髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第3章

156.不安定な心。

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あいつに打たれ続けていた時は、心の中では助けを求めていたが、念話でアミュートに助けを求めることはしていなかった。その場にアミュートが来てはアミュートまで打たれかねないと思ったからだった。

しかし今はあいつはいないし、父様に知られかねないが口止めをすればいい。兎に角もう、1人でこの苦痛には耐えられそうになかった。

『アミュート』
『ん?…え?どうした?』
『助けて。』
『え、今行く!!』

念話を飛ばして1分も経たないうちに、アミュートが部屋の扉を突破って部屋へ入ってきた。

『え、ユキ?!どうしたの?!しんどい?!気持ち悪い?!あ、まってあの人たち呼んでくる!』
『ヤダ待って行かないで!』

丸まっている俺を見て、俺からのSOSと相まって相当焦っているアミュートはすぐに部屋から出ていこうとした。

『呼びに行かなくていいから。ちょっと吐きそうでも吐けなくて辛いだけだから。だから、部屋へ…部屋へ運んで…』
『……わかった。登れる?』
『ん……』

アミュートは俺の傍に伏せ、俺が背中によじ登ったのを確認してから、あまり揺れないように注意しながら急いで部屋へと戻り、俺をベットに寝かせてくれた。

『ユキ、大丈夫?』
『…うん』
『急に、気持ち悪くなったの?』
『………うん』
『それにしては精神が不安定なように見えるけど、何かあったの?』
『……見えるって何?』
『あ、具現化して見えるとかそういうことじゃなくて、ユキが不安定だった頃と同じ顔をしてるし、なにより、そう感じる』
『………うん』

なんて返したらいいのかわからなかった。
アミュートに話してしまいたい。家庭教師がグレーだったことも、されたことも。

『あとで、話す。今は休みたい。』
『分かった。ゆっくり休んでね』
『うん。そばにいて』
『わかったよ。』
『……父様達には、言わないでね』
『……どうして?』
『それも、後で話すから』
『わかった………でもほんとに医者呼ばなくて平気?』
『うん。平気。』
『そっか…わかった。そばに居るからね』
『うん』

アミュートが優しく俺を包み込んでくれる温もりが心地いい。荒んだ心が少し救われる。
本当はもっと全力でもふもふしたいけど、いまはそんな体力も気力もどこにもなく、ただこの波のある吐き気をやり過ごすためにじっと丸まるしか無かった。











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