恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第19章 新たなる力ー―しゃべる刀は無限の可能性!

姫香、飛ぶ!避ける!叫ぶ!聖奈、どこまでも本気!――姫香は訴えたい(物理的にも精神的にも)。

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聖奈は静かに微笑みながら、一歩、また一歩と姫香に迫っていった。踏み込みの鋭さはこれまでの比ではなく、その迫力に姫香は思わず身構えた。最初はためらいもあったが、迫る聖奈の圧に触れた瞬間、姫香の中で迷いは霧散した。

「ちょ、ちょっと、聖奈!? これ、強化設定おかしくない!? レベル超えてるでしょコレ、絶対間違えてるって!」

聖奈の一撃を辛うじてかわしながら、姫香は驚愕の声を上げた。間違いなく――これまでの聖奈とは桁が違う。姫香の心の中に、思わずざわつく疑念が湧き上がる。

(こんなに強い聖奈が、どうして昨日負けたのよ……。一体どれだけの相手と戦って、どれだけ成長してきたの!? もしかして……咲って、このさらに上なの!?)

本能が危機を察知し、姫香の身体が熱を帯びていく。スピードが増し、五倍強化された身体能力が限界まで引き上げられると、流石の聖奈も押され気味になり始めた。

「おりゃおりゃおりゃあぁぁっ! 私が今、風になるぅぅぅっ!」

(咲の速さは……これの十倍。でも、それでも私は追いつく。咲に勝つにはスピードだけじゃない。空を飛ぶ咲への迎撃力、そして未完成の“あの技”を完成させるしかない……!)

聖奈の瞳が鋭さを増す。次の瞬間、息を呑むような鋭い構えとともに声が飛んだ。

「そこ、暁――『バニッシュ・ディメンション』ッ!」

恭弥が得意とする遠距離破壊技を再現するように、聖奈の一太刀が空間を引き裂いた。姫香の足元がぐにゃりと歪み、次の瞬間には周囲の空間ごと爆ぜ飛ぶ。

「えっ、ちょ、うそ、死ぬ!? これ本気で消し飛ぶやつじゃない!?」

ギリギリで飛び退いた姫香が叫ぶ。目を丸くしながらも、必死に息を整える。

「だ、大丈夫だよ姫香。ここ、バーチャル空間だからね。ちょっと痛いだけ。……ちょっとね。」

聖奈の笑顔に、姫香は顔を青ざめさせた。

「“ちょっと”ってどのくらいよおおおぉぉぉ!? 私の痛覚ナメないでよ! 中の人、絶対泣くからねコレ!」

姫香は涙目で絶叫しながらも反撃に転じる。

「もう容赦しないからね! ――水結晶・螺旋円斬!」

透明な水の鎌が螺旋を描き、音速で聖奈へ襲いかかる。避けるか、受けるか、聖奈の判断は……。

(薙ぎ払う!)

『主、我で叩き落せ。攻撃の次の一手を、最速で放てます。』

暁の囁きに従い、聖奈は力強く一閃。螺旋の鎌を打ち払い、その反動を活かして次の技へ移行する。

「エクステンションボイド・エクスプロージョン!」

彼女の周囲の空間が一気に拡張され、異次元の波動が炸裂。姫香の周囲で爆発が連続して起こり、光と熱が渦巻く。

「ひゃぁぁぁぁあああ!! ちょ、髪燃えたらどうすんのよ!? 大会中よ!? 美容室予約してないのにぃぃ!!」

可愛らしくも必死な悲鳴が響き渡る。姫香はすぐに体勢を立て直すが、その瞬間――聖奈は更に追い打ちをかける。

「暁、追撃開始! 連撃式――『クロス・リープ』!」

二重の斬撃が交差しながら、姫香の左右から襲いかかる。姫香は両手で斬撃を受け流しながら叫んだ。

「ちょ、ちょっと待って聖奈!? 休憩タイムは!? ほら、水分補給とか! 大事だよ!?」

「大丈夫、水はさっきの水結晶で補給済みでしょ?」

「それ飲めるタイプじゃないよ!? 見た目武器でしょあれ完全に!!」

姫香の叫びをよそに、聖奈は滑らかに距離を詰め――斬。

(本気だ、聖奈……これまでと全然違う。ただ刀を変えただけで……いや、それ以上に、心も変わった。これが、本当の“朱星光月暁”の力――そして、聖奈自身の進化なのね……)

姫香は息を荒げながらも、口元に意志を宿すような微笑みを浮かべた。

(でも、咲は……この上を行く? 本当に、あの二人がぶつかったら――どうなっちゃうのよ!?)

戦いの火花は止むことなく散り続けていた。

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