやめて下さいって言ってるじゃないですか」
「戦いはいつも突然なんだからそういうのにも慣れなさい」
「厳しいな~」
軽い雑談をしつつも周囲に潜伏している敵に気づいていた二人は戦闘に突入し、魔物達を倒しながら進み 迷宮にたどり着いてからはトラップや待ち伏せを警戒しながら攻略して最深部のボスの間に侵入した。そこに居たのは頭が四つある巨大な体躯の狼型魔物だった。
「今回は狼のような魔物ですね」
「そうね、四つ首を持つ狼だから噛みつきに気を付けなさい」
「はい、先生」
――――――――――――――――――――――
ヨツマタノウルフが現われた!
勇者ルークの攻撃!
ヨツマタノウルフに15のダメージ!
魔法使いメアリーは防御魔法を唱えた!
勇者ルークの守備力が300上がった。
・
・
・
・
・
・
ヨツマタノウルフの攻撃!
噛みつき4連撃!
勇者ルークは1回、魔法使いメアリーは3回噛みつかれた!
勇者ルークに61のダメージ! 魔法使いメアリーに3のダメージ!
・
・
・
・
・
・
十数ターン経過
・
・
・
・
・
・
魔法使いメアリーは強化魔法を唱えた!
勇者ルークは限界を超えて全能力が強化された!
「次で決めないとあんたの身体がバラバラになるからね」
「ええ!?」
勇者ルークの攻撃!
全力攻撃!
ヨツマタノウルフに500のダメージ!
ヨツマタノウルフを倒した!
――――――――――――――――――――――
「せ、先生~、全身が痛いです」
「そりゃ~強化魔法で少しずつとはいえ最後は身体のリミッター全部外した上に限界以上の力も引き出したんだから痛みくらいは当然あるわよ」
「そんな~」
「そうでもしなきゃあんたにはあの魔物倒せなかったでしょ」
「いつも思うんですけど、先生ってホントに攻撃魔法苦手なんですか?」
「……なにを根拠に?」
「だって先生って魔物の攻撃を受けてもかすり傷かヘタしたらそれすら負わないし、ボクを担いで平然と歩くくらいの力も持ってるし、強化魔法や補助魔法は数えきれないくらい扱えるから攻撃魔法も使えるんじゃないかな~って思ったんですけど、」
「…………そろそろあんたには話しておいた方がいいかもね」
「へ? なんですか?」
「実はあたし、攻撃魔法を使えないんじゃなくて封印されてるの」
「封印? どうしてですか?」
「ずっと昔に魔王の手先に呪いを受けてね、おかげて強化や補助魔法しか使えないってわけ」
「そ、そうだったんですか…、すいません! そんな事情があるとは知らず、先生の気持ちも考えないで無神経な事を聞いてしまって、」
「別に気にしてないからいいわよ。というわけでこれからも引き続きメイン戦闘はルークでよろしく」
「はい! どんな敵が来ても必ず先生はボクが守り抜いてみせます!!」
(直接魔物殺せないから適当についた嘘だったけど、思った以上にやる気だしたわね)
そんなやりとりをしながら勇者ルークと魔法使いメアリーが魔王討伐の旅を始めて約一年、彼らは大陸各地に点在する迷宮を一つ、また一つと攻略し、徐々に勇者ルークの名は民衆の間でも知れ渡っていくようになった。そして旅の道中で新たな仲間を二人得て、いよいよ彼らは魔王が居ると思われる地方に入り戦いは佳境に入ろうとしていた。
―とある酒場―
「おばちゃん、葡萄酒と腸詰肉30本お願い」
「先生、頼み過ぎですよ」
「なにいってんのよ、これからきつい戦いが続くんだからしっかり食べて養生しときなさい」
「え? もしかして食べるのボクですか?」
「他に誰がいるのよ」
「拙者達もいるのだが、」
「メアリーさん、ルーク様の事を気遣うのは当然ですが、私たちの事も気にかけてください」
旅の途中、ルーク達の仲間にしてくれと付いてきたスズミ国の侍シスイとネルアミス教の僧侶ルルカはルークとの扱いの差に不満をもらす。
「大丈夫よ、ちゃんと二人の分も別で注文するから」
「ちょ、先生あんな大きな腸詰肉30本も一人で食べられませんよ」
「ん~それもそうか、おばちゃん! 腸詰肉以外で付け合せにあと2、3品適当にお願い! ……同じ味だと飽きるもんね」
「いや違くて!?」
「メアリー殿は本当にルーク殿の事を大事にしておるのですな」
「ですね、私だってほんとはルーク様と少しくらい、ごにょごにょ…」
「ん? ルルカ殿、なんと言ったのだ? 僧侶の方々は時々聞き取りにくい発音をされるからなんと言ったかわからなかったでござる。もう一度言ってもらえぬか?」
「う、うるさいですよシスイ! 侍のくせに細かい事を気にしないでください!」
「……二人も傍から見たら似たようなもんな気がするけど、」
「何がですか先生?」
「別に、あ、ちょっと私、用があるからあんた達先に食事してて」
「用? もしかして男ですか!?」
「情報収集よ、これから向かう地方についてろくな知識もなしに行くなんて自殺行為でしょうが。男とか一体なにを想像してるの?」
「あ、いや、その、……なんでもありません」
下を向いて赤くなっているルークをほっといてメアリーは酒場の隅で一人で食事をしている人物の隣に座ると、小さな声で話しかけた。
「お疲れ~、予定通りここまでは順調に来れたわ。若干予定外の仲間が二人いるけど」
「お疲れ様です先輩。各大陸に作った拠点は先輩達のパーティが潰したの以外に残ったわずかなモノも勢力を盛り返したヨツメツ帝国や北の大国が頑張って駆逐したのでこの地方以外はほぼ片付きました。これで各大陸に放流する魔物の数は減らして良いんですよね?」
「その分城で繁殖させる数もちゃんと減らしなさいよ? 私たちが帰る時に残った魔物が城から解き放たれて「結局滅亡しました~」なんて冗談にもならないんだからね?」
「はい、そこは気を付けます。あと、会社に送るこれまでの中間報告の期限がそろそろですけど、先輩の分の書類どうしましょうか?」
「あ、そういえばそっちまだ渡してなかったわね。これお願い」
メアリーは懐から紙束を取り出すと、デスフレアに手渡した。
「はい、お預かりします」
「じゃ、明日から魔王城に向けて適当に寄り道しながら時間稼いで進んでくから、出迎えの準備頑張りなさいよ」
「は~い、けど先輩、寄り道する程時間残ってるんですか?」
「……なんの話?」
「あの子、そろそろ限界ですよね? 強化魔法使うの」
「…気づいてたの」
「一応私も解析魔法は使えますので…、その、少し前に明らかにルーク君の体調が悪そうなときに一回覗き見て気づいちゃいました。あの子の寿命がすごいペースで減ってるの。昔幼少期に見た時はあんなに少なくなかったですよね?」
「…………えぇ、できるだけ強化魔法を手加減したり、周囲に防御魔法の結界張ったりしながら可能な限りあの子の負担は抑えてたつもりだったんだけど、正直もうだいぶあの子の細胞や臓器は疲弊し始めてるわ」
「まあ、私たち魔王クラスの強化魔法を一日に何回と受けてれば人間の身体にはかなりの負担になる事は分かり切ってますしね」
「それだけじゃないわ、あの子は曲がりなりにも人間の勇者なのよ。だから強化魔法とはいえ魔王の魔力を身体に受ければ、」
「当然反発を起こして身体に影響が出るってことですね」
「ここに来てだいぶ物わかりがよくなってきたわね」
「い~え~、それほどでも~」
「………」
「せめてなにか言ってください! ってだからどうするんですか? 最低限の出迎え準備だけでいいなら2,3日もいただければ用意できますから、最短距離で城に来ても間に合うかと、」
「……いや、やっぱり少し歩いてから向かうわ。あの子にはまだ伝えないといけない事があるから」
「…わかりました先輩、魔王城でお待ちしております」
「えぇ、準備の方は抜かりなくね」
「はい」
二人は会話を終了すると互いに席を立ち、メアリーはルークの元に、デスフレアは酒場を後にした。
「先生、あのローブの人、前にも別の酒場で話してみたいですけど、誰なんですか? 先生の知り合いですか?」
「女の過去をいちいち詮索する男はモテないけどそれでも聞きたい?」
「いいえ、まったく気にしてません。今日の腸詰肉もおいしいですよ先生!」
「よろしい」
もはや扱いなれた勇者や仲間達との食事を済ませ、宿に戻ったメアリー達は明日に備えて早く寝る事にし、メアリーも部屋に戻ると明日の支度を済ませ寝ようとした。そこに…、
コンッコンッ
「誰?」
「先生、ボクです」
寝ようとしていたメアリーの元にルークが訪ねてきた。
「ルーク? こんな夜中にどうしたの?」
「あの、相談したいんですけど、最近戦いの後2,3日経っても身体の痛みが抜けにくくなってるんです。少し見てもらえませんか?」
「ん、どれ、こっち来なさい」
ルークを部屋に入れてベットに横にすると、メアリーは身体のあちこちを触りながら、様子を見ていった。
(……大分細胞が壊れ始めてる。これ以上負担が増えると目に見えて身体に影響が出始めるわね)
「どうですか先生?」
「……大丈夫よ、ここんとこ魔物と戦うペースが激しかったから、疲労が蓄積して治りが遅く感じるだけよ。回復魔法掛けとくから、もう今日はすぐに休みなさい」
「……そう、ですか、」
「なにか気になる事があるの?」
「先生、今までずっと言おうかどうか迷ってたんですけど、お願いです! 魔王を倒して無事生き残れたらボクと結婚してください!」
「……あー、その、ルーク。あんたのその気持ちはうれしいわ。正直何年もあんたの修行見てきた私としてもあんたの今後がどうなるかは気になるし、ただ、私は魔王を倒した後はあんたと一緒にはいられない」
「…どうしですか? あ、もし旅を続けたいならどこまでだってお供します!」
「ちがうわ」
「なら……もしかしてなにか重い病かなにかでも?!」
「アホか、そんなら旅なんてせず療養するか治療法見つけに行くわよ」
「じゃ、じゃあどうして、ボクの事が嫌いなんですか?」
「いーえ、嫌いではないわ。むしろ凡人並みの実力しかないのに人々の前に立って頑張ってるあんたは尊敬もできる」
「……では、なにがダメなんでしょう?」
「……もう少ししたら話すわ。もう少ししたらね」
それから数日後、
魔王城に向かって進んでいた勇者パーティは魔物の拠点が近くにあるという情報を聞きつけ、攻略に乗り出していた。
「こっから先一切休める場所は無いと考えた方がいいっス」
「そうなんですか」
今回の魔物の拠点を知っているという街の冒険者ギリウが先導役としてルーク達にこの先への警告をする。
「ここまでもかなりの数の魔物が居たからな、おそらくこの森も魔物がわんさか居るのであろう」
「ルーク様、ここは一度戻って装備を整えた方が、」
「いや、せっかく危険を押してギリウさんに案内してもらったんだ、まだ薬草や傷薬には余裕があるし、もう少し進もう。もちろん敵が強そうだったら引き返すよ」
「もう、ルーク様はそう言っていつも無茶をされるんですから、」
「ごめんね」
「…………」
「おや、こういう時にメアリー殿が黙っているのは珍しいでござるな」
「別に、特になにか言う必要もないかなって思っただけよ」
「先生……」
「ほら、進むんでしょルーク? 行くわよ」
「は、はい」
ルークとメアリーのギクシャクした様子にシスイ達はうすうす気づいてはいたが、魔物達が跋扈する敵地でじっくり話すヒマなどなく、そのまま進んで行った。
「ここがボスの間かな?」
「おそらくそうです。他よりも重厚な扉がボスの間という感じを漂わせてます」
「とにかく入ってみるっス」
「あ、ギリウさんは後ろに下がっててください。いきなりトラップや攻撃があるかもし、」
「あぁ、大丈夫っス。自分そんなの仕掛けてないっスから」
「え?」
ギイィィィィッ
扉が開くと中には大きな椅子と壺や木箱などが数個隅に置かれただだっ広い部屋があるだけでボスの姿はどこにも見当たらなかった。
「魔物がいない?」
「シスイそれより今は、ギリウさん、さっきの自分は仕掛けていないってどういう…」
「いやあ、正直ここまでたどり着かずに死んでくれたらと思ってたんスけどね」
「まさか、魔物の手先に!?」
「人聞きの悪い事言わないでほしいっス、あ、この場合は魔物聞きっスかね? どっちでもいいっスけど」
「三人とも、戦闘準備」
「え、でも先生ギリウさんは人間で、」
「いいえ、魔物よ」
メアリーが指摘すると見る間にギリウの身体は膨張して背中からはコウモリ状の翼が、頭からは左右一対の角が生えてきた。
「俺の本当の名はこの地を主から守るように仰せつかった魔人ギリウっス。というわけで戦うっスよ」
「そんな、ギリウさんが魔物だったなんて、」
「ルーク! 頭を切り替えなさい! 迷うと死ぬわよ!」
「そ、そんな、」
「ルーク殿、致し方ないがやるしかない!」
「ルーク様、来ます!」
――――――――――――――――――――――
魔人ギリウが現われた!
勇者ルークは戸惑っている!
侍シスイの攻撃!
魔人ギリウに45のダメージ!
魔法使いメアリーは防御魔法を唱えた。
全員の防御力が200上がった!
僧侶ルルカはマジックガードを唱えた。
魔法防御力が200上がった!
・
・
・
・
・
・
魔人ギリウの攻撃! 斬撃爪!
勇者ルークに40のダメージ!
ギリウの爪を剣で受け止めながらルークは問う。
「ギリウさん、どうして人間に化けてたんですか!?」
「つまんないおしゃべりしてるとそのまま死ぬっスよ!」
「お願いです教えてください! 魔物だっていうならどうしてここまでの道中何度も助けてくれたんですか!?」
「…たんにどれだけ実力あるのか見てただけっス。あと雑魚に殺されるとつまんなそうだなと思っただけっス」
「そんな、ギリウさんはそんな人じゃないはずだ!」
「俺は人じゃなくて魔人っス!」
「ギリウさん!」
「話は終わりっス!!」
勇者ルークはなおも話しかけようとしている。
侍シスイの攻撃! 真空鎌威太刀!
ギリウに95のダメージ!
魔法使いメアリーは回復魔法を唱えた。
ルークの体力が100回復した。
僧侶ルルカはヒールサークルを唱えた。
全員の体力が徐々に50ずつ回復しだした。
・
・
・
・
・
・
数ターン経過
・
・
・
・
・
・
「ルーク! いい加減に覚悟を決めなさい!」
「でも先生!」
「どれだけ辛くても選択を決めなくちゃいけない事なんていくらでもあるのよ! ここで迷って立ち止まってたってなんにも変らないのよ!」
「でもギリウさんとはまだ話せるはずで、」
「自分に都合の良い展開だけを期待するな! 闘うべき時にはちゃんと戦いなさい! 街のみんなまで死なせたいの!?」
「うぅ、うわぁぁぁぁぁ! くっそーー!!」
勇者ルークは覚悟を決めて攻撃した!
魔人ギリウに60のダメージ!
侍シスイの攻撃! 焔の太刀!
魔人ギリウに120のダメージ!
魔法使いメアリーは防御魔法を唱えた。
勇者ルークの防御力が300上がった!
僧侶ルルカの攻撃! 浄化の閃光!
魔人ギリウに200のダメージ!
魔人ギリウは閃光に包まれて身体が動かなくなった!
勇者ルークの攻撃! 真空斬!
魔人ギリウに300のダメージ!
魔人ギリウを倒した。
――――――――――――――――――――――
「ぐふ、さすが勇者一行っスね」
「……ギリウさん、どうして人間に化けてたのか本当の事を教えてくれませんか?」
「悪いっスけど、その理由を俺が言う事はできないっす。近いうちに俺の主からお話があると思うのでその時に納得してくださいっス」
「主、魔王ですか」
「違うっス、けどあなたの知ってる人っス」
「知ってる人?」
「俺に言えるのはここまでっス じゃあさよならっス」
「ギリウさん!」
言う事をすべて言い終えた魔人ギリウは身体が崩壊し、砂になって消滅した。
「ギリウさん……」
「ルーク殿の知っている者がギリウの主とは、一体何者なのだろう?」
「ルーク様なにか心当たりはありませんか?」
「いや、そんな人に心当たりなんて」
「…………」
疑問の残る中ルーク達はボスの間を後にし、それから一週間後、とうとう彼らは魔王城の前にたどり着いたのだった。
「そうよ、もうすぐ着くはずだけど…」
「気を引き締めて行かないとですね」
「とりあえず、筋力強化・知覚強化・反応速度強化」
「うわ、先生~。いつも突然強化魔法掛けるのやめて下さいって言ってるじゃないですか」
「戦いはいつも突然なんだからそういうのにも慣れなさい」
「厳しいな~」
軽い雑談をしつつも周囲に潜伏している敵に気づいていた二人は戦闘に突入し、魔物達を倒しながら進み 迷宮にたどり着いてからはトラップや待ち伏せを警戒しながら攻略して最深部のボスの間に侵入した。そこに居たのは頭が四つある巨大な体躯の狼型魔物だった。
「今回は狼のような魔物ですね」
「そうね、四つ首を持つ狼だから噛みつきに気を付けなさい」
「はい、先生」
――――――――――――――――――――――
ヨツマタノウルフが現われた!
勇者ルークの攻撃!
ヨツマタノウルフに15のダメージ!
魔法使いメアリーは防御魔法を唱えた!
勇者ルークの守備力が300上がった。
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ヨツマタノウルフの攻撃!
噛みつき4連撃!
勇者ルークは1回、魔法使いメアリーは3回噛みつかれた!
勇者ルークに61のダメージ! 魔法使いメアリーに3のダメージ!
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十数ターン経過
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魔法使いメアリーは強化魔法を唱えた!
勇者ルークは限界を超えて全能力が強化された!
「次で決めないとあんたの身体がバラバラになるからね」
「ええ!?」
勇者ルークの攻撃!
全力攻撃!
ヨツマタノウルフに500のダメージ!
ヨツマタノウルフを倒した!
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「せ、先生~、全身が痛いです」
「そりゃ~強化魔法で少しずつとはいえ最後は身体のリミッター全部外した上に限界以上の力も引き出したんだから痛みくらいは当然あるわよ」
「そんな~」
「そうでもしなきゃあんたにはあの魔物倒せなかったでしょ」
「いつも思うんですけど、先生ってホントに攻撃魔法苦手なんですか?」
「……なにを根拠に?」
「だって先生って魔物の攻撃を受けてもかすり傷かヘタしたらそれすら負わないし、ボクを担いで平然と歩くくらいの力も持ってるし、強化魔法や補助魔法は数えきれないくらい扱えるから攻撃魔法も使えるんじゃないかな~って思ったんですけど、」
「…………そろそろあんたには話しておいた方がいいかもね」
「へ? なんですか?」
「実はあたし、攻撃魔法を使えないんじゃなくて封印されてるの」
「封印? どうしてですか?」
「ずっと昔に魔王の手先に呪いを受けてね、おかげて強化や補助魔法しか使えないってわけ」
「そ、そうだったんですか…、すいません! そんな事情があるとは知らず、先生の気持ちも考えないで無神経な事を聞いてしまって、」
「別に気にしてないからいいわよ。というわけでこれからも引き続きメイン戦闘はルークでよろしく」
「はい! どんな敵が来ても必ず先生はボクが守り抜いてみせます!!」
(直接魔物殺せないから適当についた嘘だったけど、思った以上にやる気だしたわね)
そんなやりとりをしながら勇者ルークと魔法使いメアリーが魔王討伐の旅を始めて約一年、彼らは大陸各地に点在する迷宮を一つ、また一つと攻略し、徐々に勇者ルークの名は民衆の間でも知れ渡っていくようになった。そして旅の道中で新たな仲間を二人得て、いよいよ彼らは魔王が居ると思われる地方に入り戦いは佳境に入ろうとしていた。
―とある酒場―
「おばちゃん、葡萄酒と腸詰肉30本お願い」
「先生、頼み過ぎですよ」
「なにいってんのよ、これからきつい戦いが続くんだからしっかり食べて養生しときなさい」
「え? もしかして食べるのボクですか?」
「他に誰がいるのよ」
「拙者達もいるのだが、」
「メアリーさん、ルーク様の事を気遣うのは当然ですが、私たちの事も気にかけてください」
旅の途中、ルーク達の仲間にしてくれと付いてきたスズミ国の侍シスイとネルアミス教の僧侶ルルカはルークとの扱いの差に不満をもらす。
「大丈夫よ、ちゃんと二人の分も別で注文するから」
「ちょ、先生あんな大きな腸詰肉30本も一人で食べられませんよ」
「ん~それもそうか、おばちゃん! 腸詰肉以外で付け合せにあと2、3品適当にお願い! ……同じ味だと飽きるもんね」
「いや違くて!?」
「メアリー殿は本当にルーク殿の事を大事にしておるのですな」
「ですね、私だってほんとはルーク様と少しくらい、ごにょごにょ…」
「ん? ルルカ殿、なんと言ったのだ? 僧侶の方々は時々聞き取りにくい発音をされるからなんと言ったかわからなかったでござる。もう一度言ってもらえぬか?」
「う、うるさいですよシスイ! 侍のくせに細かい事を気にしないでください!」
「……二人も傍から見たら似たようなもんな気がするけど、」
「何がですか先生?」
「別に、あ、ちょっと私、用があるからあんた達先に食事してて」
「用? もしかして男ですか!?」
「情報収集よ、これから向かう地方についてろくな知識もなしに行くなんて自殺行為でしょうが。男とか一体なにを想像してるの?」
「あ、いや、その、……なんでもありません」
下を向いて赤くなっているルークをほっといてメアリーは酒場の隅で一人で食事をしている人物の隣に座ると、小さな声で話しかけた。
「お疲れ~、予定通りここまでは順調に来れたわ。若干予定外の仲間が二人いるけど」
「お疲れ様です先輩。各大陸に作った拠点は先輩達のパーティが潰したの以外に残ったわずかなモノも勢力を盛り返したヨツメツ帝国や北の大国が頑張って駆逐したのでこの地方以外はほぼ片付きました。これで各大陸に放流する魔物の数は減らして良いんですよね?」
「その分城で繁殖させる数もちゃんと減らしなさいよ? 私たちが帰る時に残った魔物が城から解き放たれて「結局滅亡しました~」なんて冗談にもならないんだからね?」
「はい、そこは気を付けます。あと、会社に送るこれまでの中間報告の期限がそろそろですけど、先輩の分の書類どうしましょうか?」
「あ、そういえばそっちまだ渡してなかったわね。これお願い」
メアリーは懐から紙束を取り出すと、デスフレアに手渡した。
「はい、お預かりします」
「じゃ、明日から魔王城に向けて適当に寄り道しながら時間稼いで進んでくから、出迎えの準備頑張りなさいよ」
「は~い、けど先輩、寄り道する程時間残ってるんですか?」
「……なんの話?」
「あの子、そろそろ限界ですよね? 強化魔法使うの」
「…気づいてたの」
「一応私も解析魔法は使えますので…、その、少し前に明らかにルーク君の体調が悪そうなときに一回覗き見て気づいちゃいました。あの子の寿命がすごいペースで減ってるの。昔幼少期に見た時はあんなに少なくなかったですよね?」
「…………えぇ、できるだけ強化魔法を手加減したり、周囲に防御魔法の結界張ったりしながら可能な限りあの子の負担は抑えてたつもりだったんだけど、正直もうだいぶあの子の細胞や臓器は疲弊し始めてるわ」
「まあ、私たち魔王クラスの強化魔法を一日に何回と受けてれば人間の身体にはかなりの負担になる事は分かり切ってますしね」
「それだけじゃないわ、あの子は曲がりなりにも人間の勇者なのよ。だから強化魔法とはいえ魔王の魔力を身体に受ければ、」
「当然反発を起こして身体に影響が出るってことですね」
「ここに来てだいぶ物わかりがよくなってきたわね」
「い~え~、それほどでも~」
「………」
「せめてなにか言ってください! ってだからどうするんですか? 最低限の出迎え準備だけでいいなら2,3日もいただければ用意できますから、最短距離で城に来ても間に合うかと、」
「……いや、やっぱり少し歩いてから向かうわ。あの子にはまだ伝えないといけない事があるから」
「…わかりました先輩、魔王城でお待ちしております」
「えぇ、準備の方は抜かりなくね」
「はい」
二人は会話を終了すると互いに席を立ち、メアリーはルークの元に、デスフレアは酒場を後にした。
「先生、あのローブの人、前にも別の酒場で話してみたいですけど、誰なんですか? 先生の知り合いですか?」
「女の過去をいちいち詮索する男はモテないけどそれでも聞きたい?」
「いいえ、まったく気にしてません。今日の腸詰肉もおいしいですよ先生!」
「よろしい」
もはや扱いなれた勇者や仲間達との食事を済ませ、宿に戻ったメアリー達は明日に備えて早く寝る事にし、メアリーも部屋に戻ると明日の支度を済ませ寝ようとした。そこに…、
コンッコンッ
「誰?」
「先生、ボクです」
寝ようとしていたメアリーの元にルークが訪ねてきた。
「ルーク? こんな夜中にどうしたの?」
「あの、相談したいんですけど、最近戦いの後2,3日経っても身体の痛みが抜けにくくなってるんです。少し見てもらえませんか?」
「ん、どれ、こっち来なさい」
ルークを部屋に入れてベットに横にすると、メアリーは身体のあちこちを触りながら、様子を見ていった。
(……大分細胞が壊れ始めてる。これ以上負担が増えると目に見えて身体に影響が出始めるわね)
「どうですか先生?」
「……大丈夫よ、ここんとこ魔物と戦うペースが激しかったから、疲労が蓄積して治りが遅く感じるだけよ。回復魔法掛けとくから、もう今日はすぐに休みなさい」
「……そう、ですか、」
「なにか気になる事があるの?」
「先生、今までずっと言おうかどうか迷ってたんですけど、お願いです! 魔王を倒して無事生き残れたらボクと結婚してください!」
「……あー、その、ルーク。あんたのその気持ちはうれしいわ。正直何年もあんたの修行見てきた私としてもあんたの今後がどうなるかは気になるし、ただ、私は魔王を倒した後はあんたと一緒にはいられない」
「…どうしですか? あ、もし旅を続けたいならどこまでだってお供します!」
「ちがうわ」
「なら……もしかしてなにか重い病かなにかでも?!」
「アホか、そんなら旅なんてせず療養するか治療法見つけに行くわよ」
「じゃ、じゃあどうして、ボクの事が嫌いなんですか?」
「いーえ、嫌いではないわ。むしろ凡人並みの実力しかないのに人々の前に立って頑張ってるあんたは尊敬もできる」
「……では、なにがダメなんでしょう?」
「……もう少ししたら話すわ。もう少ししたらね」
それから数日後、
魔王城に向かって進んでいた勇者パーティは魔物の拠点が近くにあるという情報を聞きつけ、攻略に乗り出していた。
「こっから先一切休める場所は無いと考えた方がいいっス」
「そうなんですか」
今回の魔物の拠点を知っているという街の冒険者ギリウが先導役としてルーク達にこの先への警告をする。
「ここまでもかなりの数の魔物が居たからな、おそらくこの森も魔物がわんさか居るのであろう」
「ルーク様、ここは一度戻って装備を整えた方が、」
「いや、せっかく危険を押してギリウさんに案内してもらったんだ、まだ薬草や傷薬には余裕があるし、もう少し進もう。もちろん敵が強そうだったら引き返すよ」
「もう、ルーク様はそう言っていつも無茶をされるんですから、」
「ごめんね」
「…………」
「おや、こういう時にメアリー殿が黙っているのは珍しいでござるな」
「別に、特になにか言う必要もないかなって思っただけよ」
「先生……」
「ほら、進むんでしょルーク? 行くわよ」
「は、はい」
ルークとメアリーのギクシャクした様子にシスイ達はうすうす気づいてはいたが、魔物達が跋扈する敵地でじっくり話すヒマなどなく、そのまま進んで行った。
「ここがボスの間かな?」
「おそらくそうです。他よりも重厚な扉がボスの間という感じを漂わせてます」
「とにかく入ってみるっス」
「あ、ギリウさんは後ろに下がっててください。いきなりトラップや攻撃があるかもし、」
「あぁ、大丈夫っス。自分そんなの仕掛けてないっスから」
「え?」
ギイィィィィッ
扉が開くと中には大きな椅子と壺や木箱などが数個隅に置かれただだっ広い部屋があるだけでボスの姿はどこにも見当たらなかった。
「魔物がいない?」
「シスイそれより今は、ギリウさん、さっきの自分は仕掛けていないってどういう…」
「いやあ、正直ここまでたどり着かずに死んでくれたらと思ってたんスけどね」
「まさか、魔物の手先に!?」
「人聞きの悪い事言わないでほしいっス、あ、この場合は魔物聞きっスかね? どっちでもいいっスけど」
「三人とも、戦闘準備」
「え、でも先生ギリウさんは人間で、」
「いいえ、魔物よ」
メアリーが指摘すると見る間にギリウの身体は膨張して背中からはコウモリ状の翼が、頭からは左右一対の角が生えてきた。
「俺の本当の名はこの地を主から守るように仰せつかった魔人ギリウっス。というわけで戦うっスよ」
「そんな、ギリウさんが魔物だったなんて、」
「ルーク! 頭を切り替えなさい! 迷うと死ぬわよ!」
「そ、そんな、」
「ルーク殿、致し方ないがやるしかない!」
「ルーク様、来ます!」
――――――――――――――――――――――
魔人ギリウが現われた!
勇者ルークは戸惑っている!
侍シスイの攻撃!
魔人ギリウに45のダメージ!
魔法使いメアリーは防御魔法を唱えた。
全員の防御力が200上がった!
僧侶ルルカはマジックガードを唱えた。
魔法防御力が200上がった!
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魔人ギリウの攻撃! 斬撃爪!
勇者ルークに40のダメージ!
ギリウの爪を剣で受け止めながらルークは問う。
「ギリウさん、どうして人間に化けてたんですか!?」
「つまんないおしゃべりしてるとそのまま死ぬっスよ!」
「お願いです教えてください! 魔物だっていうならどうしてここまでの道中何度も助けてくれたんですか!?」
「…たんにどれだけ実力あるのか見てただけっス。あと雑魚に殺されるとつまんなそうだなと思っただけっス」
「そんな、ギリウさんはそんな人じゃないはずだ!」
「俺は人じゃなくて魔人っス!」
「ギリウさん!」
「話は終わりっス!!」
勇者ルークはなおも話しかけようとしている。
侍シスイの攻撃! 真空鎌威太刀!
ギリウに95のダメージ!
魔法使いメアリーは回復魔法を唱えた。
ルークの体力が100回復した。
僧侶ルルカはヒールサークルを唱えた。
全員の体力が徐々に50ずつ回復しだした。
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数ターン経過
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「ルーク! いい加減に覚悟を決めなさい!」
「でも先生!」
「どれだけ辛くても選択を決めなくちゃいけない事なんていくらでもあるのよ! ここで迷って立ち止まってたってなんにも変らないのよ!」
「でもギリウさんとはまだ話せるはずで、」
「自分に都合の良い展開だけを期待するな! 闘うべき時にはちゃんと戦いなさい! 街のみんなまで死なせたいの!?」
「うぅ、うわぁぁぁぁぁ! くっそーー!!」
勇者ルークは覚悟を決めて攻撃した!
魔人ギリウに60のダメージ!
侍シスイの攻撃! 焔の太刀!
魔人ギリウに120のダメージ!
魔法使いメアリーは防御魔法を唱えた。
勇者ルークの防御力が300上がった!
僧侶ルルカの攻撃! 浄化の閃光!
魔人ギリウに200のダメージ!
魔人ギリウは閃光に包まれて身体が動かなくなった!
勇者ルークの攻撃! 真空斬!
魔人ギリウに300のダメージ!
魔人ギリウを倒した。
――――――――――――――――――――――
「ぐふ、さすが勇者一行っスね」
「……ギリウさん、どうして人間に化けてたのか本当の事を教えてくれませんか?」
「悪いっスけど、その理由を俺が言う事はできないっす。近いうちに俺の主からお話があると思うのでその時に納得してくださいっス」
「主、魔王ですか」
「違うっス、けどあなたの知ってる人っス」
「知ってる人?」
「俺に言えるのはここまでっス じゃあさよならっス」
「ギリウさん!」
言う事をすべて言い終えた魔人ギリウは身体が崩壊し、砂になって消滅した。
「ギリウさん……」
「ルーク殿の知っている者がギリウの主とは、一体何者なのだろう?」
「ルーク様なにか心当たりはありませんか?」
「いや、そんな人に心当たりなんて」
「…………」
疑問の残る中ルーク達はボスの間を後にし、それから一週間後、とうとう彼らは魔王城の前にたどり着いたのだった。
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