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029:絆心
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ラウルは悩んでいた。
“俺はそれでも構わない、だってそういう運命なら従うしか方法がないじゃん”
アトラの一言が思いが脳内と感情が巡らせている。
状況を解決が出来ないまま1人孤独と戦っていた。
《コンコン》
「お兄ちゃん」
ドアをノックし、ミューラはおやつのケーキとオレンジジュースを持ってきた。
兄の勉強机の隣に置いて1人になりたい気持ちだと思って去ろうとした時、ラウルはその右腕を掴んで言ってきた。
「ミューラ、お前はアトラの味方じゃないだろうな?」
「なんでそんな事を聞くの?」
ラウルはアトラの味方だと危機を覚え、自分を巻き添いにしないだろうと不安に問い詰める。
「俺はアイツの一言とアイツの考え方が分からなくなった。
それに俺には自分のために生きたい人生だってあるし、アトラのために協力しようと思ったが、やはり俺には無理そうだ」
「お兄ちゃん・・・」
「俺は残酷な運命を背負うより、楽しい日々を送りながら良い運命であればそれでいいっていう行き方をしたい・・・」
ミューラは2人の気持ちのすれ違いに悲しく思えて来た。
アトラはそんなラウルに会おうと部屋に入ろうとするが、いきなり言われて動きがピクリと止められた。
「アトラ、入っちゃ駄目」
「どうしてだよミューラ?」
「お兄ちゃんは今悩んでいて、アトラととても話せる状況じゃないの
悪いけど今はそっとしといて欲しい・・・」
「じゃあアイツに伝えてくれないか?」
アトラの“伝えてくれ”という言葉、ミューラはを思い返す────
『俺と出会っちまってあらゆる事に巻き込まれて本当に嫌だったろうなって思う
本当に嫌なら魔法界に帰っておじいちゃんがいるから去ってやる、俺はそれでもその運命と共に生きるつもりだし、お前らを巻き込みたくないって思っているから・・・』
────という一言であった。
ミューラはその一言が切なくなり、その感情が涙が溢れて流れてきた。
「そんな・・・寂しい事を言わないでよアトラ・・・」
しゃがんで顔を両手で伏せてしくしくと泣いた。
アトラと出会えた事でミューラにとっては1人の友達ができたようなもの。
そんな友達が離れていく、そんな別れ方があるだろうか?
どうする事も出来ないまま夜、2人きりになった瞬間を見計らってアトラは父に相談した。
「アイツ、俺と余り会話しなかった」
「だろうね、アトラと喧嘩でもしたのかと聞いても全然無視をされた
育て方を間違ってしまったのかな~俺は・・・」
父は自分を追い込こまれた気がしていた。
息子が悩んでいる、その気持ちが読めない悔しさで言葉が漏れた。
一体どうすればもう1度向き合う事ができるのだろうか悩みが止まらなかった。
口を効かないまま1週間が過ぎた。
いい加減会話して考えを出すべきなのだが、ラウルはその悩みを抱えたまま放置し、どうでも良くなってアトラから逃げている。
そんな姿をミューラは怒りに覚えた。
「お兄ちゃん、いつまでアトラと口を聞かない日を続けさせるの?」
2人の緊迫な状況に母は危機を覚え、暴力で喧嘩を解決しないか2人を見つめている。
腹が立っている妹を他所にラウルは弱気な発言をした。
「アイツは俺達が出会ってはいけない存在だったんだ、俺は残酷な運命を受け入れる事なんてできない」
逃げる兄に妹は憤り、いくら辛いからって逃げるのかと感じた。
ミューラにとってラウルはアトラから逃げるような人では無いと思っている、そんな兄をもう1度帰ってきて欲しいという思いを込めて怒鳴った。
「アトラから逃げる気?
前のお兄ちゃんは逃げないで家族やアトラの為に守って来た、私は知ってる!
今のお兄ちゃんは酷いし、アトラとロクに話そうと努力しない!情けないよ!! 」
妹に初めて怒鳴られた。
まさかそんな自分を信じて理解してくれる優しい妹に怒られる、“情けない”という一言を浴びせられるとは思っていなかった。
そんな自尊心を守ろうと逆ギレをし、せいにする。
「元はといえば、お前のせいでアトラと出会ったせいでこうなったんじゃないか!
お前があんな奴と出会わなければ普通の人生が送れたんだ!!」
ラウルは憤怒した後“ゼーゼー”と吐き、ながら言い過ぎたという反省が無かった。
他人を省みない兄の姿にミューラは言った。
「そう・・・相変わらずお兄ちゃんは言う事が凄いや・・・
アトラがね、お兄ちゃんに伝えて欲しいって私に託されたの────
“俺と出あっちまってあらゆる事に巻き込まれて本当に嫌だったろうなって思う
本当に嫌なら魔法界に帰っておじいちゃんがいるから去ってやる、俺はそれでも運命と共に生きるつもりだし、お前らを巻き込みたくないから”
────お兄ちゃん、本当にアトラが魔法界に帰っていいの?
私は嫌だ、家族が1人失うなんて誰が魔獣を倒してくれた人をここから居なくなるなんて嫌だからっ!!」
「ミューラ!!」
全力で走り出し、街中を駆け巡りながら何処までも走っていく。
アトラはその大きな声を聞き、リビングへと向かうとラウル上手くいかない状況にどうにも出来なかった気持ちを両手を拳に作り、怒りを抑えこんでいた。
「ミューラは?」
「どっか行ったよ」
「そうか・・・」
アトラはミューラを探しに箒も無しに自分の足で走って行った。
全ては自分達の責任だと痛感しても遅いかもしれない、それでも探そうと懸命に足を止めずに街を駆ける。
一方ミューラは自分が住んでいた静かな自然な住宅に来てしまった。
走る体力も使い果ててそろそろお腹が空く頃、辿り着いた先には自分が住んでいた家があった。
その家の中を除くとまだリフォームの途中であり、青いビニールシートで覆っている。
作業員達も帰ってしまった後で安心して独りぼっちになれると思い、アトラと出会った時を思い出していた。
『君、一体どうしたの?』
そこからがアトラと出会った出発地点である。
ミューラは助け合っていたあの頃に戻りたいと大粒の涙を流す中、アトラの声がした。
「おーい!!ミューラ!!」
──────“アトラだ!でも・・・3人の絆が戻れる事は無いかもしれないし、それにどうしたら分かり合えるのか分からないのに・・・どうして?”──────
疑問に思いながらミューラは走ってやって来たアトラを見た。
「ふぅ・・・間に合った・・・」
最後は笑顔で自分を見つめてくるアトラをどうしたらいいの分からず、ただじっとその様子を見ていた。
「ミューラ、俺のせいでごめんな」
「私こそ・・・アトラに心配かけてごめんなさい・・・」
「いいんだ俺は、さあ一緒に帰ろうぜ」
「うん・・・」
2人はその場所から離れ、今住むアパートへと帰って行った。
────続
“俺はそれでも構わない、だってそういう運命なら従うしか方法がないじゃん”
アトラの一言が思いが脳内と感情が巡らせている。
状況を解決が出来ないまま1人孤独と戦っていた。
《コンコン》
「お兄ちゃん」
ドアをノックし、ミューラはおやつのケーキとオレンジジュースを持ってきた。
兄の勉強机の隣に置いて1人になりたい気持ちだと思って去ろうとした時、ラウルはその右腕を掴んで言ってきた。
「ミューラ、お前はアトラの味方じゃないだろうな?」
「なんでそんな事を聞くの?」
ラウルはアトラの味方だと危機を覚え、自分を巻き添いにしないだろうと不安に問い詰める。
「俺はアイツの一言とアイツの考え方が分からなくなった。
それに俺には自分のために生きたい人生だってあるし、アトラのために協力しようと思ったが、やはり俺には無理そうだ」
「お兄ちゃん・・・」
「俺は残酷な運命を背負うより、楽しい日々を送りながら良い運命であればそれでいいっていう行き方をしたい・・・」
ミューラは2人の気持ちのすれ違いに悲しく思えて来た。
アトラはそんなラウルに会おうと部屋に入ろうとするが、いきなり言われて動きがピクリと止められた。
「アトラ、入っちゃ駄目」
「どうしてだよミューラ?」
「お兄ちゃんは今悩んでいて、アトラととても話せる状況じゃないの
悪いけど今はそっとしといて欲しい・・・」
「じゃあアイツに伝えてくれないか?」
アトラの“伝えてくれ”という言葉、ミューラはを思い返す────
『俺と出会っちまってあらゆる事に巻き込まれて本当に嫌だったろうなって思う
本当に嫌なら魔法界に帰っておじいちゃんがいるから去ってやる、俺はそれでもその運命と共に生きるつもりだし、お前らを巻き込みたくないって思っているから・・・』
────という一言であった。
ミューラはその一言が切なくなり、その感情が涙が溢れて流れてきた。
「そんな・・・寂しい事を言わないでよアトラ・・・」
しゃがんで顔を両手で伏せてしくしくと泣いた。
アトラと出会えた事でミューラにとっては1人の友達ができたようなもの。
そんな友達が離れていく、そんな別れ方があるだろうか?
どうする事も出来ないまま夜、2人きりになった瞬間を見計らってアトラは父に相談した。
「アイツ、俺と余り会話しなかった」
「だろうね、アトラと喧嘩でもしたのかと聞いても全然無視をされた
育て方を間違ってしまったのかな~俺は・・・」
父は自分を追い込こまれた気がしていた。
息子が悩んでいる、その気持ちが読めない悔しさで言葉が漏れた。
一体どうすればもう1度向き合う事ができるのだろうか悩みが止まらなかった。
口を効かないまま1週間が過ぎた。
いい加減会話して考えを出すべきなのだが、ラウルはその悩みを抱えたまま放置し、どうでも良くなってアトラから逃げている。
そんな姿をミューラは怒りに覚えた。
「お兄ちゃん、いつまでアトラと口を聞かない日を続けさせるの?」
2人の緊迫な状況に母は危機を覚え、暴力で喧嘩を解決しないか2人を見つめている。
腹が立っている妹を他所にラウルは弱気な発言をした。
「アイツは俺達が出会ってはいけない存在だったんだ、俺は残酷な運命を受け入れる事なんてできない」
逃げる兄に妹は憤り、いくら辛いからって逃げるのかと感じた。
ミューラにとってラウルはアトラから逃げるような人では無いと思っている、そんな兄をもう1度帰ってきて欲しいという思いを込めて怒鳴った。
「アトラから逃げる気?
前のお兄ちゃんは逃げないで家族やアトラの為に守って来た、私は知ってる!
今のお兄ちゃんは酷いし、アトラとロクに話そうと努力しない!情けないよ!! 」
妹に初めて怒鳴られた。
まさかそんな自分を信じて理解してくれる優しい妹に怒られる、“情けない”という一言を浴びせられるとは思っていなかった。
そんな自尊心を守ろうと逆ギレをし、せいにする。
「元はといえば、お前のせいでアトラと出会ったせいでこうなったんじゃないか!
お前があんな奴と出会わなければ普通の人生が送れたんだ!!」
ラウルは憤怒した後“ゼーゼー”と吐き、ながら言い過ぎたという反省が無かった。
他人を省みない兄の姿にミューラは言った。
「そう・・・相変わらずお兄ちゃんは言う事が凄いや・・・
アトラがね、お兄ちゃんに伝えて欲しいって私に託されたの────
“俺と出あっちまってあらゆる事に巻き込まれて本当に嫌だったろうなって思う
本当に嫌なら魔法界に帰っておじいちゃんがいるから去ってやる、俺はそれでも運命と共に生きるつもりだし、お前らを巻き込みたくないから”
────お兄ちゃん、本当にアトラが魔法界に帰っていいの?
私は嫌だ、家族が1人失うなんて誰が魔獣を倒してくれた人をここから居なくなるなんて嫌だからっ!!」
「ミューラ!!」
全力で走り出し、街中を駆け巡りながら何処までも走っていく。
アトラはその大きな声を聞き、リビングへと向かうとラウル上手くいかない状況にどうにも出来なかった気持ちを両手を拳に作り、怒りを抑えこんでいた。
「ミューラは?」
「どっか行ったよ」
「そうか・・・」
アトラはミューラを探しに箒も無しに自分の足で走って行った。
全ては自分達の責任だと痛感しても遅いかもしれない、それでも探そうと懸命に足を止めずに街を駆ける。
一方ミューラは自分が住んでいた静かな自然な住宅に来てしまった。
走る体力も使い果ててそろそろお腹が空く頃、辿り着いた先には自分が住んでいた家があった。
その家の中を除くとまだリフォームの途中であり、青いビニールシートで覆っている。
作業員達も帰ってしまった後で安心して独りぼっちになれると思い、アトラと出会った時を思い出していた。
『君、一体どうしたの?』
そこからがアトラと出会った出発地点である。
ミューラは助け合っていたあの頃に戻りたいと大粒の涙を流す中、アトラの声がした。
「おーい!!ミューラ!!」
──────“アトラだ!でも・・・3人の絆が戻れる事は無いかもしれないし、それにどうしたら分かり合えるのか分からないのに・・・どうして?”──────
疑問に思いながらミューラは走ってやって来たアトラを見た。
「ふぅ・・・間に合った・・・」
最後は笑顔で自分を見つめてくるアトラをどうしたらいいの分からず、ただじっとその様子を見ていた。
「ミューラ、俺のせいでごめんな」
「私こそ・・・アトラに心配かけてごめんなさい・・・」
「いいんだ俺は、さあ一緒に帰ろうぜ」
「うん・・・」
2人はその場所から離れ、今住むアパートへと帰って行った。
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