髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

第3章

186.ガイさんの授業と生活魔法。

アミュートが従者になって学園に着いてくることが決まってから、従者としての最低限のことをアミュートは学ぶことになった。
そして俺はと言うと、ガイさんに生活魔法を教わることになった。いつまでも座学の魔法だけじゃつまらないだろうという理由もあるみたいだが、ガイさんの主張は“2人だけ教えられてずるい。俺もなにか教えたい”という事らしい。もともとは剣術でも習おうかと思っていたのだが、体力作りの時点で俺は高熱を出して2日寝込んだ為、父さんがダメだと言い始めた。体力作りは丈夫な体作りの為にも必要な為、徐々に増やしていく事になり、今はとっても軽いものを行うことになった。つまり剣術を習うほどの激しく急激な体力作りはダメということだった。

そうして生活魔法になったのだ。生活魔法は学園に行けば授業で習うらしい。だから、予習として習うのもいいのではないかという事だった。前までは危ないからダメだと見せてもらうだけに留まっていた“魔法”を習えることになり俺はわくわくのうきうきだった。
座学の時は呪文や、ライさんなどが発動させた魔法を見せてもらい、イメージを固める様なことや、魔法の危険性、魔法使用によるリスクなどを中心に散々教えられてきた。

いざ始まった生活魔法の授業は正直しょぼしょぼだった。
今まで散々生活魔法なんて誰もが使えるようなもの以上の魔法を見て学んできたのだ。生活魔法なんてものはすぐに出来てしまった。
ガイさんは俺を抱き上げてのべた褒めだったが、納得いかず抗議した。

「ガイさん！ほかのもおしえてよ！つまんない」
「……俺は生活魔法しか許可されてない。すまん」
「…………　……………わかった」

諦めるしか無かった。父さんが言うには、普通の魔法などは中等部でやるらしい。だからダメという理由と、生活魔法はほとんど魔力を使わないのに対して通常の魔法はとても魔力を消費する。だから、子供のうちは暴走しやすく危険だという。その為何かあってはいけないということで禁止されてしまった。

まぁつまらないと言っても生活魔法も魔法であることに変わりはないし、昔見せてもらってから使ってみたいと思っていたので、贅沢は言わずよしとする。

「ガイさん、おしえてくれてありがとう！」
「おう！！」

抱き上げられたままの俺はガイさんの首に抱きついてありがとうと伝えた。
生活魔法を1度で習得してしまったので、次からの授業は無くなるのでは？と思ったが、ちゃんとあった。ガイさんの時間の時は生活魔法でいかに遊ぶかとか、そういう授業じゃないような時間になってしまったり、ガイさんの剣術を見せてもらったり、体力作りのアドバイスをもらったりと、もはや魔法ですらない事を学ぶ時間になっていた。とにかくガイさんの俺補給の時間と捉えるべきだろう。