34 / 218
第1章
34.ノア─ずるい。
しおりを挟む
遅い。全然ガイやユキが帰ってこない。
遅くなったら食べて帰るというのは聞いていた。だから、食べてきているのだろう。
それにしたって遅い。子供を連れてるんだ、そんなに遅くまで出歩くなんて非常識だ!ムカつく…やっぱりアイツに任せるんじゃなかった。くそっ!
「遅い!」
「まぁまぁ…ユキが案外遅くまで寝てたりしてまだ小屋にいるのかもしれないし、ご飯食べるのに時間がかかっているのかも」
「でも…!」
「もう少し待と?」
「……わかった」
「うん。もう30分ほど待っても帰ってこなかったら探しに行こ?」
「……あぁ」
あと30分。あと30分待って帰ってこなかったら絶対見つけたら殴る。1発殴る。
あと少し、あと5分程で30分経つ。
ゴソゴソ
「なにしてるの?」
「いや、探しに行く準備…」
「……もう探しに行くの?」
「ちゃんと30分待つが、あと少しだ。」
「……」
「なんだよ」
「んーん、なんでもない」
「…そうか」
「うん…」
ガチャッ
はっ!
「ガイか?」
「しっ!声が大きい!((ヒソッ))」
「あ…悪い……」
怒ろうと思ったのに、ユキが眠っていた。
ずるい。ガイの腕の中で気持ちよさそうに寝ているなんて。俺だってユキを抱っこして腕の中で眠って欲しい。
ほとんどガイが世話してる。ずるい。
「ユキ、ねてるの?」
「ああ、なんか寝る時ぐずってたんだがな。しばらくしたら寝たよ」
「そうなのね…」
「お前の腕の中で寝るのが嫌だったんじゃないのか?」
「んー…そういう訳じゃなさそうだったぞ。寝ること自体を嫌がっている様子だった。それまでは普通に眠ってたんだがな…さっき寝る時は、眠くないって言って必死に起きてようとしていた。」
「何が嫌だったのかな…」
「……とりあえず、ベッドに寝かそう」
「そうだな。」
何を嫌がったんだ?寝たくない?……何かあるのだろうか…?
ユキの過去が分からない以上、ユキの言動に気を配ってやらないといけない。何が嫌なのか、本人も気付いていない場合があると分かったから。
というか、まて、まてまてまて…!
「おい、ガイ。なにしてる。」
「何って、ベットに寝かせようと…」
「だから、なんでお前のベッドなんだよ?」
「……じゃあ誰のベッドだ?」
「俺のだろ」
お前ばっかりずるい!ほとんどガイと一緒にいたんだ。寝る時くらい俺のそばに……
「ちょっと、私のベッドよ。」
「「はぁ?」」
「はぁ?って、馬鹿なの?
こんな小さな子、あなた達大男が寝てる間に踏み潰したらどうするのよ!一緒になんて寝かせられない」
「「……」」
最もすぎて言い返せない。
「だから、私のベッドでユキは一緒に寝るの。」
「「……」」
「わかった?」
「「……はい」」
ライ…ずるい……俺も小柄が良かった。そしたら一緒に寝れたのに……
遅くなったら食べて帰るというのは聞いていた。だから、食べてきているのだろう。
それにしたって遅い。子供を連れてるんだ、そんなに遅くまで出歩くなんて非常識だ!ムカつく…やっぱりアイツに任せるんじゃなかった。くそっ!
「遅い!」
「まぁまぁ…ユキが案外遅くまで寝てたりしてまだ小屋にいるのかもしれないし、ご飯食べるのに時間がかかっているのかも」
「でも…!」
「もう少し待と?」
「……わかった」
「うん。もう30分ほど待っても帰ってこなかったら探しに行こ?」
「……あぁ」
あと30分。あと30分待って帰ってこなかったら絶対見つけたら殴る。1発殴る。
あと少し、あと5分程で30分経つ。
ゴソゴソ
「なにしてるの?」
「いや、探しに行く準備…」
「……もう探しに行くの?」
「ちゃんと30分待つが、あと少しだ。」
「……」
「なんだよ」
「んーん、なんでもない」
「…そうか」
「うん…」
ガチャッ
はっ!
「ガイか?」
「しっ!声が大きい!((ヒソッ))」
「あ…悪い……」
怒ろうと思ったのに、ユキが眠っていた。
ずるい。ガイの腕の中で気持ちよさそうに寝ているなんて。俺だってユキを抱っこして腕の中で眠って欲しい。
ほとんどガイが世話してる。ずるい。
「ユキ、ねてるの?」
「ああ、なんか寝る時ぐずってたんだがな。しばらくしたら寝たよ」
「そうなのね…」
「お前の腕の中で寝るのが嫌だったんじゃないのか?」
「んー…そういう訳じゃなさそうだったぞ。寝ること自体を嫌がっている様子だった。それまでは普通に眠ってたんだがな…さっき寝る時は、眠くないって言って必死に起きてようとしていた。」
「何が嫌だったのかな…」
「……とりあえず、ベッドに寝かそう」
「そうだな。」
何を嫌がったんだ?寝たくない?……何かあるのだろうか…?
ユキの過去が分からない以上、ユキの言動に気を配ってやらないといけない。何が嫌なのか、本人も気付いていない場合があると分かったから。
というか、まて、まてまてまて…!
「おい、ガイ。なにしてる。」
「何って、ベットに寝かせようと…」
「だから、なんでお前のベッドなんだよ?」
「……じゃあ誰のベッドだ?」
「俺のだろ」
お前ばっかりずるい!ほとんどガイと一緒にいたんだ。寝る時くらい俺のそばに……
「ちょっと、私のベッドよ。」
「「はぁ?」」
「はぁ?って、馬鹿なの?
こんな小さな子、あなた達大男が寝てる間に踏み潰したらどうするのよ!一緒になんて寝かせられない」
「「……」」
最もすぎて言い返せない。
「だから、私のベッドでユキは一緒に寝るの。」
「「……」」
「わかった?」
「「……はい」」
ライ…ずるい……俺も小柄が良かった。そしたら一緒に寝れたのに……
120
あなたにおすすめの小説
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
転生したけど平民でした!もふもふ達と楽しく暮らす予定です。
まゆら
ファンタジー
回収が出来ていないフラグがある中、一応完結しているというツッコミどころ満載な初めて書いたファンタジー小説です。
温かい気持ちでお読み頂けたら幸い至極であります。
異世界に転生したのはいいけど悪役令嬢とかヒロインとかになれなかった私。平民でチートもないらしい‥どうやったら楽しく異世界で暮らせますか?
魔力があるかはわかりませんが何故か神様から守護獣が遣わされたようです。
平民なんですがもしかして私って聖女候補?
脳筋美女と愛猫が繰り広げる行きあたりばったりファンタジー!なのか?
常に何処かで大食いバトルが開催中!
登場人物ほぼ甘党!
ファンタジー要素薄め!?かもしれない?
母ミレディアが実は隣国出身の聖女だとわかったので、私も聖女にならないか?とお誘いがくるとか、こないとか‥
◇◇◇◇
現在、ジュビア王国とアーライ神国のお話を見やすくなるよう改稿しております。
しばらくは、桜庵のお話が中心となりますが影の薄いヒロインを忘れないで下さい!
転生もふもふのスピンオフ!
アーライ神国のお話は、国外に追放された聖女は隣国で…
母ミレディアの娘時代のお話は、婚約破棄され国外追放になった姫は最強冒険者になり転生者の嫁になり溺愛される
こちらもよろしくお願いします。
小さいぼくは最強魔術師一族!目指せ!もふもふスローライフ!
ひより のどか
ファンタジー
ねぇたまと、妹と、もふもふな家族と幸せに暮らしていたフィリー。そんな日常が崩れ去った。
一見、まだ小さな子どもたち。実は国が支配したがる程の大きな力を持っていて?
主人公フィリーは、実は違う世界で生きた記憶を持っていて?前世の記憶を活かして魔法の世界で代活躍?
「ねぇたまたちは、ぼくがまもりゅのら!」
『わふっ』
もふもふな家族も一緒にたくましく楽しく生きてくぞ!
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 呉羽
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
ショボい人生のやり直し?!絶対に消えたくないので真逆の人生でポイント貯める
亀野内アンディ
ファンタジー
「佐藤さんはお亡くなりになりました」
「え?」
佐藤竜、独身リーマン。ビルの倒壊で享年(40)案内役に連れられ天へと向かうが⋯⋯⋯⋯
「佐藤竜はさぁ、色んな世界でも特に人気の高い地球の日本に産まれて一体何を成し遂げたの?」
「え?」
「五体満足な体。戦いの無い安全な環境で育ち、衣食住は常に満たされて、それで何をしたの?」
俺は恵まれた環境であまりにもショボい人生を送っていたらしい。このままでは⋯⋯⋯⋯
「はぁ。どうしようかな。消すかな」
「な、何をですか?!」
「君を」
「怖いです!許して下さい!」
「そう?消えれば無に還れるよ?」
「お、お願いします!無は嫌です!」
「う~ん。じゃあ君は佐藤と真逆の人生を歩ませようかな?そこで人生経験ポイントを佐藤の分まで貯めなよ?佐藤とこれから転生する君の二人分の体験だよ?失敗したら今度こそは無にするからね」
「はい、死ぬ気で頑張ります!!」
ここから真逆の人生で経験ポイント貯める佐藤の戦いが始まる?!
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる