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ボクは不安を胸に
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なんとか終えた、青空の下の狭き食事会。
ボクの心臓はいつ弾け飛んでもおかしくないと思うんだ。
今は園内にある公園をふらふらと散歩している。
植物園と比べて、大分質素な景色ではあるけれど、小さな遊具で遊ぶ子供たちの姿は、とても和やかな気持ちにさせてくれるんだ。
それに──
「こうして落ち着いて歩くのも、先輩と隣り合わせだと、とても楽しく感じますね」
「そ、そうかい? ボクも、君とこうして散歩できることがとても嬉しいと思っているよ」
隣に凪くんがいる! それだけで景色が何倍にも良く見えてしまう。……むしろ、凪くんのことだけを見ていたいけれど、この場でそういう訳にもいかないからね。
「嬉しいお言葉、ありがとうございます」
本当に凪くんは、素直でいい子だね。だからこそ、君のその言葉に偽りが無いとわかるんだ。……本当にドキドキしちゃうよね、そんなの。
なんだか嬉しくなって、ボクは無意識に彼の前まで小走りで駆けていたんだ。
凪くんがつられて走るより前に、足を止めて彼の方へと振り返る。
……さっきは、いきなりでびっくりして、情けない態度を取っていたけれど、せっかくのデートなんだ。楽しまなくちゃね!
ボクは彼に右手を差し出して小さく微笑んでみる。
「さあ凪くん。せっかくの遊園地なんだ。もう少しアトラクションに乗ろうじゃ無いか」
驚いた彼は、喉を鳴らして一度唇を強く結んだ。君もやっぱり、緊張してくれているんだね。
「はい。いきましょう!」
彼の左手はボクの右手を握り、その顔はとてもいい笑顔を見せてくれている。
そんな嬉しい、可愛い表情をされちゃったら、少し悪戯をしたくなるじゃ無いか。
「唇が乾燥しているようだね。ボクのリップ、貸してあげようか?」
「! い、いえ! 大丈夫ですよ! 大したことじゃないので!」
普通にあしらわれちゃったね。でも、真っ赤に染まった君のその困り顔は、ボクの心に刻ませてもらったよ? これでも、ボクは記憶力がいい方なんだ。
「そっか、それなら良かった。お昼が明ければ、また人が増えてくる。ちょっと急ごうか、凪くん!」
彼と握った手はそのまま、凪くんの手を引いて駆け出していた。
あぁ、今日という日が終わらなければいいのに。心の中がどんどんと、君で埋め尽くされていく。
本当に、本当に楽しいんだ。子供の頃、充たちと遊んでいたときのように。いろんな初めてを経験していた頃のように。
ボクは今、恋という感情の中で、色々な初めてを体験している。──こんなの、心を落ち着かせてなんかいられないよね!
「凪くん、ボクは今とても幸せだ! 君とこうして恋人になれたこと。今、君の隣で、君の手を引いて、こうして歩いていることが、とても楽しいんだ。本当にありがとう」
彼も、まさか今こんな言葉を聞かされるとは思わなかったと思う。ボクだって知らなかったんだ。
でも、考えたのならすぐに伝えたい。心に溜めておくなんて、今のボクには決してできることじゃない。
「こちらこそ、本当にありがとうございます。自分も、先輩にそこまで想ってもらえて、すごく嬉しいです」
こうして、彼を引っ張る自分がとてもむず痒くて、手先から伝わる暖かさがとても心地良くて、ボクの視線は、自然と遊園地の方へと逃げていた。
そこに映った人影に、ボクの足は止まり、心臓も一瞬止まったんじゃないかと思う。
「充……?」
遊園地の中、アトラクションに並ぶ人混みの中に、充らしき人影がみえた。
なんだか疲れたような顔はしているけれど、満更でもないような、そんな表情だ。
──そしてその隣には、カナメの姿があったんだ。
別に二人は友達なのだから、一緒にいてもおかしいことなんてない。いつも一緒にいるんだから、自然のように見える。
でも、今日ボクたちがここにきたのは、充にチケットを渡されたから。彼はもう持っていないはず。
元々四枚あった? 後からまた貰ったりしたのかな?
それにしたって、わざわざ今日じゃなくてもいいじゃないか。
……それに、カナメの服装がいつもと比べても、少しお洒落な気がする。
特にイヤリングやヘアピンは綺麗で、肌や口元が少し艶っぽい。お化粧もしているのかな?
充を引っ張って歩く姿は、とても楽しそうなんだ。
もしかして、二人はそういうか関係だったのかい? ボクは何も聞いていないよ。
でもそうなら、隠す必要なんかないじゃないか。ボクたちは親友なのだから、何でも話すべきじゃないのかい?
息が苦しい。心が痛い。既に姿は見えないというのに、見開いたボクの目が閉じてくれる様子は無さそうだ。
「先輩? どうかしましたか?」
「凪くん……」
ああ、そうだ。ボクは凪くんと一緒に遊園地に来たんじゃないか。
なんでそこに充がいたからと、カナメと一緒だからと、こんな気持ちになる必要があるんだ。
……今日は楽しまなくちゃもったいない。二人には明日、話を聞けばいい。もしかしたら、ボクの間違いなのかもしれないんだからね。
「いいや、なんでもないよ。足を止めてしまってごめんよ。さあ行こうか、凪くん!」
「え、ええ……」
彼の返事は煮え切らなかったけれど、彼に気づかれないよう、急いでその場を駆け出した。
──充、なんでカナメとのこと、言ってくれなかったんだい?
ボクの心臓はいつ弾け飛んでもおかしくないと思うんだ。
今は園内にある公園をふらふらと散歩している。
植物園と比べて、大分質素な景色ではあるけれど、小さな遊具で遊ぶ子供たちの姿は、とても和やかな気持ちにさせてくれるんだ。
それに──
「こうして落ち着いて歩くのも、先輩と隣り合わせだと、とても楽しく感じますね」
「そ、そうかい? ボクも、君とこうして散歩できることがとても嬉しいと思っているよ」
隣に凪くんがいる! それだけで景色が何倍にも良く見えてしまう。……むしろ、凪くんのことだけを見ていたいけれど、この場でそういう訳にもいかないからね。
「嬉しいお言葉、ありがとうございます」
本当に凪くんは、素直でいい子だね。だからこそ、君のその言葉に偽りが無いとわかるんだ。……本当にドキドキしちゃうよね、そんなの。
なんだか嬉しくなって、ボクは無意識に彼の前まで小走りで駆けていたんだ。
凪くんがつられて走るより前に、足を止めて彼の方へと振り返る。
……さっきは、いきなりでびっくりして、情けない態度を取っていたけれど、せっかくのデートなんだ。楽しまなくちゃね!
ボクは彼に右手を差し出して小さく微笑んでみる。
「さあ凪くん。せっかくの遊園地なんだ。もう少しアトラクションに乗ろうじゃ無いか」
驚いた彼は、喉を鳴らして一度唇を強く結んだ。君もやっぱり、緊張してくれているんだね。
「はい。いきましょう!」
彼の左手はボクの右手を握り、その顔はとてもいい笑顔を見せてくれている。
そんな嬉しい、可愛い表情をされちゃったら、少し悪戯をしたくなるじゃ無いか。
「唇が乾燥しているようだね。ボクのリップ、貸してあげようか?」
「! い、いえ! 大丈夫ですよ! 大したことじゃないので!」
普通にあしらわれちゃったね。でも、真っ赤に染まった君のその困り顔は、ボクの心に刻ませてもらったよ? これでも、ボクは記憶力がいい方なんだ。
「そっか、それなら良かった。お昼が明ければ、また人が増えてくる。ちょっと急ごうか、凪くん!」
彼と握った手はそのまま、凪くんの手を引いて駆け出していた。
あぁ、今日という日が終わらなければいいのに。心の中がどんどんと、君で埋め尽くされていく。
本当に、本当に楽しいんだ。子供の頃、充たちと遊んでいたときのように。いろんな初めてを経験していた頃のように。
ボクは今、恋という感情の中で、色々な初めてを体験している。──こんなの、心を落ち着かせてなんかいられないよね!
「凪くん、ボクは今とても幸せだ! 君とこうして恋人になれたこと。今、君の隣で、君の手を引いて、こうして歩いていることが、とても楽しいんだ。本当にありがとう」
彼も、まさか今こんな言葉を聞かされるとは思わなかったと思う。ボクだって知らなかったんだ。
でも、考えたのならすぐに伝えたい。心に溜めておくなんて、今のボクには決してできることじゃない。
「こちらこそ、本当にありがとうございます。自分も、先輩にそこまで想ってもらえて、すごく嬉しいです」
こうして、彼を引っ張る自分がとてもむず痒くて、手先から伝わる暖かさがとても心地良くて、ボクの視線は、自然と遊園地の方へと逃げていた。
そこに映った人影に、ボクの足は止まり、心臓も一瞬止まったんじゃないかと思う。
「充……?」
遊園地の中、アトラクションに並ぶ人混みの中に、充らしき人影がみえた。
なんだか疲れたような顔はしているけれど、満更でもないような、そんな表情だ。
──そしてその隣には、カナメの姿があったんだ。
別に二人は友達なのだから、一緒にいてもおかしいことなんてない。いつも一緒にいるんだから、自然のように見える。
でも、今日ボクたちがここにきたのは、充にチケットを渡されたから。彼はもう持っていないはず。
元々四枚あった? 後からまた貰ったりしたのかな?
それにしたって、わざわざ今日じゃなくてもいいじゃないか。
……それに、カナメの服装がいつもと比べても、少しお洒落な気がする。
特にイヤリングやヘアピンは綺麗で、肌や口元が少し艶っぽい。お化粧もしているのかな?
充を引っ張って歩く姿は、とても楽しそうなんだ。
もしかして、二人はそういうか関係だったのかい? ボクは何も聞いていないよ。
でもそうなら、隠す必要なんかないじゃないか。ボクたちは親友なのだから、何でも話すべきじゃないのかい?
息が苦しい。心が痛い。既に姿は見えないというのに、見開いたボクの目が閉じてくれる様子は無さそうだ。
「先輩? どうかしましたか?」
「凪くん……」
ああ、そうだ。ボクは凪くんと一緒に遊園地に来たんじゃないか。
なんでそこに充がいたからと、カナメと一緒だからと、こんな気持ちになる必要があるんだ。
……今日は楽しまなくちゃもったいない。二人には明日、話を聞けばいい。もしかしたら、ボクの間違いなのかもしれないんだからね。
「いいや、なんでもないよ。足を止めてしまってごめんよ。さあ行こうか、凪くん!」
「え、ええ……」
彼の返事は煮え切らなかったけれど、彼に気づかれないよう、急いでその場を駆け出した。
──充、なんでカナメとのこと、言ってくれなかったんだい?
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