13 / 19
第13話 加速するブーム
しおりを挟む
案の定、レイナさんがSNSにアップした「#究極のサンドワームソーセージ」の写真は、瞬く間に拡散され、再び大きな話題を呼んだ。
『プリップリの食感がたまらない!』
『見た目はアレだけど味は最高らしい』
『料理人S、次はどんな秘境飯を披露するんだ?』
『もはやグルメ番組超えてる』
コメント欄は、驚きと称賛の声で埋め尽くされている。「料理人S」の名前は、もはや一部のダンジョンマニアだけでなく、一般のグルメ好きの間にも浸透し始めているようだった。
もちろんその影響は、俺の職場にも及んで。
週明け、出社すると田中が俺の顔をじーっと見てニヤリと笑った。
「佐藤、お前……この前の週末、どこ行ってた?」
「え? いや、別に……家でゴロゴロしてたけど……」
「嘘つけ。顔、うっすら日焼けしてるぞ。しかもなんか砂っぽい匂いが……。まさかとは思うけど、砂漠、行ってないだろうな?」
「なっ……!? 行ってない! 行ってないって! これは、近所の公園で日向ぼっこしただけだ!」
必死にごまかす俺。
しかし田中の疑いの目は、もはや確信に変わりつつあるように見える。
まずい、そろそろ限界かもしれない……。
さらに街中では「料理人S」関連のグッズまで見かけるようになった。料理人Sのイメージイラストがプリントされたエプロンや、ダンジョン飯レシピ風のメモ帳など……。
もちろん俺は一切関与していないし、なんなら許可もしていない。勝手にイメージだけが独り歩きしている状況だ。
(もう、どうにでもなってんだ、これ……)
半ば投げやりな気持ちになっている俺に、追い打ちをかけるメッセージが届く。
またまたレイナさんからである。
『佐藤さん! ソーセージ、大好評でしたね! 私も、あの味が忘れられません……(´﹃`)』
(でしょうね……)
俺は心の中でそう思うしかなかった。
『それで、次は水辺のダンジョンに行きたいなって思うんです! お魚料理が食べてみたくて!』
『魚、ですか?』
『はい! Bランクダンジョンの【清流の湖畔】っていう場所があるんですけど、そこに巨大なヌシがいるらしいんです! そのヌシを釣ってムニエルとかにしたら、絶対美味しいと思うんですよね!』
(いやいやいや、魚って言ったらお刺身!)
なんて独りよがりでツッコミをするが、ムニエル推しの本人には言えるはずもない。
清流の湖畔。Bランクダンジョン。
またランクが上がってるし、そこの湖のヌシって……一体。
もはや、食材調達のレベルを超えている気がする。
『Bランクって……大丈夫なんですかね?』
『大丈夫、大丈夫! 私、水中戦も得意なんですよ! それに、ヌシのお肉って、白身で上品な味わいだって噂ですし……想像するだけで……』
またしてもよだれを垂らしているであろう姿が想像できる。彼女の食への探求心は、とどまるところを知らないらしい。
(まあ、魚料理もレパートリーに加えたいとは思ってたしな……)
オーク肉、サンドワームと肉系が続いてきた。ここで魚料理に挑戦するのも悪くないかもしれない。それに、Bランクダンジョンなら、また新しい発見があるかもしれないし……。
『……分かりました。行きましょう、清流の湖畔へ。最高の魚料理、作ってみせますよ』
俺が返信すると、レイナさんから魚の絵文字とキラキラのスタンプが大量に送られてきた。
こうして俺たちの次なる冒険――食材調達の舞台は美しい湖畔に決まったのだった。
日焼け止め、しっかり塗っていかないとな……。
『プリップリの食感がたまらない!』
『見た目はアレだけど味は最高らしい』
『料理人S、次はどんな秘境飯を披露するんだ?』
『もはやグルメ番組超えてる』
コメント欄は、驚きと称賛の声で埋め尽くされている。「料理人S」の名前は、もはや一部のダンジョンマニアだけでなく、一般のグルメ好きの間にも浸透し始めているようだった。
もちろんその影響は、俺の職場にも及んで。
週明け、出社すると田中が俺の顔をじーっと見てニヤリと笑った。
「佐藤、お前……この前の週末、どこ行ってた?」
「え? いや、別に……家でゴロゴロしてたけど……」
「嘘つけ。顔、うっすら日焼けしてるぞ。しかもなんか砂っぽい匂いが……。まさかとは思うけど、砂漠、行ってないだろうな?」
「なっ……!? 行ってない! 行ってないって! これは、近所の公園で日向ぼっこしただけだ!」
必死にごまかす俺。
しかし田中の疑いの目は、もはや確信に変わりつつあるように見える。
まずい、そろそろ限界かもしれない……。
さらに街中では「料理人S」関連のグッズまで見かけるようになった。料理人Sのイメージイラストがプリントされたエプロンや、ダンジョン飯レシピ風のメモ帳など……。
もちろん俺は一切関与していないし、なんなら許可もしていない。勝手にイメージだけが独り歩きしている状況だ。
(もう、どうにでもなってんだ、これ……)
半ば投げやりな気持ちになっている俺に、追い打ちをかけるメッセージが届く。
またまたレイナさんからである。
『佐藤さん! ソーセージ、大好評でしたね! 私も、あの味が忘れられません……(´﹃`)』
(でしょうね……)
俺は心の中でそう思うしかなかった。
『それで、次は水辺のダンジョンに行きたいなって思うんです! お魚料理が食べてみたくて!』
『魚、ですか?』
『はい! Bランクダンジョンの【清流の湖畔】っていう場所があるんですけど、そこに巨大なヌシがいるらしいんです! そのヌシを釣ってムニエルとかにしたら、絶対美味しいと思うんですよね!』
(いやいやいや、魚って言ったらお刺身!)
なんて独りよがりでツッコミをするが、ムニエル推しの本人には言えるはずもない。
清流の湖畔。Bランクダンジョン。
またランクが上がってるし、そこの湖のヌシって……一体。
もはや、食材調達のレベルを超えている気がする。
『Bランクって……大丈夫なんですかね?』
『大丈夫、大丈夫! 私、水中戦も得意なんですよ! それに、ヌシのお肉って、白身で上品な味わいだって噂ですし……想像するだけで……』
またしてもよだれを垂らしているであろう姿が想像できる。彼女の食への探求心は、とどまるところを知らないらしい。
(まあ、魚料理もレパートリーに加えたいとは思ってたしな……)
オーク肉、サンドワームと肉系が続いてきた。ここで魚料理に挑戦するのも悪くないかもしれない。それに、Bランクダンジョンなら、また新しい発見があるかもしれないし……。
『……分かりました。行きましょう、清流の湖畔へ。最高の魚料理、作ってみせますよ』
俺が返信すると、レイナさんから魚の絵文字とキラキラのスタンプが大量に送られてきた。
こうして俺たちの次なる冒険――食材調達の舞台は美しい湖畔に決まったのだった。
日焼け止め、しっかり塗っていかないとな……。
11
あなたにおすすめの小説
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
田舎おじさんのダンジョン民宿へようこそ!〜元社畜の俺は、民宿と配信で全国初のダンジョン観光地化を目指します!〜
咲月ねむと
ファンタジー
東京での社畜生活に心身ともに疲れ果てた主人公・田中雄介(38歳)が、故郷の北海道、留咲萌町に帰郷。両親が遺したダンジョン付きの古民家を改装し、「ダンジョン民宿」として開業。偶然訪れた人気配信者との出会いをきっかけに、最初の客を迎え、民宿経営の第一歩を踏み出す。
笑えて、心温かくなるダンジョン物語。
※この小説はフィクションです。
実在の人物、団体などとは関係ありません。
日本を舞台に繰り広げますが、架空の地名、建造物が物語には登場します。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
学年一可愛いS級の美少女の令嬢三姉妹が、何故かやたらと俺の部屋に入り浸ってくる件について
沢田美
恋愛
名門・雄幸高校で目立たず生きる一年生、神谷悠真。
クラスでは影が薄く、青春とは無縁の平凡な日々を送っていた。だがある放課後、街で不良に絡まれていた女子生徒を助けたことで、その日常は一変する。救った相手は、学年一の美少女三姉妹として知られる西園寺家の次女・優里だった。さらに家に帰れば、三姉妹の長女・龍華がなぜか当然のように悠真の部屋に入り浸っている。名門令嬢三姉妹に振り回されながら、静かだったはずの悠真の青春は少しずつ騒がしく揺れ始める。
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる