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第1話:廻道めぐるの散歩道
きっかけ
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あの子とであったのは保育園入園の時、両親の転勤で東京へ引っ越す事になり小さな保育園へ転入した。
「新しいお友達を紹介します、附田仁花ちゃんです。
みんな仲良くしてあげてね。」
「はーい。(園児)」
園児たちは元気よく手を挙げる。
「じゃあめぐるちゃんの隣に座って。」
「よろしくね!めぐるちゃん!」
「よろしく。」
彼女は静かでまるで同じ5歳とも思えない落ち着きっぷりだ。
当時はツインテールで赤くて丸いサクラボのゴムで結んでいる。
その話題をなんとかコミュニケーションへと繋がらないかと思い振ってみた。
「このゴムかわいいね!すきなの?」
「親の勝手よ、ただ言われてそのゴムで結ばれただけよ。」
「そうなんだ…。
でも、かわいいくて似合っているよ!」
「そうかしら?」
「そうだよ!」
「…。」
なんだか話したくないような空気に驚くだが、彼女は笑顔を作るというものもなく、ただマイペースに生きるだけ。
苦手も無く、不可も無くただマイペースだった。
その彼女は2年後の小学生になった時であった────
「めぐるちゃん、同じ学校へ行けて良かったね。」
「うん。」
「めぐるちゃんは小学生になって何をするの?」
「散歩。」
「へ?」
「散歩。」
本気で言っているのだろうか?彼女の目は既にクールなマイペースの顔をしているが、夢もへったくれもない感じが私の頭を混乱させるのだった。
そして下校で家へと帰るのだが、彼女は寄り道をする。
止めようと服の下の裾を引っ張る私は彼女の暴走を止めた。
「ちょっとー!どこ行くの~!」
「無理してついて来なくても大丈夫だから。」
「そうじゃなくてさ!あたし達の帰るコース違うでしょ?
もし先生に見つかったらめぐるちゃんどうするの?」
その道を塞ごうと目の前に立ち、真面目に言うが、彼女は他人の事も気にしない発言をした。
「その時はその時よ、一緒に怒られればいい。」
「その発想、あたしは認めませんからねー!」
その自由奔放な冷静的な彼女は商店ある静かな古びた喫茶店へと入った。
その中は古びた家具が置いてあり、まるで古きヨーロッパの世界へと飛ばされたような世界観だった。
「おや、めぐるちゃんいらっしゃい。」
「マスター、カフェモカ1杯。」
「はい。」
そのマスターという男性は白に近いグレーでふんわりとした髪型で、口髭も首が隠れるくらい伸びている70歳代の背が高いお爺さんだった。
お爺さんは私に話しかけて来た。
「お嬢さんは何か飲まないのかい?」
「えっ…ああ…。」
上の何個か書かれているメニュー表をみて選んだ。
「あたしはキャラメルマキアートを!」
「はい。」
焦って選んだ私を揺さぶって来た。
「焦って選んだけど大丈夫なの、それで?」
「え?」
「私、キャラメルマキアート余り好きではないの。」
「どうして?」
「甘ったるいのが、昔から苦手でいつもコーヒーかカフェモカしか飲まないから。」
「そうなんだ、余り喋らない子だと思ったけど、意外とお喋りなんだね。」
「そうかしら?」
「そうだよ、きっと!」
彼女の好き嫌いがようやく出るようになった。
私が話しかければ少ししか喋らなかったが、今彼女が長く自分の話をするようになったのは小さな奇跡かもしれないと勝手にそう思った。
そして帰り道、彼女に問いただした────
「めぐるちゃん。」
「何?」
「どうして寄り道をしようだなんて考えたの?」
彼女は足を止め、後ろに歩いている私を見つめた。
「普通の大人達のように自分時間を見つける為に息抜きをしたからよ。
勉強漬けで家の中でこもるよりかは外の世界で自由に散歩を楽しむ、それが私よ。」
彼女はそれがきっかけでこの子供社会が嫌いなのだろう。
確かに宿題を追われたり、塾へ行かされたりする子供はいるかもしれない。
けど、それが現実だと彼女は受入れられないのだろう。
社会の反論者なのか当時の7歳の私にはまだ理解が出来ていなかった。
「待ってー!」
その帰る背中を私は追いかけた。
大人じみた変わり者で同じ道を散歩ばかりをする彼女だが、それでも一緒にいたいと思ったのが始まりであった。
続
「新しいお友達を紹介します、附田仁花ちゃんです。
みんな仲良くしてあげてね。」
「はーい。(園児)」
園児たちは元気よく手を挙げる。
「じゃあめぐるちゃんの隣に座って。」
「よろしくね!めぐるちゃん!」
「よろしく。」
彼女は静かでまるで同じ5歳とも思えない落ち着きっぷりだ。
当時はツインテールで赤くて丸いサクラボのゴムで結んでいる。
その話題をなんとかコミュニケーションへと繋がらないかと思い振ってみた。
「このゴムかわいいね!すきなの?」
「親の勝手よ、ただ言われてそのゴムで結ばれただけよ。」
「そうなんだ…。
でも、かわいいくて似合っているよ!」
「そうかしら?」
「そうだよ!」
「…。」
なんだか話したくないような空気に驚くだが、彼女は笑顔を作るというものもなく、ただマイペースに生きるだけ。
苦手も無く、不可も無くただマイペースだった。
その彼女は2年後の小学生になった時であった────
「めぐるちゃん、同じ学校へ行けて良かったね。」
「うん。」
「めぐるちゃんは小学生になって何をするの?」
「散歩。」
「へ?」
「散歩。」
本気で言っているのだろうか?彼女の目は既にクールなマイペースの顔をしているが、夢もへったくれもない感じが私の頭を混乱させるのだった。
そして下校で家へと帰るのだが、彼女は寄り道をする。
止めようと服の下の裾を引っ張る私は彼女の暴走を止めた。
「ちょっとー!どこ行くの~!」
「無理してついて来なくても大丈夫だから。」
「そうじゃなくてさ!あたし達の帰るコース違うでしょ?
もし先生に見つかったらめぐるちゃんどうするの?」
その道を塞ごうと目の前に立ち、真面目に言うが、彼女は他人の事も気にしない発言をした。
「その時はその時よ、一緒に怒られればいい。」
「その発想、あたしは認めませんからねー!」
その自由奔放な冷静的な彼女は商店ある静かな古びた喫茶店へと入った。
その中は古びた家具が置いてあり、まるで古きヨーロッパの世界へと飛ばされたような世界観だった。
「おや、めぐるちゃんいらっしゃい。」
「マスター、カフェモカ1杯。」
「はい。」
そのマスターという男性は白に近いグレーでふんわりとした髪型で、口髭も首が隠れるくらい伸びている70歳代の背が高いお爺さんだった。
お爺さんは私に話しかけて来た。
「お嬢さんは何か飲まないのかい?」
「えっ…ああ…。」
上の何個か書かれているメニュー表をみて選んだ。
「あたしはキャラメルマキアートを!」
「はい。」
焦って選んだ私を揺さぶって来た。
「焦って選んだけど大丈夫なの、それで?」
「え?」
「私、キャラメルマキアート余り好きではないの。」
「どうして?」
「甘ったるいのが、昔から苦手でいつもコーヒーかカフェモカしか飲まないから。」
「そうなんだ、余り喋らない子だと思ったけど、意外とお喋りなんだね。」
「そうかしら?」
「そうだよ、きっと!」
彼女の好き嫌いがようやく出るようになった。
私が話しかければ少ししか喋らなかったが、今彼女が長く自分の話をするようになったのは小さな奇跡かもしれないと勝手にそう思った。
そして帰り道、彼女に問いただした────
「めぐるちゃん。」
「何?」
「どうして寄り道をしようだなんて考えたの?」
彼女は足を止め、後ろに歩いている私を見つめた。
「普通の大人達のように自分時間を見つける為に息抜きをしたからよ。
勉強漬けで家の中でこもるよりかは外の世界で自由に散歩を楽しむ、それが私よ。」
彼女はそれがきっかけでこの子供社会が嫌いなのだろう。
確かに宿題を追われたり、塾へ行かされたりする子供はいるかもしれない。
けど、それが現実だと彼女は受入れられないのだろう。
社会の反論者なのか当時の7歳の私にはまだ理解が出来ていなかった。
「待ってー!」
その帰る背中を私は追いかけた。
大人じみた変わり者で同じ道を散歩ばかりをする彼女だが、それでも一緒にいたいと思ったのが始まりであった。
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