Sランクアイドルと作る絶品ダンジョン飯~社畜Fランク探索者の俺が、グルメスキルで成り上がるのはどう考えてもおかしい件!!~

咲月ねむと

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第4話 初デートはオークの森

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レイナさんと連絡先を交換した翌日。
俺はいつも通り、満員電車に揺られて会社に向かっていた。目の前の現実、まあ言えば仕事と昨夜の非現実的な出会いのギャップに頭がクラクラする。

(本当に、また連絡来るのかな……。昨日のあれは、夢だったんじゃないか?)

そんなことを考えていると、ポケットのスマホがブブッと震えた。
メッセージアプリの通知だ。

送り主は……レイナさん!?

『佐藤さん、おはようございます!(^▽^) 昨日はありがとうございました! 早速なんですけど、次のダンジョン、いつ行けますか? 私、いつでも大丈夫です!』

ものすごい勢いのメッセージだ。
絵文字がキラキラしている。本当に行く気満々らしい。

『おはようございます。こちらこそ、昨日はありがとうございました。次のダンジョンですが、俺は基本、平日の夜か土日なら大丈夫ですけど……』

『本当ですか!? じゃあ、今週末の土曜日なんてどうでしょう?』

『土曜日、大丈夫ですよ。それで、どこか行きたいダンジョンとかありますか? あまり危険じゃないところだと助かるんですが……(汗)』

Fランクの俺が行ける場所なんて限られている。せいぜい、ゴブリンの巣の上位互換『コボルト鉱山』くらいか? 

コボルト肉は……まあ、食えなくはないが、あまり美味しくはないんだよな。

すると、レイナさんから予想外の返信が来た。

『私、行ってみたいところがあるんです! Dランクダンジョンの【オークの森】! オーク肉って、美味しいって有名じゃないですか? 佐藤さんの料理で食べてみたいです!o(>▽<)o』

『お、オークの森ぃ!?』

思わず、電車の中で声を上げそうになる。
オークの森は Dランク探索者向けの、中級ダンジョンだ。

出現するのは、その名の通りオーク。
ゴブリンとは比較にならない巨体とパワーを持つ、凶暴なモンスターだ。Fランクの俺が足を踏み入れていい場所じゃない!

『いやいやいや! 無理ですよ! オークなんて、俺が一撃でミンチにされちゃいますって!』

『大丈夫ですって! 私がちゃんと守りますから! ね? お願いします! オーク肉のステーキとか、角煮とか……想像するだけで、よだれが……(´﹃`)』

(よだれ垂らしてる絵文字送ってくるな!)

しかし、彼女の熱意は本物らしい。
「オーク肉」という単語に並々ならぬ執念を感じる。俺の貧弱さなど、彼女の食欲の前では些細な問題でしかないようだ。

(……まあ、レイナさんの実力なら、オークくらい楽勝なのかもしれないな)

昨日のゴブリン瞬殺劇を思い出す。
あれが本物なら、確かにオーク相手でも問題ないのかもしれない。それに……正直、オーク肉は俺も興味があるのは事実だ。
豚肉よりも濃厚で、ジューシーな味わいだと聞く。一度でいいから、調理してみたいと思っていた食材だ。

(……危険だけど、これも経験か? Sランクを目指すなら、いつかは通る道……いや、それは違うんじゃないか)

結局、俺はレイナさんの「美味しいオーク肉が食べたい!」という願いに押し切られる形になった。

『……わかりました。レイナさんがそこまで言うなら。でも、本当に危なくなったら、俺のこと担いで逃げてくださいね!』

『はいっ! お任せください!( ̄^ ̄)ゞ じゃあ、土曜日の朝10時に、オークの森の入り口ゲート前で待ち合わせしましょう!』

こうして俺の初オークの森の挑戦が決まった。

週末まであと数日。
それまでに、オーク肉のレシピを調べて、少しでもマシな装備を整えておかないと……。

あと、心の準備も。

その日の昼休み、俺はスマホで「オーク肉 レシピ」「オーク 攻略 Fランクでもできること」などと必死に検索していた。

隣の席の同期、田中がチラチラとこちらを見ている。

「佐藤、最近なんかスマホばっか見てない? しかも検索履歴『オークの肉汁』とか『ゴブリン 下処理』とか、物騒なんだけど。ついに、現実逃避して変な趣味に目覚めた?」

「う、うるさい! これは、男のロマンだ!」

「ふーん。まあ、ストレス溜まってるなら、今度飲みに行くぞ? 俺、最近いい店見つけたんだ。ダンジョン食材使った創作料理出す店でさ……」

「なっ……!?」

田中の言葉に、俺は思わず食いついた。

ダンジョン食材の店だと?

 しかも創作料理?

(くそっ、先を越された……! いや、俺は自給自足派だ!)

俺は謎の対抗心を燃やしつつ、週末のオーク肉料理への謎の決意をするのだった。
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