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第二章 ~魔王勇者課~リプタリア編
第14話 「下準備」
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「で、フレアさんは行動を開始しましたけど、僕たちはどうするんですか?」
「もちろん仕事よ」
ルークを伴ってある場所に来たメアリーベルはそう言うと目の前にある扉を豪快に開けた。
「失礼します」
「な、なんだ君たちは? どうやってここに入ってきた?」
「普通に歩いて」
「ふざけているのか!?」
「ベルト君、少し落ち着きたまえ」
机の前で声を荒げる人物とは対照的に椅子に座ってメアリーベルを見据えるもう一人の人物は落ち着いていた。
「さすがリプタリア統一政府科学省長官は冷静でいらっしゃる」
「その長官である私の執務室に無遠慮に入ってきた君たちは一体誰なのかね? 外には警備や監視の目があったはずだが?」
「今はそのことは置いておきましょう。今日はある情報をお伝えに参りました」
「情報?」
「あと数年でこの星系は終わりを迎えます」
「はぁ? 貴様本気でふざけているのか? それともどこぞの科学否定をしたいだけの滅亡論者か!?」
「待ちたまえ、…星系が終わるとは冗談にしても面白みがないな」
「冗談ではございません。れっきとした根拠を持ってお話ししております」
「ほぉ、ではその根拠とやらを話してもらおうか?」
「それはまた次にお会いした時に、今日のところはお土産代わりにこちらの手紙をご覧ください」
メアリーベルの投げた手紙を難なくキャッチした長官はそのまま問いかける。
「次があるのかね?」
「そうだ次などない! 今脳波端末で警備に連絡した! お前たちはもう逃げられんぞ!」
「二週間後にまた来ます。その時までに出来ることは行っておいて下さい、では御機嫌よう」
メアリーベルはそう言うと、魔法を発動させ、執務室からルークとともに転移した。
「そんなバカな!? 個人単位で空間跳躍ができるとでも言うのか? いや、もしやホログラム? だが現に手紙がここに」
「ベルト君、しばらく席を外してもらえないかね?」
「いやしかし、奴らがまた現れないとも、」
「部屋の外に警備を待機させても構わないから少し一人にさせてくれたまえ。考え事が出来たのでね」
「……わかりました」
補佐官のベルトが部屋から出たのを確認した科学省長官ドルーク・ルータビアはメアリーベルから渡された手紙を開き、内容を読み終わると、静かに考えをまとめるためイスに深く背を預けた。
「まったく、今このタイミングでこれとは…、これではこちらの計画も急がなければいかんな」
長官の独り言が何を意味するのか、それはこの瞬間、彼以外に知る由もなかった。
・
・
・
・
・
・
・
「課長、さっきの手紙っていったい…」
「ラブレターとでも思ってるの?」
「い、いえそんなことはこれっぽっちも…」
「顔に書いてある」
「えっ!? ホントですか?」
「………普通それ信じる?」
「?……あ、うぅ~~ひどいですよ課長~」
「なんで私が悪いみたいになってるのよ。とにかくこれで人類が絶滅だけはしないための箱舟作りがスタートしたはずよ」
「なんで手紙を出しただけでそんなことが出来るんですか?」
「それはいずれ分かるわ。それよりデスフレアの方はうまくいってるんでしょうね?」
「あ、はい、さっき連絡を取りましたけど、問題の魔力についてもなんとか足りるみたいです」
「これで下準備は大体OK、あとは2週間後ね。今後のスケジュールはそれから微調整していきましょう」
そしてそれから約一週間後、リプタリア統一政府は史上初の大型コロニーシップの建造を秘密裏に決定した。
「もちろん仕事よ」
ルークを伴ってある場所に来たメアリーベルはそう言うと目の前にある扉を豪快に開けた。
「失礼します」
「な、なんだ君たちは? どうやってここに入ってきた?」
「普通に歩いて」
「ふざけているのか!?」
「ベルト君、少し落ち着きたまえ」
机の前で声を荒げる人物とは対照的に椅子に座ってメアリーベルを見据えるもう一人の人物は落ち着いていた。
「さすがリプタリア統一政府科学省長官は冷静でいらっしゃる」
「その長官である私の執務室に無遠慮に入ってきた君たちは一体誰なのかね? 外には警備や監視の目があったはずだが?」
「今はそのことは置いておきましょう。今日はある情報をお伝えに参りました」
「情報?」
「あと数年でこの星系は終わりを迎えます」
「はぁ? 貴様本気でふざけているのか? それともどこぞの科学否定をしたいだけの滅亡論者か!?」
「待ちたまえ、…星系が終わるとは冗談にしても面白みがないな」
「冗談ではございません。れっきとした根拠を持ってお話ししております」
「ほぉ、ではその根拠とやらを話してもらおうか?」
「それはまた次にお会いした時に、今日のところはお土産代わりにこちらの手紙をご覧ください」
メアリーベルの投げた手紙を難なくキャッチした長官はそのまま問いかける。
「次があるのかね?」
「そうだ次などない! 今脳波端末で警備に連絡した! お前たちはもう逃げられんぞ!」
「二週間後にまた来ます。その時までに出来ることは行っておいて下さい、では御機嫌よう」
メアリーベルはそう言うと、魔法を発動させ、執務室からルークとともに転移した。
「そんなバカな!? 個人単位で空間跳躍ができるとでも言うのか? いや、もしやホログラム? だが現に手紙がここに」
「ベルト君、しばらく席を外してもらえないかね?」
「いやしかし、奴らがまた現れないとも、」
「部屋の外に警備を待機させても構わないから少し一人にさせてくれたまえ。考え事が出来たのでね」
「……わかりました」
補佐官のベルトが部屋から出たのを確認した科学省長官ドルーク・ルータビアはメアリーベルから渡された手紙を開き、内容を読み終わると、静かに考えをまとめるためイスに深く背を預けた。
「まったく、今このタイミングでこれとは…、これではこちらの計画も急がなければいかんな」
長官の独り言が何を意味するのか、それはこの瞬間、彼以外に知る由もなかった。
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「課長、さっきの手紙っていったい…」
「ラブレターとでも思ってるの?」
「い、いえそんなことはこれっぽっちも…」
「顔に書いてある」
「えっ!? ホントですか?」
「………普通それ信じる?」
「?……あ、うぅ~~ひどいですよ課長~」
「なんで私が悪いみたいになってるのよ。とにかくこれで人類が絶滅だけはしないための箱舟作りがスタートしたはずよ」
「なんで手紙を出しただけでそんなことが出来るんですか?」
「それはいずれ分かるわ。それよりデスフレアの方はうまくいってるんでしょうね?」
「あ、はい、さっき連絡を取りましたけど、問題の魔力についてもなんとか足りるみたいです」
「これで下準備は大体OK、あとは2週間後ね。今後のスケジュールはそれから微調整していきましょう」
そしてそれから約一週間後、リプタリア統一政府は史上初の大型コロニーシップの建造を秘密裏に決定した。
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