髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

あめ

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第4章

199.俺と私、ハルとルル。

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抱きつくケルに気付いたルルが俺からケルを引き剥がす。

「なんですかあなた。坊ちゃんに触らないでください」
「ルル」
「あ…ユキ、様…」
「ルル」
「ユキ…さ」
「ルル。」
「…………ユ、キ……」
「ん」

この学園ではユキと呼ぶようにと伝えていたのにルルは俺を坊ちゃんと呼ぶ。すごく言いにくそうにしているが俺をユキと呼び捨てに出来たルルの頭を撫でるとルルは少し照れ、嬉しそうにしていた。しかし直ぐにその顔は真顔に戻り、ケルを見据える。俺はルルの頭を撫でることをやめなかった。

「ユキ…に、なぜ抱きついていたのですか?あなたは誰ですか?私が緊張で固まっている間にあなたはユキ…と、知り合って抱きついていたというのですか?そうなのですか?」
「え……あ…えっと…まぁ、そうだな」
「はぁ…ユ、キ…、本当ですか」
「そうだよ」
「そうだよって……はぁ」
「クスクス…」
「笑わないでください!」
「いや、まぁそんなことよりさ。この子はケルっていってちょっと話しただけだけどすごくいい子そうだから仲良くしよ?」
「……そんなまだ少ししか話してもいないような人にあなたは抱きつかれていたのですか?!」
「……ごめんね」
「はぁ…」

呆れた様に頭を指先でクリクリと押さえながら下を向いてため息を着くルルの頭からさすがに手を離して撫でるのを辞めた。

「クス…なに、お前ら仲良すぎないか?」
「ん?そうだね」
「頭ずっと撫でてたかと思ったら今度は心配そうに見つめてるとか…坊ちゃんとか言ってたしお前達は貴族とその従者的な仲なのか?」
「…一応はそうだね。でも友達だよ」
「はい。友達…ですね。でも私はぼ…ユキ、の従者見習いです。」
「で、ルル?も、貴族なのか?」
「…ルルと呼ばないでください。私は、ハルラルク。ルル以外ならなんと呼んでもらっても構いません」
「じゃ、ハルな」
「…いいですよ」
「ハル、敬語やめてくれ。学園は身分差なしだろ」
「……わかった。じゃあ俺もケルって呼ぶ…」
「おう!」
「いやいやいやいや…!え?ちょっとまって?いや待って?まってまってまって……」

2人のやり取りを見ていたら、ものすごいことが起きた。
2人が距離を縮めたのはいい。むしろよろこばしい。だが、最後のはなんだ。
『“じゃあもケルって呼ぶ”』だ?俺って言ったか?言ったよな?いや、しかもケルにはタメかよ!俺には何回行っても敬語で接してくるくせに!
そりゃ、分かるよ?ルルは俺の専属執事になるのが夢らしいし、あくまで従者としての振る舞いを意識している訳だし、そう簡単に友達だからという理由でそれをないがしろにすることが出来ないのは分かってるつもりだ。だから、ルルのペースで少しずつ慣れてくれればと思ってた。実際最近はちょこちょこ敬語が抜けている。

のに!
あって数分のやつに負けた。
しかも!
ルルの一人称が“俺”だなんて知らなかった。
キャラが違う!
混乱するななんて無理な話である。

「どうしたんだ?」
「……や、まって…ちょっと頭整理したい。」
「ユキ…、私がなにかしましたか?」
「……」

俺には敬語なんだね。なんか悲しくなってきた。













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