3 / 51
第1章 ダンジョン民宿、はじめました
第3話 ペットスライム
ダンジョン民宿計画。
そのあまりの突飛さに、一晩寝たら「俺は何をバカなことを」と我に返るかと思っていた。 だが、翌朝になっても俺の決意は揺らがなかった。むしろ、早く行動に移したくてウズウズしている。
「よし、行くか」
目的地は、留咲萌町役場だ。
どんな計画も、まずは行政への相談から。これも社畜時代に培った段取り術の一つだ。俺はクローゼットから一番まともに見える襟付きのシャツを引っ張り出し、何年も履いていないチノパンに足を通した。
実家から自転車で15分。潮風を感じながらペダルをこぐと、町の中心部にある、良く言えば歴史を感じる、悪く言えば古臭いコンクリート造りの建物が見えてきた。
これが留咲萌町役場である。
自動ドアを抜けると、シーンと静まり返った独特の空気が漂っていた。平日の午前中だからか、住民の姿はまばらで、職員たちもどこかのんびりとした雰囲気を醸し出している。
俺はまっすぐ「観光課」と書かれた窓口へ向かった。
「ご用件はなんでしょうか?」
カウンターの向こうから声をかけてきたのは、少し気だるげな表情をした若い女性職員だった。名札には「佐藤」と書かれている。
「あの、観光資源の開発について、ご相談したいことがありまして」
「観光資源……ですか」
佐藤さんは、俺の格好と真剣な顔つきを交互に見て、少しだけ訝しげな表情を浮かべた。まあ、無理もない。この過疎の町で、いきなりそんな相談に来る人間は珍しいだろう。
「はい。実は、実家が所有している山にあるダンジョンを活用して、民宿を経営できないかと考えておりまして」
「……はい?」
佐藤さんの眉が、ピクリと動いた。目が「この人は何を言っているんだろう」と雄弁に物語っている。
「ダンジョンに……民宿、ですか?」
「はい。世界初のダンジョン民宿です」
俺は持参したノートを開き、昨日ダンジョンで見た光景を熱っぽく語り始めた。人懐っこいモンスターたち、天井で輝く光る苔、神秘的な地下の泉。これらを活用すれば、他にないユニークな宿泊施設が作れるはずだと力説した。
最初は完全に引いていた佐藤さんだったが、俺のあまりの熱量に気圧されたのか、あるいは話のバカバカしさに興味が湧いたのか、いつしか腕を組んで真剣な表情で耳を傾けていた。
「……お話は、分かりました。田中さんのご提案が非常にユニークで、町の活性化を願う熱意に溢れていることも伝わりました」
一通り話し終えた俺に、佐藤さんは落ち着いた口調で言った。
「ですが、現実問題として、前例がありません。建築基準法や旅館業法、そして何よりお客様の安全確保など、クリアすべき課題が山積みです。正直なところ、現状では許可を出すのは難しいと言わざるを得ません」
「……ですよね」
分かっていたことだ。
だが、頭ごなしに否定されなかっただけでも、大きな一歩だと言える。
「ただ」と佐藤さんは続けた。
「この町に新しい風が必要なのも事実です。田中さんの言う『ハズレダンジョン』が、本当に観光資源になり得るのか……。もしよろしければ、一度、私の方で視察をさせていただくことは可能でしょうか?」
「え、本当ですか!?」
「ええ。もちろん、視察したからといって、すぐに許可が下りるわけではありませんが。まずは、現状を把握しませんと」
願ってもない提案だった。
俺は何度も頭を下げ、近いうちに日程を調整することを約束して、役場を後にした。
思った以上の手応えに、自然と足取りが軽くなる。
俺は自転車を走らせ、報告がてら再びダンジョンの入り口へと向かった。
「おーい、みんなー! ちょっとだけ前に進んだぞー!」
洞窟に向かって叫ぶと、入り口の影から、ぷるぷると震える青い塊が姿を現した。昨日、俺が最初に撫でたスライムだ。
どうやら、ここで待っていたらしい。
「お、いたのか。いい子だな、お前は」
俺が頭を撫でてやると、スライムは嬉しそうに体を弾ませた。
役場での一件で気分が高揚していた俺は、つい、こんなことを口走ってしまった。
「いっそのこと、うちに来るか? ペットとして」
冗談だった。本当にただの冗談だったのだ。
だが、スライムは俺の言葉を理解したかのように、「ぷるん!」と一声鳴くと、ぴょんぴょんと跳ねて俺の足元にすり寄ってきた。そして、俺が歩き出すと、その後を健気についてくるではないか。
「え、マジで?」
何度か立ち止まったり、角を曲がったりしてみたが、スライムは律儀に後をついてくる。その姿は、まるで初めて主人を見つけた子犬のようだ。
「……分かったよ。お前、今日からうちの子だ」
俺は覚悟を決め、奇妙なペットを連れて実家へと帰った。
家に入ると、スライムは興味深そうにリビングを探検し始めた。そして、俺が驚いたのはその後のことだ。
スライムは、ほこりが溜まった床の上を、ゆっくりと滑り始めた。すると、その半透明の体の中に、面白いようにほこりが吸着されていくではないか。あっという間に、リビングの床は雑巾がけをしたようにピカピカになってしまった。
「お前……もしかして、お掃除ロボットの代わりになるのか?」
俺が問いかけると、スライムは得意げに「ぷるん!」と胸らしき部分を張った。
名前が必要だな。安直だが、今日からお前の名前は「プル」だ。
「よろしくな、プル」
「ぷるるー!」
プルは嬉しそうに俺の足元で跳ねた。
こうして、俺の新しい生活に、奇妙で、しかし驚くほど有能な同居人……いや、同居スライムが加わった。
役場の視察という第一関門、そしてペットスライムのプルという仲間。
少しずつだが確実に、俺の「ダンジョン民宿」計画は現実味を帯び始めていた。
「よし、民宿の名前、そろそろ真剣に考えるか」
プルを撫でながら、俺はノートにいくつかの候補を書き出した。
そして、ふと思いつく。
まずは、この計画を誰かに知ってもらうことから始めてみようか、と。
俺はスマホを取り出し、新しいSNSアカウントを作成した。そして、こう打ち込んだ。
『【世界初?】ダンジョンに民宿作ります【北海道の片田舎より】』
誰が見るかも分からない、小さな呟きだった。
そのあまりの突飛さに、一晩寝たら「俺は何をバカなことを」と我に返るかと思っていた。 だが、翌朝になっても俺の決意は揺らがなかった。むしろ、早く行動に移したくてウズウズしている。
「よし、行くか」
目的地は、留咲萌町役場だ。
どんな計画も、まずは行政への相談から。これも社畜時代に培った段取り術の一つだ。俺はクローゼットから一番まともに見える襟付きのシャツを引っ張り出し、何年も履いていないチノパンに足を通した。
実家から自転車で15分。潮風を感じながらペダルをこぐと、町の中心部にある、良く言えば歴史を感じる、悪く言えば古臭いコンクリート造りの建物が見えてきた。
これが留咲萌町役場である。
自動ドアを抜けると、シーンと静まり返った独特の空気が漂っていた。平日の午前中だからか、住民の姿はまばらで、職員たちもどこかのんびりとした雰囲気を醸し出している。
俺はまっすぐ「観光課」と書かれた窓口へ向かった。
「ご用件はなんでしょうか?」
カウンターの向こうから声をかけてきたのは、少し気だるげな表情をした若い女性職員だった。名札には「佐藤」と書かれている。
「あの、観光資源の開発について、ご相談したいことがありまして」
「観光資源……ですか」
佐藤さんは、俺の格好と真剣な顔つきを交互に見て、少しだけ訝しげな表情を浮かべた。まあ、無理もない。この過疎の町で、いきなりそんな相談に来る人間は珍しいだろう。
「はい。実は、実家が所有している山にあるダンジョンを活用して、民宿を経営できないかと考えておりまして」
「……はい?」
佐藤さんの眉が、ピクリと動いた。目が「この人は何を言っているんだろう」と雄弁に物語っている。
「ダンジョンに……民宿、ですか?」
「はい。世界初のダンジョン民宿です」
俺は持参したノートを開き、昨日ダンジョンで見た光景を熱っぽく語り始めた。人懐っこいモンスターたち、天井で輝く光る苔、神秘的な地下の泉。これらを活用すれば、他にないユニークな宿泊施設が作れるはずだと力説した。
最初は完全に引いていた佐藤さんだったが、俺のあまりの熱量に気圧されたのか、あるいは話のバカバカしさに興味が湧いたのか、いつしか腕を組んで真剣な表情で耳を傾けていた。
「……お話は、分かりました。田中さんのご提案が非常にユニークで、町の活性化を願う熱意に溢れていることも伝わりました」
一通り話し終えた俺に、佐藤さんは落ち着いた口調で言った。
「ですが、現実問題として、前例がありません。建築基準法や旅館業法、そして何よりお客様の安全確保など、クリアすべき課題が山積みです。正直なところ、現状では許可を出すのは難しいと言わざるを得ません」
「……ですよね」
分かっていたことだ。
だが、頭ごなしに否定されなかっただけでも、大きな一歩だと言える。
「ただ」と佐藤さんは続けた。
「この町に新しい風が必要なのも事実です。田中さんの言う『ハズレダンジョン』が、本当に観光資源になり得るのか……。もしよろしければ、一度、私の方で視察をさせていただくことは可能でしょうか?」
「え、本当ですか!?」
「ええ。もちろん、視察したからといって、すぐに許可が下りるわけではありませんが。まずは、現状を把握しませんと」
願ってもない提案だった。
俺は何度も頭を下げ、近いうちに日程を調整することを約束して、役場を後にした。
思った以上の手応えに、自然と足取りが軽くなる。
俺は自転車を走らせ、報告がてら再びダンジョンの入り口へと向かった。
「おーい、みんなー! ちょっとだけ前に進んだぞー!」
洞窟に向かって叫ぶと、入り口の影から、ぷるぷると震える青い塊が姿を現した。昨日、俺が最初に撫でたスライムだ。
どうやら、ここで待っていたらしい。
「お、いたのか。いい子だな、お前は」
俺が頭を撫でてやると、スライムは嬉しそうに体を弾ませた。
役場での一件で気分が高揚していた俺は、つい、こんなことを口走ってしまった。
「いっそのこと、うちに来るか? ペットとして」
冗談だった。本当にただの冗談だったのだ。
だが、スライムは俺の言葉を理解したかのように、「ぷるん!」と一声鳴くと、ぴょんぴょんと跳ねて俺の足元にすり寄ってきた。そして、俺が歩き出すと、その後を健気についてくるではないか。
「え、マジで?」
何度か立ち止まったり、角を曲がったりしてみたが、スライムは律儀に後をついてくる。その姿は、まるで初めて主人を見つけた子犬のようだ。
「……分かったよ。お前、今日からうちの子だ」
俺は覚悟を決め、奇妙なペットを連れて実家へと帰った。
家に入ると、スライムは興味深そうにリビングを探検し始めた。そして、俺が驚いたのはその後のことだ。
スライムは、ほこりが溜まった床の上を、ゆっくりと滑り始めた。すると、その半透明の体の中に、面白いようにほこりが吸着されていくではないか。あっという間に、リビングの床は雑巾がけをしたようにピカピカになってしまった。
「お前……もしかして、お掃除ロボットの代わりになるのか?」
俺が問いかけると、スライムは得意げに「ぷるん!」と胸らしき部分を張った。
名前が必要だな。安直だが、今日からお前の名前は「プル」だ。
「よろしくな、プル」
「ぷるるー!」
プルは嬉しそうに俺の足元で跳ねた。
こうして、俺の新しい生活に、奇妙で、しかし驚くほど有能な同居人……いや、同居スライムが加わった。
役場の視察という第一関門、そしてペットスライムのプルという仲間。
少しずつだが確実に、俺の「ダンジョン民宿」計画は現実味を帯び始めていた。
「よし、民宿の名前、そろそろ真剣に考えるか」
プルを撫でながら、俺はノートにいくつかの候補を書き出した。
そして、ふと思いつく。
まずは、この計画を誰かに知ってもらうことから始めてみようか、と。
俺はスマホを取り出し、新しいSNSアカウントを作成した。そして、こう打ち込んだ。
『【世界初?】ダンジョンに民宿作ります【北海道の片田舎より】』
誰が見るかも分からない、小さな呟きだった。
あなたにおすすめの小説
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。
それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。
「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」
『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。
しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。
家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。