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第17章 聖奈の完全敗北と喜べない女子団体優勝
亀裂!言葉は刃より鋭くて――友情と責任の狭間で交わらぬ想い
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豊葦原鷹籠学園中等部との激戦から、すでに10分が過ぎていた。
「お客様にお知らせいたします。決勝戦開始は午後2時を予定しております。」
そう会場内にアナウンスが響き渡る。
「咲、どうする? あと1時間あるよ。軽く何か食べる?」
姫香がそう問いかけると、咲はうなずいた。
「そうね。少しは入れておいた方がいいかも。」
姫香は大きなリュックをがさごそと開けて、簡単な軽食を取り出す。
そのタイミングで、主将の凍夜が立ち上がった。
「みんな、休憩中で悪いが聞いてくれ。綾野の代わりに、中堅は吹田、副将に高坂、大将は姫柊でいく。作戦は朝に話した通りだ。」
「了解です。でも……聖奈は大丈夫かな?」
姫香がそっと声を落とす。
「起きてるなら、せめてベンチに座らせてあげたいな……。」
月華と茜も、それに静かにうなずいた。しかし咲は、首を横に振る。
「……聖奈には、まだ試合を見せない方がいいと思う。けど……絶対に聖奈は、これまで以上に強くなって戻ってくる。私は信じてる。」
咲は言葉に力を込めて言ったあと、吹田に向き直った。
「それより、吹田先輩。相手の中堅、対策はどうですか?」
「大丈夫よ。癖も技の構成も頭に入ってる。ただ……試合でまだ見せてない技だけは、読めないわね。」
そう言ったあと、吹田も逆に咲に尋ねた。
「それより咲。あの空中戦の対策、どうするの?」
「……正直、まだ何とも言えないです。あそこまで高く跳ばれると、吹雪中学の雪月さんみたいにバトルフィールドにある瓦礫を使わないと、届きません。でも今回はステージがランダム形式で、瓦礫があるかどうかも……。」
咲の視線は遠くに泳いでいた。
(アースティア・アスフレア……攻略の糸口がまだ……ない。)
「それでも、私は何とかします。」
咲がそう言い切ると、姫香がそっと声をかける。
「咲、一人で背負い込まないで。大将戦までに私たちが勝ち越せば、それでいいんだから。全員で分け合って、みんなで優勝しようよ。」
そう言いながら、姫香は咲の胸を軽く拳で叩いた。
「咲、一人で犠牲になる必要なんてない。聖奈のように。私たちはもう、独りぼっちにしないよ。六人で、チームだから。」
その言葉に、月華も茜も吹田も深くうなずいた。
「……分かった。頼りにしてる、親友。」
咲も笑いながら、姫香の胸に同じように拳を当てた。
そのときだった。
「みんな、ごめん。負けちゃって。でも、次は絶対に勝つから。」
聞き慣れた声が響いた。
振り向けば、そこには――聖奈が立っていた。
「聖奈さん、身体は大丈夫ですか?」
月華が駆け寄る。
「良かった、ずっと意識が戻らなかったから、本当に心配したんですよ。」
茜もそう言って、そっと聖奈の手を握る。
「ごめんね。心配かけて。でも、もう平気。それより咲、作戦はどうなってる?」
聖奈が尋ねると、姫香が割り込んできた。
「聖奈、試合に出るつもりなの?」
「もちろんよ。私はこのチームの大将なんだから。もう、あんな過ちは繰り返さない。咲、相手の情報を……」
聖奈が咲に近づこうとしたその瞬間――咲の口から、冷たい言葉が放たれた。
「聖奈、もう今のあなたに……居場所なんてこのチームにはないわ。」
その一言で、空気が凍る。
「あなたは、無様に負けたのよ。戦う意思を見せられなかった人に、この決勝に出る資格なんてない。もう作戦は、あなた抜きで決まってるの。邪魔しないで。」
「咲さん、それは言いすぎです!」
「そうですよ、言い方ってものが……」
月華と茜がすぐさま声をあげたが、姫香が静かに二人を制した。
「……確かに、私は不甲斐なかった。でも、あれは仕組まれたものだったの。私は罠に嵌められて……それでも、何としても挽回したいのよ。私はこのチームの要として、責任がある。だから……咲、お願い……」
「だったら、なおさら出なくていい。」
咲の言葉は、鋭く突き刺さった。
「罠に嵌った? 挽回? 不用心だったあなただから、起こったことよ。“責任”なんて言葉を使う前に、ちゃんと皆に言った? プレッシャーに負けて、怖くて戦えませんでしたって。怖くて、震えてただけなんでしょう?」
聖奈の目が見開かれる。
「……怖かったよ。でも、そんなこと言ったらチームの士気が下がるでしょ。私は、大将として……チームのことを考えて判断したつもりよ。何が悪いの?」
「本気で言っているの?私たちを信じていなかったってこと?」
姫香が、今度は悲しそうに呟いた。
「私たちって、そんなに頼りなかった? 聖奈にとって、私たちは“足手まとい”だったの?」
「……ちがう。違うよ姫香。私は……」
聖奈は必死に言葉を探すが、姫香は視線を逸らした。
月華も、茜も、吹田も――誰も聖奈と目を合わせようとはしなかった。
「違うのに……私は大将だから……負けられなかっただけで……みんなのことを、そんなふうに見てない……見てないよ……!」
そのとき、吹田がゆっくりと口を開いた――
「お客様にお知らせいたします。決勝戦開始は午後2時を予定しております。」
そう会場内にアナウンスが響き渡る。
「咲、どうする? あと1時間あるよ。軽く何か食べる?」
姫香がそう問いかけると、咲はうなずいた。
「そうね。少しは入れておいた方がいいかも。」
姫香は大きなリュックをがさごそと開けて、簡単な軽食を取り出す。
そのタイミングで、主将の凍夜が立ち上がった。
「みんな、休憩中で悪いが聞いてくれ。綾野の代わりに、中堅は吹田、副将に高坂、大将は姫柊でいく。作戦は朝に話した通りだ。」
「了解です。でも……聖奈は大丈夫かな?」
姫香がそっと声を落とす。
「起きてるなら、せめてベンチに座らせてあげたいな……。」
月華と茜も、それに静かにうなずいた。しかし咲は、首を横に振る。
「……聖奈には、まだ試合を見せない方がいいと思う。けど……絶対に聖奈は、これまで以上に強くなって戻ってくる。私は信じてる。」
咲は言葉に力を込めて言ったあと、吹田に向き直った。
「それより、吹田先輩。相手の中堅、対策はどうですか?」
「大丈夫よ。癖も技の構成も頭に入ってる。ただ……試合でまだ見せてない技だけは、読めないわね。」
そう言ったあと、吹田も逆に咲に尋ねた。
「それより咲。あの空中戦の対策、どうするの?」
「……正直、まだ何とも言えないです。あそこまで高く跳ばれると、吹雪中学の雪月さんみたいにバトルフィールドにある瓦礫を使わないと、届きません。でも今回はステージがランダム形式で、瓦礫があるかどうかも……。」
咲の視線は遠くに泳いでいた。
(アースティア・アスフレア……攻略の糸口がまだ……ない。)
「それでも、私は何とかします。」
咲がそう言い切ると、姫香がそっと声をかける。
「咲、一人で背負い込まないで。大将戦までに私たちが勝ち越せば、それでいいんだから。全員で分け合って、みんなで優勝しようよ。」
そう言いながら、姫香は咲の胸を軽く拳で叩いた。
「咲、一人で犠牲になる必要なんてない。聖奈のように。私たちはもう、独りぼっちにしないよ。六人で、チームだから。」
その言葉に、月華も茜も吹田も深くうなずいた。
「……分かった。頼りにしてる、親友。」
咲も笑いながら、姫香の胸に同じように拳を当てた。
そのときだった。
「みんな、ごめん。負けちゃって。でも、次は絶対に勝つから。」
聞き慣れた声が響いた。
振り向けば、そこには――聖奈が立っていた。
「聖奈さん、身体は大丈夫ですか?」
月華が駆け寄る。
「良かった、ずっと意識が戻らなかったから、本当に心配したんですよ。」
茜もそう言って、そっと聖奈の手を握る。
「ごめんね。心配かけて。でも、もう平気。それより咲、作戦はどうなってる?」
聖奈が尋ねると、姫香が割り込んできた。
「聖奈、試合に出るつもりなの?」
「もちろんよ。私はこのチームの大将なんだから。もう、あんな過ちは繰り返さない。咲、相手の情報を……」
聖奈が咲に近づこうとしたその瞬間――咲の口から、冷たい言葉が放たれた。
「聖奈、もう今のあなたに……居場所なんてこのチームにはないわ。」
その一言で、空気が凍る。
「あなたは、無様に負けたのよ。戦う意思を見せられなかった人に、この決勝に出る資格なんてない。もう作戦は、あなた抜きで決まってるの。邪魔しないで。」
「咲さん、それは言いすぎです!」
「そうですよ、言い方ってものが……」
月華と茜がすぐさま声をあげたが、姫香が静かに二人を制した。
「……確かに、私は不甲斐なかった。でも、あれは仕組まれたものだったの。私は罠に嵌められて……それでも、何としても挽回したいのよ。私はこのチームの要として、責任がある。だから……咲、お願い……」
「だったら、なおさら出なくていい。」
咲の言葉は、鋭く突き刺さった。
「罠に嵌った? 挽回? 不用心だったあなただから、起こったことよ。“責任”なんて言葉を使う前に、ちゃんと皆に言った? プレッシャーに負けて、怖くて戦えませんでしたって。怖くて、震えてただけなんでしょう?」
聖奈の目が見開かれる。
「……怖かったよ。でも、そんなこと言ったらチームの士気が下がるでしょ。私は、大将として……チームのことを考えて判断したつもりよ。何が悪いの?」
「本気で言っているの?私たちを信じていなかったってこと?」
姫香が、今度は悲しそうに呟いた。
「私たちって、そんなに頼りなかった? 聖奈にとって、私たちは“足手まとい”だったの?」
「……ちがう。違うよ姫香。私は……」
聖奈は必死に言葉を探すが、姫香は視線を逸らした。
月華も、茜も、吹田も――誰も聖奈と目を合わせようとはしなかった。
「違うのに……私は大将だから……負けられなかっただけで……みんなのことを、そんなふうに見てない……見てないよ……!」
そのとき、吹田がゆっくりと口を開いた――
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