恋も剣も本気です!青春剣士たちのラブ・グラディエーション ~気が付くとは~れむ状態!?~

てんちょう

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第22章 天空の本当の素顔と聖奈の覚醒

誘惑の幻海――風と嫉妬が堕ちる時

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恭弥は本来の特訓に戻った。しかし、またしても天空が恭弥に話しかけてきた。

 『主はなぜ、無駄なことをやろうとしている?その技の改良に何の意味がある?』

その姿は女子なら誰もが振り返る超絶美形男子。整った顔立ちに、引き締まった肉体、包容力のある逆三角形の背中まで、全てが絵に描いたような完璧さだった。

天空は小さく指を鳴らした。

『こんな殺風景な場では、心も技も育たぬ。我が選んだ場所で、特訓といこう。』

ふと、場の空気が変わる。意識が滑るように切り替わり、恭弥たちは幻想世界の砂浜に立っていた。潮風が香り、穏やかな波音が耳をくすぐる。そこは、まるで夢のような場所だった。

すると更衣室から聖奈、咲、愛奈が出てきた。
その天空が、海辺風の幻想世界にふと現れた三人の少女へと視線を向ける。

まず、咲。
黒のスポーティーなビキニが、彼女のスレンダーな体を引き立てていた。波打つような砂浜の光を浴び、長い脚と引き締まったくびれが柔らかく輝いている。繊細な動きと凛とした目元が、まさに風の精霊のような美しさをまとっていた。

(なに、この人……見たことないくらい、綺麗……でも、なんで私なんかに……? 胸が、こんなに苦しい……)

天空はまっすぐ咲へと歩み寄り、その足元で風が優雅に舞うように佇んだ。

 『咲殿……この世にこんなに滑らかな美しさが存在するとは。我の眼が、刃の舞いに魅せられたようだ。』

驚いたように目を見開いた咲は、思わず数歩後ずさったが、天空はその細い手を優しく取り、彼女の体を引き寄せた。

(やだ、近い……肌、熱い……このままだと、私……! ドキドキが止まらない……!)

 『貴女の動き、たとえ剣であっても、我は喜んで切られましょう。その一太刀で、我の心ごと射抜いていただきたい。』

咲の頬が一気に染まり、困惑のまま目を逸らす。だが、天空はその顔を包むように手を添えると、耳元に甘くささやいた。

 『風のごとく駆ける貴女も、こうして触れれば……なんと優しく、温もりがある。まるで、春のそよ風のように。』

その瞬間、咲の身体がぴたりと止まり、指先が触れた胸元に、熱が宿るのを感じた。

 「……ちょ、ちょっと今、触った……? わざと……なの?」

(心臓の音、聞こえそう……ダメ、なんで……こんなに意識しちゃうの……?)

抗議の言葉も霞み、咲は思わず腕で自分を抱くように覆うが、その仕草さえ天空には愛らしく映った。

 『その動きすらも美しい。もし許されるのならば、我が咲殿を護り、咲殿だけを見つめる騎士となろう。』

(言葉だけじゃない……目が、熱くて……吸い込まれそう……こんなの、私……)

咲の唇がわずかに震え、息が止まる。そして、ふと天空と目が合った瞬間、彼女は何かに落ちたように、ゆっくりとその視線を逸らせなくなっていた。

(やばい……今の、私……どうなってるの……? もっと、近くに……このまま……)

(……もう、どうしていいか、わからない。こんな気持ち……知らなかった。)

咲の視線は自然と天空の唇へと向かい、無意識のまま一歩、また一歩と近づいていった。

その距離は、もう恋人同士のそれだった。

 「……こんなのおかしいのに、でも……」

微かに震えた声のまま、咲はそっと目を閉じる。

彼女は今、自ら天空の腕の中へと飛び込もうとしていた。

そして天空が次に狙ったのは、愛奈だった。

エスプレッソブラウンのツインテールが軽やかに揺れ、視線を引き寄せる。

本来ならば、彼女だけはこの手の甘言には惑わされないと思われていた。何せ、彼女は嫉妬の神。その誇りと意志の強さは誰もが認めるものだった。

しかし、幻想の中で人間の姿に擬態していた愛奈の前に天空が現れたとき――すべてが変わった。

彼女が恭弥を悩殺するために選んだ、絶妙なラインをアピールするビキニ。咲よりもふっくら、聖奈よりも控えめな柔らかさをまとい、あどけない顔立ちとツインテールの髪が相まって、まさに理想の“抱き心地”を体現していた。

天空は、彼女を一瞥するなり声を低く落として囁いた。

 『……この世に、これほどまでに絶妙な美があるとは。愛奈殿、貴女は神でありながら、誰よりも女神だ。』

「……ふ、ふざけないで。私がそんな言葉に……」

頬を染め、視線を逸らす愛奈。その瞳にはまだ抗う意思があった。

(こんなの、惑わされるはずない……私は、恭弥のことを……!)

天空はさらに一歩踏み出すと、彼女の顎に指を添え、ぐっと顔を近づけた。

 『その瞳、震える声、すべてが……我の理性を焼き尽くす。』

(やめて、そんな瞳で見ないで……心が、持っていかれそう……)

彼の手がそっと彼女の肩へ触れ、次に背中へと滑っていく。

 『恭弥殿も素晴らしい男だ。だが、我は貴女のすべてを見ている。心も、体も、未来さえも。』

愛奈は反射的に恭弥の姿を思い浮かべた。

(恭弥は……優しくて、まっすぐで……でも、でも……今の私は……)

天空はさらに囁いた。

 『どうか、感じてほしい。貴女の胸が高鳴る理由を。我の声で、手で、唇で……』

愛奈の心臓が跳ね、身体が震えた。彼の手が、そっと彼女の腰へと触れたとき、思わず息を呑んだ。

(ダメ……ダメなのに……身体が……)

 『愛奈殿。もし、我が手を取ってくれるなら、決して寂しさなど感じさせぬと約束しよう。』

「や、やめて……そんな顔で、そんな声で言わないで……私……混乱する……」

その言葉とは裏腹に、愛奈はそっと天空の胸元に身を預け始めていた。

(恭弥、ごめん……でも、もう……この人の腕の中が、あたしの居場所なの……)

その心は、完全に傾いていた。

天空は愛奈の髪を指ですくい、その顔に触れながら、唇が触れる寸前まで迫った。

(ダメ……ダメなのに、どうして……こんなに、苦しいほど惹かれるの……)

(もう、恭弥じゃ足りない……私には、天空様じゃなきゃダメ……)

彼女の意識の中で、かつての誓いはゆっくりとほどけていった。

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