髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第2章

140.おまけ( ˙꒳​˙ᐢ )ニッ。

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ユキは日々アミュートをもふもふして癒されては、その可愛らしい様子で周りのものをメロメロにして癒していた。その中にはアミュートや随分自由に動けるようになった目覚まし時計も含まれていた。

屋敷へ来てから目覚まし時計の仕事は、ノア達を起こすことはなくなり、ユキの部屋でユキのお昼寝を起こすというものに変わっていた。
なぜ朝は起こさないのかと言うと、それは単純にユキを起こしたいというメイドマリエリの強い要望だった。

『坊ちゃんの可愛らしい寝顔や寝起き姿を見ていたいのです!決してやましい気持ちがあるわけでなく、今日も一日頑張ろう!という元気を貰えるので、是非私に起こす権利を頂けないでしょうか!!もちろんどれだけの可愛さであったかもご報告致します!』

何がもちろんなのかよく分からないし、勢いよく力説するマリエリにここにユキが居れば冷めた目で見つめるだろう。
しかしそこにいるノアは、マリエリがもちろんだと言ったことをさらに勿論だと返し、毎日教えてくれるなら良いよと許可を出した。
ユキが使いたがっていた目覚まし時計はお昼寝時に使えばいいと決めたのだった。

そうしてお昼寝時の仕事に変わった目覚まし時計は、随分自由に出し入れできるようになった腕を使い、叫び声で起こすのではなく譲って起こすという優しさ満点の仕事ぶりに変わっていた。

「ふぅ………ん……ぅぅん……んーーーーっん!…はぁ、あ、こおちてくりぇて、ありあちょう!めとくん!」

ユキは目を擦り、伸びをしてちゃんと覚醒した後に目覚まし時計を撫でながら感謝を告げる。そして“めとくん”とは、この目覚まし時計のことであり、いつもいつも“目覚まし時計くん”と長い名前を呼ぶのが面倒になり、あだ名をつけたのだ。
それは図らずとも命名になり、目覚まし時計の自由度をさらにあげる一因となっていた。
それをユキは知る由もなく、自由度が増していくのは単純に成長と捉えていた。それはあながち間違いではないが、ユキの力がなければ起こらなかった成長。

ユキのお陰で言っても過言ではないそれを、目覚まし時計のめとくんはそれはもうとても感謝していた。まだ言葉を話すことは出来ないが、いつか、いつか話せるようになった暁には、第一声としてユキに感謝を伝えようと心に決めていた。
そして今はまだ伝えることが出来ないその思いを、優しく起こすという形で返そうとしているのだった。

そんな健気なめとくんの想いに気づいているのはアミュートだけであり、気付かれていることにめとくんはまだ気付いてはいない。これから先も、アミュートから生暖かい心の目で見られている事に気づくことは無いだろう。









𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒
宣言通り、次回から3章に入ります。
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