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第二章 ~魔王勇者課~リプタリア編
第13話 「潜入」
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「対象がこの星の人類って、それじゃあこの世界滅亡させるんですか?」
「滅亡させるとは言ってないわよ」
「へ? でも選定対象は人類って…」
「人類全てとは言ってないでしょ?」
「一定数の人類を見せしめとして殺し、これまでの行いに対して神の警告とする場合もあるんですよルーク君」
「なるほど」
メアリーベルの説明不足を補足する形でデスフレアが解説し、ルークは納得した。
「文明が発展すると大なり小なりよそへの皺寄せがくる物だからねぇ、ここも大体そんな理由で選定依頼が来たの」
「じゃあ、まずはいつものように城を作ってから魔物繁殖の準備ですか?」
「いや、今回はいつもの魔王業務とはやり方がちがうから」
「どう違うんですか?」
「んーと…あぁ、ちょうどいいのが来た。ルーク、あれ見て」
そう言われてルークはメアリーベルが示した方に視線を向ける。するとそこには空を飛ぶ数体の薄灰色の人型の何かがいた。
「なんですか? あの巨大な空飛ぶ鎧は?」
「あんたもうちの派遣会社がある世界で飛行機や自動車は見たことあるし理解もしてるでしょ?」
「はい、最近は車の運転も覚えました」
「この世界ではあの人型の人形が彼らの武器であり乗り物なの」
「ヴィーギナウスで見た魔物のゴーレムみたいな感じですか?」
「その認識でだいたいあってるわ。それを数百、数千と歩兵並みの数使って攻めてくる連中とまともな戦争するなんでバカらしいでしょ?」
「確かにそう考えるとやっかいですね」
「しかも光学兵器も普通に使うからなおの事厄介だし」
「こうがくへいき?」
「科学の力で起こす魔法みたいな力で…、んーと、いろいろと破壊力があるのよ」
「先輩、ルーク君に説明するならもっと分かりやすく言わないと。ルーク君こないだ一緒に見たアニメ覚えてる?」
「えっと確か〇ンダムって言いましたっけ? かなりシリーズがたくさんありましたけど面白かったですよね」
「ここはあのシリーズに出て来たビームライフルとかそんな感じの武器がポンポン出てくる世界なの」
「えぇ!? めちゃくちゃヤバい世界じゃないですか!!」
「……私が説明するより理解できてる気がして腹立つわね」
「あ!、その、せ、先生の説明も分かりやすかったです」
「先生はやめなさいって言ってるでしょ。話が脱線したけど、そういう訳だからまずは効率よくこの星の人類を減らす方法を探すわよ」
「は、はい。分かりましたメアリー課長」
・
・
・
・
・
・
・
・
数日後、街に潜入した3人はそれぞれが集めた情報をもとにどういう作戦で業務を行うか話し合っていた。
「さぁ、順番に集めた情報を報告して頂戴」
「はい、えっと……、」
「ルーク君どうしたの?この脳波端末ってそんな迷う事もないくらい使いやすいじゃん」
「そうね、考えるだけで情報検索や資料まとめを自分の好みにやってくれるとかウチの部署にも導入したいくらいね」
リプタリアに潜入してから入手した脳波端末と呼ばれる検索ツールの便利さにメアリーとデスフレアはしみじみと感心していた。
「すいません手間取ってしまって、えっとボクは言われた通りこの星の武力について調べましたけど、科学技術が発展しているだけあって人型機動兵器を始め、見たことも聞いたことも無い兵器がたくさんありました。先せ、いえ、課長のおっしゃっていた宇宙戦力については小規模な艦隊が5つと大型ステーションが2つある以外はめぼしい物はありませんでした」
「ご苦労、じゃ次はデスフレア」
「はーい、結論から言ってリプタリアでも惑星改造技術であるテラフォーミングはまだ密閉型のドームや地下施設を作るのが精一杯で、特定惑星の環境を短時間で完全改造する技術は持っていませんでした。あとエネルギーについては核融合炉が主流で対消滅炉はまだ研究段階の様です」
「資料探しの途中でわかった物質転換炉は?」
「大気中では検証してましたけど、真空で実用的な稼働時間を得るまでにはいまだ到達してないようです」
「なるほど、じゃ最後にわたしから、この星は宗教関係はほとんど形骸化してて思想先導で争いを誘発するのは難しそうだった。あと兵器を管理するシステムについても複数の安全装置や各兵器に付いてる個別判断をする人工知能のせいで操るって手はうまくいきそうになかったわ」
「なかなかいい手が見つからないですね」
「いっそ死の呪いでもまき散らしますか?」
「それ今回はNG。対象が多すぎて手間がかかり過ぎる上にここでは異物である魔法技術を大々的に使うのは禁止アクションに抵触する」
「それじゃどうすればいいんですか先輩?」
「それが分かんないから頭悩ませてんでしょ」
「う~ん、どっかの昔話に出て来た洪水みたいに事前に分かってる滅びに対して少数だけに生き残る手段を講じるように仕向けるなんて都合の良い方法ないですかね~」
「…それよ」
「へ?」
「デスフレア!!」
「は、はひ!?」
「あんた…………って出来る?」
「え? や、やったことないんで断言はできませんけど、たぶん魔力さえ足りれば出来ると思います」
「よっし! すぐに潜入してやってもらうわ!」
「えぇ~~!? ほ、本気ですか?」
デスフレアの何気ない一言からリプタリアにおける魔王業務は静かにスタートし始めた。
「滅亡させるとは言ってないわよ」
「へ? でも選定対象は人類って…」
「人類全てとは言ってないでしょ?」
「一定数の人類を見せしめとして殺し、これまでの行いに対して神の警告とする場合もあるんですよルーク君」
「なるほど」
メアリーベルの説明不足を補足する形でデスフレアが解説し、ルークは納得した。
「文明が発展すると大なり小なりよそへの皺寄せがくる物だからねぇ、ここも大体そんな理由で選定依頼が来たの」
「じゃあ、まずはいつものように城を作ってから魔物繁殖の準備ですか?」
「いや、今回はいつもの魔王業務とはやり方がちがうから」
「どう違うんですか?」
「んーと…あぁ、ちょうどいいのが来た。ルーク、あれ見て」
そう言われてルークはメアリーベルが示した方に視線を向ける。するとそこには空を飛ぶ数体の薄灰色の人型の何かがいた。
「なんですか? あの巨大な空飛ぶ鎧は?」
「あんたもうちの派遣会社がある世界で飛行機や自動車は見たことあるし理解もしてるでしょ?」
「はい、最近は車の運転も覚えました」
「この世界ではあの人型の人形が彼らの武器であり乗り物なの」
「ヴィーギナウスで見た魔物のゴーレムみたいな感じですか?」
「その認識でだいたいあってるわ。それを数百、数千と歩兵並みの数使って攻めてくる連中とまともな戦争するなんでバカらしいでしょ?」
「確かにそう考えるとやっかいですね」
「しかも光学兵器も普通に使うからなおの事厄介だし」
「こうがくへいき?」
「科学の力で起こす魔法みたいな力で…、んーと、いろいろと破壊力があるのよ」
「先輩、ルーク君に説明するならもっと分かりやすく言わないと。ルーク君こないだ一緒に見たアニメ覚えてる?」
「えっと確か〇ンダムって言いましたっけ? かなりシリーズがたくさんありましたけど面白かったですよね」
「ここはあのシリーズに出て来たビームライフルとかそんな感じの武器がポンポン出てくる世界なの」
「えぇ!? めちゃくちゃヤバい世界じゃないですか!!」
「……私が説明するより理解できてる気がして腹立つわね」
「あ!、その、せ、先生の説明も分かりやすかったです」
「先生はやめなさいって言ってるでしょ。話が脱線したけど、そういう訳だからまずは効率よくこの星の人類を減らす方法を探すわよ」
「は、はい。分かりましたメアリー課長」
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数日後、街に潜入した3人はそれぞれが集めた情報をもとにどういう作戦で業務を行うか話し合っていた。
「さぁ、順番に集めた情報を報告して頂戴」
「はい、えっと……、」
「ルーク君どうしたの?この脳波端末ってそんな迷う事もないくらい使いやすいじゃん」
「そうね、考えるだけで情報検索や資料まとめを自分の好みにやってくれるとかウチの部署にも導入したいくらいね」
リプタリアに潜入してから入手した脳波端末と呼ばれる検索ツールの便利さにメアリーとデスフレアはしみじみと感心していた。
「すいません手間取ってしまって、えっとボクは言われた通りこの星の武力について調べましたけど、科学技術が発展しているだけあって人型機動兵器を始め、見たことも聞いたことも無い兵器がたくさんありました。先せ、いえ、課長のおっしゃっていた宇宙戦力については小規模な艦隊が5つと大型ステーションが2つある以外はめぼしい物はありませんでした」
「ご苦労、じゃ次はデスフレア」
「はーい、結論から言ってリプタリアでも惑星改造技術であるテラフォーミングはまだ密閉型のドームや地下施設を作るのが精一杯で、特定惑星の環境を短時間で完全改造する技術は持っていませんでした。あとエネルギーについては核融合炉が主流で対消滅炉はまだ研究段階の様です」
「資料探しの途中でわかった物質転換炉は?」
「大気中では検証してましたけど、真空で実用的な稼働時間を得るまでにはいまだ到達してないようです」
「なるほど、じゃ最後にわたしから、この星は宗教関係はほとんど形骸化してて思想先導で争いを誘発するのは難しそうだった。あと兵器を管理するシステムについても複数の安全装置や各兵器に付いてる個別判断をする人工知能のせいで操るって手はうまくいきそうになかったわ」
「なかなかいい手が見つからないですね」
「いっそ死の呪いでもまき散らしますか?」
「それ今回はNG。対象が多すぎて手間がかかり過ぎる上にここでは異物である魔法技術を大々的に使うのは禁止アクションに抵触する」
「それじゃどうすればいいんですか先輩?」
「それが分かんないから頭悩ませてんでしょ」
「う~ん、どっかの昔話に出て来た洪水みたいに事前に分かってる滅びに対して少数だけに生き残る手段を講じるように仕向けるなんて都合の良い方法ないですかね~」
「…それよ」
「へ?」
「デスフレア!!」
「は、はひ!?」
「あんた…………って出来る?」
「え? や、やったことないんで断言はできませんけど、たぶん魔力さえ足りれば出来ると思います」
「よっし! すぐに潜入してやってもらうわ!」
「えぇ~~!? ほ、本気ですか?」
デスフレアの何気ない一言からリプタリアにおける魔王業務は静かにスタートし始めた。
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