MAGIC JOKER

卯月春吉

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~裁判篇~

032:被告

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   「それでは被告人、前へ」


   魔法界最高裁判所は空中に地面が浮かんで飛ぶ、空中でその証言台は空中で魔力で進めるようにできており、それはまるでファンタジーゲームの中のような不思議な空間。
    アトラ達魔法使いにとっては普通にあるような場所だが、現実世界の人間の目は仰天するような光景ばかり、ミューラはじっと見るラウルにヒソヒソと声をかけた。
   


  「ねぇお兄ちゃん、まるでゲームのような中だね」
  「魔法裁判所っていうのはそういう作りになっているらしいんだ
    それに俺達にとってはグラフィックな物を使って遊んで演じているんじゃないかっていう目になるが、人に余り話さない方がいい

    こういう世界だったという事を俺達だけの秘密にしよう、友達には絶対話すなよ?」
   「うん」



    アトラは緊張して何度もトイレへ行っており、いつも気合いを燃やしていた気力さえも一気に冷めてしまった。



   「アトラ・オルキス、なぜ判決で有罪で魔法界へ追放した筈なのにこの裁判でもう一度戦おうと決意したのか経緯について証言して下さい」
  「私、アトラ・オルキスオルキスは窃盗罪および傷害罪で魔法界から追放されました
    ですが、私は無実です」
  「何故言いきれる!」
  「本当の事を言え!」
  「嘘をでっち上げようとしてないだろうな!」
  


    観覧席が騒ぎ、魔法人達は反発し、立ち上がって怒った。
    魔法界にとってアトラを敵だと思う住民は少なくない、それに“冤罪だという根拠がどこにあるんだ”という者がいてもおかしくない。



  「静粛に!」



   裁判長の一喝でようやく観覧席の人達を黙らせ、証言をした。



   「何故私はそのような場所で証言出来たかというとある家族の娘と出会い、家族の大切さを改めて知りました
   家族の娘である兄の知り合いの探偵を呼び出し、ある魔法で無実だと言ってくれました
    そして無実を伝えるために刑事にその魔法で撮ったあるもので私を逮捕した刑事に謝罪され、許してあげました
   そして今いる家族とその探偵、そして左にいる弁護士先生が私の証言を知っています

    私はハッキリ言います“俺は・・・窃盗なんかしてない!”と
    以上です」



    アトラは証言を真っ白にならないように何度も読み返しながら練習した成果がようやくこの練習紙無しで言える事が出来た。
    ようやく肩の身が降りたと思いきや、早速鋭いメスを入れるものが来る。



   「それでは尋問へと移らしていただきます」
   「はい」



   それはウィズミーであった。
    自信満々な彼はアトラの目を泳がそうと早速鋭いメスを入れる。



   「アトラ・オルキス、君は何故冤罪だという事が言えるのか不思議でたまりません
    前回の裁判では『あんな男がいうのはでっち上げだ、お前の言っている事は意味が分からない』と私に言いましたね?」
  「そうですが、それが何か?」
  「反省の色も何も無いんじゃあこの裁判にいる資格が無いのでは?」
  「異議あり、ウィズミー検事はこの少年の気持ちが分かっていない!」
  「カルシュファー弁護士静粛に、続けて下さい」
  

   
   オールズはウィズミーの態度が腹が立ち、胸ぐらを掴みたいくらいであるが、そこは裁判所だと我慢する。
   ウィズミーは解剖するかのようにアトラの心の中を開かせて来る。



   「そして君はオールズ弁護士やあの黒い探偵を利用して何か企みでもあるんじゃないのですか?」
   「企みならある」
   「ほぉ、どんなのですか?」
   「私を明らかにしてくれました探偵と一緒に戦ってくれているオールズ弁護士と共にその真相を明らかにされるのは今日だと思ったからです
    私はこの証言で裁判を驚かせたい、それが企みです」
  


──────“アイツめ・・・パフォーマンス大会と勘違いをしているな?
   ここは最高裁判所だ、子供が思っているような部活の大会じゃないんだここは
    あのバカ真面目を早速取り出してやらないと本当に腐ったままだと死んでしまう、なんとかしてやらないとな・・・”──────



   ウィズミーはアトラの企みを知ったように高らかに笑い始めた。



   「はははははっ!面白い、それが企みか・・・
    だとするなら僕には証明するものがある、これだ!」



    取り出したのはアトラが魔法を使っている事、観覧席の人間達は驚き、どうしてだろうと右往左往をする。
    いつその写真が撮られたのかは分からないが、祖父を連れて行った時に蛇の女と戦っている時の写真に対し、少年は言った。



  「これは私が祖父の命から守った時に使った魔法、使わなければいけない状況だったんです」
  「そうだ、その魔法がどうして復活したのか教えて欲しい」
  「それは“無実だ”と魔法が教えてくれたからなんです」
  「教えてくれた?」



   アトラは魔法を使った始まりの事から遡る、その話始めた。



   「それはミューラ・アイラン、ラウル・アイランという兄妹と出会った時です
    私は魔法が使えないという絶望を味わい、一生戻れないだろうと思っていました
    蛸の男が家族の前に現れ、襲撃に合いました。
    この家の妹であるミューラは首を絞められ、殺されそうになった所私は物を投げて抵抗しようとしました
    しかし、兄であるラウルに助けられ、家から出る羽目になりました
    私は“どうする事もできないまま助けられないまま命が絶たれてしまう”そんな危機を感じてもう一度戻り、彼を助けにいきました
    馬鹿な私ですが、命の危機を感じ、魔法が味方をしてくれたのです」 
  「味方になるだと?」
  「私は蛸の男から家族を守る事ができ、犠牲者を出さないで無事解決しました
    魔法が戻ったんだと・・・」


   裁判官たちはその内容に面白く感じているとその表情に圧倒されたのかウィズミーは焦ったようにアトラに言った。



  「ふざけるな魔力がそんな意思を持って戻れるわけが無い、そんな根拠がどこにある!」
  「根拠はある、この心臓に宿る魔力が・・・」



──────“嘘だ少年漫画の世界の話でもあるまいし、魔力は無くなっているはずなのにどうして戻った気になっている?
    アイツ、言っている事が矛盾過ぎてついて来れない・・・”──────



  違和感を覚えるウィズミーはアトラに必死に噛み付くように言った。



  「馬鹿げている、魔法が一度失くした元魔法界人間がどうしてこんな事がいえる?
    そんなの嘘のでっち上げだ!」
  「本当にいるんだよ、アトラ・オルキスだけじゃなく、他にも魔力が、味方してくれた事例がいくつかな」



   オールズはウィズミーが何か言うかもしれないと先手を打って、過去の何年か前の新聞が4つもある。
    それは同じ新聞紙で60年前と70年前、200年前の新聞、それは全部アトラのように命懸けで守ろうとした冤罪の魔法人が魔力が戻ったというもの。



  「これは・・・」
  「俺が取ってきたやつだ、この事例でなんか文句があるか?」
  「ない・・・」


   
    ウィズミーは問い詰めるのも止め、降参した。


  
  「それでは重要参考人を招致し、証言に移ります」



   オールズの事例が幾つか出たお陰で1歩リードをする事ができた。





                                                 ────続
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