髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第1章

34.ノア─ずるい。

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遅い。全然ガイやユキが帰ってこない。
遅くなったら食べて帰るというのは聞いていた。だから、食べてきているのだろう。
それにしたって遅い。子供を連れてるんだ、そんなに遅くまで出歩くなんて非常識だ!ムカつく…やっぱりアイツに任せるんじゃなかった。くそっ!

「遅い!」
「まぁまぁ…ユキが案外遅くまで寝てたりしてまだ小屋にいるのかもしれないし、ご飯食べるのに時間がかかっているのかも」
「でも…!」
「もう少し待と?」
「……わかった」
「うん。もう30分ほど待っても帰ってこなかったら探しに行こ?」
「……あぁ」

あと30分。あと30分待って帰ってこなかったら絶対見つけたら殴る。1発殴る。


あと少し、あと5分程で30分経つ。

ゴソゴソ

「なにしてるの?」
「いや、探しに行く準備…」
「……もう探しに行くの?」
「ちゃんと30分待つが、あと少しだ。」
「……」
「なんだよ」
「んーん、なんでもない」
「…そうか」
「うん…」

ガチャッ

はっ!
「ガイか?」
「しっ!声が大きい!((ヒソッ))」
「あ…悪い……」

怒ろうと思ったのに、ユキが眠っていた。
ずるい。ガイの腕の中で気持ちよさそうに寝ているなんて。俺だってユキを抱っこして腕の中で眠って欲しい。
ほとんどガイが世話してる。ずるい。

「ユキ、ねてるの?」
「ああ、なんか寝る時ぐずってたんだがな。しばらくしたら寝たよ」
「そうなのね…」
「お前の腕の中で寝るのが嫌だったんじゃないのか?」
「んー…そういう訳じゃなさそうだったぞ。寝ること自体を嫌がっている様子だった。それまでは普通に眠ってたんだがな…さっき寝る時は、眠くないって言って必死に起きてようとしていた。」
「何が嫌だったのかな…」
「……とりあえず、ベッドに寝かそう」
「そうだな。」

何を嫌がったんだ?寝たくない?……何かあるのだろうか…?
ユキの過去が分からない以上、ユキの言動に気を配ってやらないといけない。何が嫌なのか、本人も気付いていない場合があると分かったから。

というか、まて、まてまてまて…!

「おい、ガイ。なにしてる。」
「何って、ベットに寝かせようと…」
「だから、なんでお前のベッドなんだよ?」
「……じゃあ誰のベッドだ?」
「俺のだろ」

お前ばっかりずるい!ほとんどガイと一緒にいたんだ。寝る時くらい俺のそばに……

「ちょっと、私のベッドよ。」
「「はぁ?」」
「はぁ?って、馬鹿なの?
こんな小さな子、あなた達大男が寝てる間に踏み潰したらどうするのよ!一緒になんて寝かせられない」
「「……」」

最もすぎて言い返せない。

「だから、私のベッドでユキは一緒に寝るの。」
「「……」」
「わかった?」
「「……はい」」

ライ…ずるい……俺も小柄が良かった。そしたら一緒に寝れたのに……





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