恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第15章 予想を超えたクラブ選手権予選開始します

勝利へのバトン!旭日中学、魂の逆転劇!

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中都中学の監督は、なおも審判に抗議していたが、
観客席から「見苦しいぞ!」と冷たい声が飛び、ついに諦めた。

ベンチに戻った監督は、副将・村山と大将・轟木を呼び寄せる。

「想定外が起きたが、まだ勝機はこちらだ。
先鋒と次鋒の印象度、技数の差は大きい。村山、お前は粘れ。
例え負けても技数で有利を保つ。
轟木は、お前の力で一気に蹴散らして勝負を決めろ。」

「了解です。あんなひ弱な相手、俺がすぐ潰しますよ。」

轟木は不敵に笑った。

一方、旭日中学ベンチでは――

影山が繋いだバトンを受け、
恭弥たちの闘志は燃え上がっていた。

月詠は、恭弥と拳をぶつけ合い、一言だけ告げる。

「――勝ってくる。」

月詠が、静かに中央線へ向かう。

「副将戦、始めます!」

主審の声とともに、月詠と村山がフィールドに転送された。

緊張で硬直する村山に対し、月詠は鋭い声で言い放つ。

「勝たせてもらう。完全勝利でな。」

その目には、これまでとは違う、圧倒的な殺気が宿っていた。
村山は、その目に無意識に怯える。

「始め!」

開始直後――
村山が必死に技を放つが、月詠には一切届かない。
逆に、月詠の一撃一撃が正確に村山を打ち据えていく。

気づけば、2分で20発を超える有効打。

そして、試合は強制終了――
村山は、対戦不能と判断され、試合は月詠の圧勝に終わった。

「勝者、旭日中学・高坂!」

主審の宣言が響き渡る。
月詠の勝利により、中都中学の有利は完全に消えた。

戻ってきた月詠は、恭弥にだけ小さく言う。

「お前も、相手を制圧しろ。
ゾリアックなんか使わなくても、できるはずだ。」

「ああ。必ず圧倒する。」

恭弥は強く頷いた。

そこに、凍夜が割り込んでくる。

「恭弥、強気なのはいいが、轟木は去年の全国6位だ。
今の五十嵐以上の化け物だ。
だから――ゾリアックの開放を許可する。ただし、五つだけだ。
最初から全力で行け。」

凍夜から、初めてゾリアック使用許可が下された。
それだけ、轟木が危険だということだ。

(――わかった。絶対に勝つ。)

恭弥は心を引き締め、中央線へ向かう。

「大将戦、旭日中学・綾野、中都中学・轟木!」

主審がコールする。

中央で対峙する恭弥と轟木。

「お前が大将か。秒殺してやるよ、ガキ。」

轟木が嘲るように言うと、
恭弥は静かに返した。

「その言葉――そっくり返してやる。
この一戦、先輩たちの想いを乗せて、俺が締める!」

そして、フィールドへ転送された。

(……ゾリアック、5つ……何を使うか……。)

恭弥は、轟木の間合いを見ながら冷静に考える。
だが、そこに月詠の声が重なった。

『忘れるな。これは、お前だけの戦いじゃない。
みんなの想いが込められた、一戦だ。』

(……そうだ。)

(俺は、みんなに――繋いでもらったんだ。)

(だから、勝つ。絶対に――勝つ!!)

恭弥は、迷いを吹き飛ばした。

「始め!」

主審の合図。

轟木が、怒涛のダッシュで一気に間合いを詰めてくる。

だが――

恭弥は動かない。

轟木が射程に入った瞬間。

「――ゾリアック!」

閃光。

轟木が弾き飛ばされた。

いや――轟木の身体そのものが、消滅した。

一瞬の出来事だった。

静まり返る会場。

誰もが、何が起きたのか理解できなかった。

そして――

「……嘘だろ……あの轟木が……一撃で……。」

「な、なんだったんだ、今の技――!」

「やばすぎる……あの子、すごすぎる……!」

「ちょ、ちょっと好きになっちゃいそう……!」

観客たちのどよめきが爆発する。

中都中学の監督は、膝から崩れ落ちた。

「なぜだ……轟木が……負けるなんて……。」

一方、旭日中学の応援席では――

聖奈が、胸に手を当て、そっと微笑んだ。

(……恭弥、すごい。今のあなた、本当に、誇らしかったよ。)

咲も黙って頷きながら、手元の端末で恭弥の動きを冷静に解析していた。

茜は頬をほんのり染めて、もじもじと袖を握りしめながら言った。

「……あ、あんなの見せられたら、好きになっちゃう子……出てきちゃうよね……。」

そんな中――

「明日、綾野君に……告白、しちゃおうかな?」

前列の女子生徒の、無邪気な一言。

その瞬間――

後ろから、ぎゅっと冷たい視線が降り注いだ。

聖奈は一言も発さず、静かにその女子生徒を見つめていた。 ただ、それだけで――空気が、ピタリと凍る。

咲は横目でそれを見ながら、何も言わずスマホをしまう。

茜は固まっている女子生徒に、困ったように声をかけた。

「え、えっと……ごめんね、今ちょっと……時期が悪かったかも……?」

――そして。

唯一、声を上げたのは、月華だった。

「ごめんね。でも、綾野恭弥は――もう、誰かのものなの。」

その言葉に、女子生徒は思わず息をのんで目を伏せた。

(……そういう空気、あるんだよね。特に今は……。)

応援席は、再び静かな感動と誇りの空気に包まれていた。

バトルフィールドから戻ってきた恭弥は、皆に祝福されながらも、静かに微笑んだ。

だが、次の瞬間――

「両校、再集合!」

主審の声が響き渡った。

旭日中学、まだ戦いは終わっていなかった。

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