32 / 42
~裁判篇~
031:因縁
しおりを挟む
魔法最高裁判所という場所は現実世界の刑罰と大きく変わっている。
アトラの罪は傷害罪と窃盗罪の重い罪を受けた。
それにより魔法剥奪と現実世界追放という罰刑を課せられた。
魔法剥奪は魔法が使えない一般の人間のような生活しかできない不便なものであるが、習慣として普通に苦もなく過ごせるようになる。
現実世界追放は魔法を使って犯罪する最も重い刑罰のため、箒を使う事もできない。
島流しの刑に近い。
1番酷い刑罰は刑務所の中で一生を過ごす事だ。
アトラは第2重大犯罪という極めて酷い刑罰のため、その自由さえも失ってしまった。
アトラはそんな罪を背負わされ、無実を証明しようと最高裁判所という名の戦場へ赴いた。
「ここだ」
オールズに連れられ、不思議な建物であった。
まるで造形物が大きくなったように瓢箪型で三つも丸みがかったのが特徴的な白い巨塔である。
それを見た父は思わずこんな一言を漏らした。
「なんてマハラジャのような不思議な建物なんだろう・・・」
父はスマートフォンを手に面白気に写真を撮り始め、猫おじさんは忠告した。
「写真を撮っても現実世界に帰ってしまえば、撮った写真も消えてしまう恐れがあるので残す事ができないんです」
「そうなのか・・・残念だな・・・」
「父さん、俺達観光しに来たんじゃないんだから・・・」
「ごめん・・・」
「取り敢えず中へ入りましょう、裁判の内容もあるので」
アトラ達はその中へと向かって入って行った。
ウィズミーは被害者である元警備員の男といた。
顔を俯く元警備員は、複雑な心境で久しぶりにアトラと戦う事になる。
その事に対してウィズミーに言った。
「被告の少年が裁判を起こすなんて、もう決まった事なのにどうして絶望から這い上がろうとするんでしょうかね?
僕なんか絶望を背負ったまま、酷い顔にしたせいで再就職なんて出来ないのに余りにも身勝手な考えをするものですね」
「少年は無実だと訴えたいのでしょうね、まだ俺はそんな事で終わってはないって言うように」
「しつこいですよね・・・終わった事をいつまでも引きずる人間は本当に消えて欲しいです・・・」
アトラは被告人で部屋は別々になり、ラウルたちアイラン家は待合室に行き、オールズの裁判の説明を受ける事になった。
「魔法界は現実世界と違って大きく変わっています、第一審と第二審、第三審までがあります
貴方たち証言者によってアトラ君の罪が大きく左右し、確定します
そして最終判決は1週間後、その間裁判官達と私達弁護士と検事が話し合った結果裁判で言いますので覆せるかどうかは貴方次第・・・て事になりますでしょうね」
「・・・・・・・・・・・・」
ラウルはなぜ判決が沢山あるのか分からず、手をしっかり伸ばして手を挙げた。
「第一審から第三審、最終判決までなぜあるのか不思議なのですが、それってどういう基準なんですか?」
「第一審はアトラ少年、君のいるアイラン家、アトラ少年のクラスメイト、先生で判決
第二審は被害を受けた元警備員、元警備員の同僚、元警備員の家族で判決
第三審はハーメリー刑事とその同僚たち、アトラ少年で1週間後最終判決となる
その基準で裁判は大きく変わるが、君たちの思いも届かない可能性もある
それが裁判っていうものだ」
「取り敢えず、細かくアイツの真っ直ぐな気持ちを証明してやらなきゃ奴等は分かってくれないかもな・・・」
「私達、アトラの声になれるかな・・・」
ミューラは裁判の判決に不安になっている、その気持ちを気合を込めてとオールズは2人の両肩を持って言った。
「安心しろ、2人共、お前達は跳ね除けられる力がある
どんなに苦しい事があったとしてもその熱い思いを伝える事ができれば、裁判官達の目も良くなるだろうよ」
「ホント?」
「ああ」
──────“偉そうに元気つけてしまったが、アイラン家にとって裁判の未経験者
細かく話せばいいとかそんな生易しいものじゃない、 本当に大事なのはアトラ少年への愛情溢れた証明だ
必要なのはそれだけ、後は個人で考えるだけだ”──────
残された4人は裁判の事を話している。
ラウルは魔法界の裁判の事で予想を立てており、その後の事より今の状況を把握したい思いである。
「裁判って何時間かかるんだろうな・・・」
「昼までは続くんじゃないのかしら?」
「そうか・・・」
「アトラどこにいるんだろう・・・
私達と1回別々になったけど、どうして別れてまでもやらなきゃいけないの?」
ミューラは刑事裁判の事は知らない。
ラウルは冤罪の事で事前にパソコンで調べており、被告は別々の部屋となり、重要参考人は自分達家族、証言者はアトラの同級生と教師となるという事を知っている。
その事に対し、説明した。
「俺達は重要参考人、被告の部屋とは別になってしまうんだ
お前と同じ部屋になれなくて、残念だと思うのはアトラだって一緒なんだ
お前だけじゃないっていう事を理解してくれ」
「うん・・・」
──────“それにしてもオールズは一体どこへ行ってるんだろうか?
アトラの所へ行くにしても遠いが、何しに?”──────
ラウルが気になる中、オールズはアトラがいる対面室へ向かおうとしている途中に因縁の相手であるウィズミーと出くわした。
「やあ~これはこれはオールズさん、久しぶりですね~」
「どうもウィズミー検事今日の裁判、よろしくお願いします」
「裁判連勝記録が継続中なんて凄いですね、弁護士の鏡というべきでしょうか」
「そんな大したものではありませんよ、私はどんな手でも勝ち取る努力を惜しみませんよ」
「アトラ・オルキスの最終判決は決して変わらないという事を証明してみせますので、連勝記録が止まらないように精一杯頑張って下さいね」
肩の骨ごと思い切り摘むかのように突き飛ばされたオールズは調子に乗っているウィズミーに勝ってやるという熱い気持ちが湧き上がる、しかめっ面になり歩幅を大きく跨ぐように廊下を早歩きした。
「やあ、アトラ少年」
「オールズさん・・・」
「君は昔の裁いた奴等に復讐する気があるのかい?」
「勿論、俺はその気持ちでやって来たんだ!
アイツらをビックリした顔を1度でもじっくり見てみたい、俺の夢だ!」
アトラの気合いは相変わらず本気モードで、負ける気なんかしないという思いだ。
それはオールズも同じ気持ちでウィズミーに嫌味の一言を吐かれて少し腹が立っている、最終判決で負けた顔を拝むのが彼の最大な目標。
そして2人の強い思いが、崖山の細い道がヴィクトリーロードとなっている。
まだ2人はそのスタート地点にたったばかりで、1歩も歩き出していない旅人のようなもの。
オールズは弁護席におり、そしてアトラは手錠を掛けたまま。
────裁判長が合図する
「これよりアトラ・オルキスの冤罪裁判を始める、被告人、前へ」
────裁判が始まった。
────続
アトラの罪は傷害罪と窃盗罪の重い罪を受けた。
それにより魔法剥奪と現実世界追放という罰刑を課せられた。
魔法剥奪は魔法が使えない一般の人間のような生活しかできない不便なものであるが、習慣として普通に苦もなく過ごせるようになる。
現実世界追放は魔法を使って犯罪する最も重い刑罰のため、箒を使う事もできない。
島流しの刑に近い。
1番酷い刑罰は刑務所の中で一生を過ごす事だ。
アトラは第2重大犯罪という極めて酷い刑罰のため、その自由さえも失ってしまった。
アトラはそんな罪を背負わされ、無実を証明しようと最高裁判所という名の戦場へ赴いた。
「ここだ」
オールズに連れられ、不思議な建物であった。
まるで造形物が大きくなったように瓢箪型で三つも丸みがかったのが特徴的な白い巨塔である。
それを見た父は思わずこんな一言を漏らした。
「なんてマハラジャのような不思議な建物なんだろう・・・」
父はスマートフォンを手に面白気に写真を撮り始め、猫おじさんは忠告した。
「写真を撮っても現実世界に帰ってしまえば、撮った写真も消えてしまう恐れがあるので残す事ができないんです」
「そうなのか・・・残念だな・・・」
「父さん、俺達観光しに来たんじゃないんだから・・・」
「ごめん・・・」
「取り敢えず中へ入りましょう、裁判の内容もあるので」
アトラ達はその中へと向かって入って行った。
ウィズミーは被害者である元警備員の男といた。
顔を俯く元警備員は、複雑な心境で久しぶりにアトラと戦う事になる。
その事に対してウィズミーに言った。
「被告の少年が裁判を起こすなんて、もう決まった事なのにどうして絶望から這い上がろうとするんでしょうかね?
僕なんか絶望を背負ったまま、酷い顔にしたせいで再就職なんて出来ないのに余りにも身勝手な考えをするものですね」
「少年は無実だと訴えたいのでしょうね、まだ俺はそんな事で終わってはないって言うように」
「しつこいですよね・・・終わった事をいつまでも引きずる人間は本当に消えて欲しいです・・・」
アトラは被告人で部屋は別々になり、ラウルたちアイラン家は待合室に行き、オールズの裁判の説明を受ける事になった。
「魔法界は現実世界と違って大きく変わっています、第一審と第二審、第三審までがあります
貴方たち証言者によってアトラ君の罪が大きく左右し、確定します
そして最終判決は1週間後、その間裁判官達と私達弁護士と検事が話し合った結果裁判で言いますので覆せるかどうかは貴方次第・・・て事になりますでしょうね」
「・・・・・・・・・・・・」
ラウルはなぜ判決が沢山あるのか分からず、手をしっかり伸ばして手を挙げた。
「第一審から第三審、最終判決までなぜあるのか不思議なのですが、それってどういう基準なんですか?」
「第一審はアトラ少年、君のいるアイラン家、アトラ少年のクラスメイト、先生で判決
第二審は被害を受けた元警備員、元警備員の同僚、元警備員の家族で判決
第三審はハーメリー刑事とその同僚たち、アトラ少年で1週間後最終判決となる
その基準で裁判は大きく変わるが、君たちの思いも届かない可能性もある
それが裁判っていうものだ」
「取り敢えず、細かくアイツの真っ直ぐな気持ちを証明してやらなきゃ奴等は分かってくれないかもな・・・」
「私達、アトラの声になれるかな・・・」
ミューラは裁判の判決に不安になっている、その気持ちを気合を込めてとオールズは2人の両肩を持って言った。
「安心しろ、2人共、お前達は跳ね除けられる力がある
どんなに苦しい事があったとしてもその熱い思いを伝える事ができれば、裁判官達の目も良くなるだろうよ」
「ホント?」
「ああ」
──────“偉そうに元気つけてしまったが、アイラン家にとって裁判の未経験者
細かく話せばいいとかそんな生易しいものじゃない、 本当に大事なのはアトラ少年への愛情溢れた証明だ
必要なのはそれだけ、後は個人で考えるだけだ”──────
残された4人は裁判の事を話している。
ラウルは魔法界の裁判の事で予想を立てており、その後の事より今の状況を把握したい思いである。
「裁判って何時間かかるんだろうな・・・」
「昼までは続くんじゃないのかしら?」
「そうか・・・」
「アトラどこにいるんだろう・・・
私達と1回別々になったけど、どうして別れてまでもやらなきゃいけないの?」
ミューラは刑事裁判の事は知らない。
ラウルは冤罪の事で事前にパソコンで調べており、被告は別々の部屋となり、重要参考人は自分達家族、証言者はアトラの同級生と教師となるという事を知っている。
その事に対し、説明した。
「俺達は重要参考人、被告の部屋とは別になってしまうんだ
お前と同じ部屋になれなくて、残念だと思うのはアトラだって一緒なんだ
お前だけじゃないっていう事を理解してくれ」
「うん・・・」
──────“それにしてもオールズは一体どこへ行ってるんだろうか?
アトラの所へ行くにしても遠いが、何しに?”──────
ラウルが気になる中、オールズはアトラがいる対面室へ向かおうとしている途中に因縁の相手であるウィズミーと出くわした。
「やあ~これはこれはオールズさん、久しぶりですね~」
「どうもウィズミー検事今日の裁判、よろしくお願いします」
「裁判連勝記録が継続中なんて凄いですね、弁護士の鏡というべきでしょうか」
「そんな大したものではありませんよ、私はどんな手でも勝ち取る努力を惜しみませんよ」
「アトラ・オルキスの最終判決は決して変わらないという事を証明してみせますので、連勝記録が止まらないように精一杯頑張って下さいね」
肩の骨ごと思い切り摘むかのように突き飛ばされたオールズは調子に乗っているウィズミーに勝ってやるという熱い気持ちが湧き上がる、しかめっ面になり歩幅を大きく跨ぐように廊下を早歩きした。
「やあ、アトラ少年」
「オールズさん・・・」
「君は昔の裁いた奴等に復讐する気があるのかい?」
「勿論、俺はその気持ちでやって来たんだ!
アイツらをビックリした顔を1度でもじっくり見てみたい、俺の夢だ!」
アトラの気合いは相変わらず本気モードで、負ける気なんかしないという思いだ。
それはオールズも同じ気持ちでウィズミーに嫌味の一言を吐かれて少し腹が立っている、最終判決で負けた顔を拝むのが彼の最大な目標。
そして2人の強い思いが、崖山の細い道がヴィクトリーロードとなっている。
まだ2人はそのスタート地点にたったばかりで、1歩も歩き出していない旅人のようなもの。
オールズは弁護席におり、そしてアトラは手錠を掛けたまま。
────裁判長が合図する
「これよりアトラ・オルキスの冤罪裁判を始める、被告人、前へ」
────裁判が始まった。
────続
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
《完結》氷の侯爵令息 あなたが子供はいらないと言ったから
ヴァンドール
恋愛
氷の侯爵令息と言われたアラン。彼は結婚相手の伯爵令嬢にとにかく冷たい態度で接する。
彼女は義姉イライザから夫が子供はいらないと言ったと聞き、衝撃を受けるが気持ちを切り替え生きていく。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
義務ですもの。
あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる