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3章 酸漿 藤のバースデー
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「着いたー!」
電車に乗って動物園にやって来た。休日ということもあり人が大勢いる。さすが動物園。
「藍ちゃん気合い入ってるねー。」
「……今からそんなに飛ばして大丈夫か?」
今日は藤さんと福寿さんと私の三人でやって来た。他の皆さんも誘ってみたがそれぞれ用事があったりなかったりしたので、予定が合った三人で来たのだ。
山吹さんはやらなければならない事があって来れず、桃さんは元々道場に行く予定だったので来れず、柊木さんは昼寝する用事で来なかった。
「まず何から見ますか?」
「そうだねぇ……」
「……虎。」
珍しく福寿さんが意見を出した。それも少し目をキラキラさせている。とても珍しい。
「じゃあ虎見に行こー。」
行先は決まった。
虎のところに来るまでにも動物はいる。その動物達を見ながら虎がいる場所まで来た。
そこには二匹の黄色い虎と、一匹の白い虎がいた。提案した福寿さんはというと白い虎の方が気になるようだ。じっと見つめている。
白い虎はぐでんと寝っ転がって昼寝をしていて、こう見るとなんか可愛い。安心しきっているのが分かる。これがあにまるせらぴーか、と感心していると、
「……お前はすごいな。」
ぽつり。隣から聞こえてきた。悲しそうな声色。視線を白虎から福寿さんへと動かすと、いつもよりも眉間に皺を寄せながら虎を見る福寿さんが。一体何を考え、そんな表情を浮かべているのか。なんとなく気になった。
「福寿、さん……?」
私の声に反応してこちらを向いてくれる。その目はどこか苦しそう。
「……こいつは……他とは違くても、堂々としている。すごいよな。……それに比べて俺は……」
右手で長い前髪をくしゃりと握りしめる。とても苦しそうな、悲しそうなその表情。
「福寿さん……」
「……俺のこの髪の毛……銀色だろ?」
「はい。とても綺麗ですよね。」
今日は晴れなので太陽の光が当たって輝いているその髪。私の白髪はただただ気持ち悪いだけであるが、福寿さんのそれはキラキラしていてとても綺麗。風でふわりと浮かぶ自分の黒髪を見てより一層そう思う。
「……ありがとうな。」
苦しそうだった表情がふっと和らいだのが分かった。ありがとうと言われたが、何か言っただろうか。ただ感想を喋っただけなのだが……。
「もー、椿は気にしすぎだってー。アプリオリなんだから気にしたって仕方ないでしょー?」
「……そうだが……しかし……」
「俺達に『普通』なんて言葉は似合わないんだから、気にしたら負けだよ?」
「……。」
……ん? あぷりおり?
初めて聞いた言葉に、私の頭の上にハテナが浮かぶ。
「俺だってあれ以来目が紫色になったし、仲間でしょー。なんで毎回同じことで悩んでんのさ。解決することなんてないんだから考えるだけ無駄無駄。」
……そういえば藤さんって元々は黒目だったって言ってたっけ。あの時は気にならなかったけど、改めて考えると私との相違点が浮き彫りになる。
藤さんの目の色は後天的なものらしいが、私の目と髪の色は『生まれつき』だ。途中で変化したものでは無い。
「……。」
「開き直りなよ、そろそろ。くよくようじうじしてんのずっと見ているとウザったいよ? 龍彦さんも似たようなこと言ってたでしょ?」
「……。」
「もー、ごめんね藍ちゃん。椿ったら小さい頃からエートスのことでくよくようじうじしてんだよ。ウザったいでしょ?」
「いえ。そんなことはありませんよ。私だってくよくようじうじしてますから。」
エートスとか目の色とか髪の色とかでずっと悩んでいるからね。
目の色はエートス故だということは分かったが、髪の色の謎は解決していないのだ。それでくよくようじうじしてる。人のことああだこうだ言えない。
「そう? でもあんまり気にしすぎてもいいことないから藍ちゃんも程々にねー?」
「はい。そうします。」
「椿も!」
「……ああ。」
「よし! 暗い話終わり! 今日は楽しむために来たんでしょ? 楽しもうよ。」
「ですね。」
「……ああ。」
そうだ、今日は楽しむために来たんだ。そのためにはまず私が率先して楽しまなければ!
……言い訳をするのならば、初めて来た動物園に浮かれているわけではないからね! と言いたい。
「ふぉぉぉぉぉぉおお!! これは……!!」
変な声が出てしまった。しかし仕方のないことだろう。この状況を見れば誰でもこうなると思います!
今の状況はというと、簡易椅子に座った私の膝の上にうさぎが座っているのだ。
膝の上のうさぎの頭を撫でると、うさぎは目を閉じて気持ちよさそうに鼻をひくつかせる。はわわわわ、なんて可愛いのだ! これはうさぎに『さん』付けで呼ばなければならないほどではないか!
「藍ちゃんの目がキラキラしてる。」
「……兎……!」
藤さんも福寿さんも膝にうさぎさんを乗せて撫でている。藤さんはいつも通りで、福寿さんは目をキラキラさせてうさぎさんを撫でている。
「あ、椿もキラキラしてる。珍しー。……珍しいっていうか初めて見たかも。」
「……そうだったか?」
「皆よりも長く一緒にいたのにねー。」
「……? 藤さんと福寿さんって花学で出会ったのではないんですか?」
二人の話を聞いていると、花学で知り合ったようには聞こえない。今まで音霧の皆さんは花学に通いだしてから知り合ったのかと思っていたが、二人はそうではないのだろうか。
「うん。俺達同じ人に引き取られてね。俺はあの事件の後引き取られたから、五年くらい前から椿のことは知ってるね。引き取ってくれたのは龍彦さん……花学の学園長って言えば分かるかな?」
「ああ! 杜若学園長ですね! 花学に来た日にお会いしました。とても優しそうな方ですよね。」
自己紹介してもらった時に杜若 龍彦と名乗っていたのを思い出す。
「そうそう、優しいよ。で、椿は俺が来るもっと前からいたんだよね。ええと、いつからだっけ?」
「……十年は前だと思う。あの後すぐに引き取られたから。」
あの後、ということは福寿さんにも何かあったのだろうか。
「ああ、あの子だっけか?」
「あの子?」
「そうそう。ええと……『あーちゃん』だっけ?」
「……ああ。公園で会ったんだ。その子と会えなくなってからすぐに引き取られた。」
私の目を初めて見た時にも聞いたあーちゃんという渾名。福寿さんにとってとても大事な人だったのだろう。
「そうなんですね。ちなみにどんな子だったんですか?」
あーちゃんさんのことを話す福寿さんの雰囲気がふわっと柔らかくなった。辛くないことなら少しくらい聞いてもいいよね。
「……白い髪で灰色の目をしてて、笑った顔がぎこちない女の子。」
「っ……!?」
白髪灰色目って……私!? いやいやいや! 私小さい頃の福寿さんとか知らないし! 桜鼠色の目の男の子なんて知らないよ! ということは私ではない? いやでも私以外で白髪灰色目の人間を探すの難しくない!?
「あれ? 藍ちゃん何にびっくりしてんの? まさか白髪灰色目の子知ってるの?」
「いえ、知りません。」
私以外では。
私の頭の中には全くそのような記憶はないから私ではない……はず。多分。
「……そうか。」
しょんぼりと肩を落とす福寿さん。もし私だったのなら覚えていなくてすみませんと言ってもいいかもしれないが、確証がないのにベラベラ喋っていいものでは無いと思うので黙っておく。あまりこの白髪を知られたくはないし。
「もし何か知っていたら椿に教えてやってよ。ずっと探し続けているんだ。」
「……ああ。あーちゃんと会っていた公園で待ってみたり、その周辺を探してみたりしている。」
「そ、そうなんですか……」
「……何か情報を掴んだら教えてくれ。」
「分かりました。」
私も少し周りに目を向けてみようと思った。
電車に乗って動物園にやって来た。休日ということもあり人が大勢いる。さすが動物園。
「藍ちゃん気合い入ってるねー。」
「……今からそんなに飛ばして大丈夫か?」
今日は藤さんと福寿さんと私の三人でやって来た。他の皆さんも誘ってみたがそれぞれ用事があったりなかったりしたので、予定が合った三人で来たのだ。
山吹さんはやらなければならない事があって来れず、桃さんは元々道場に行く予定だったので来れず、柊木さんは昼寝する用事で来なかった。
「まず何から見ますか?」
「そうだねぇ……」
「……虎。」
珍しく福寿さんが意見を出した。それも少し目をキラキラさせている。とても珍しい。
「じゃあ虎見に行こー。」
行先は決まった。
虎のところに来るまでにも動物はいる。その動物達を見ながら虎がいる場所まで来た。
そこには二匹の黄色い虎と、一匹の白い虎がいた。提案した福寿さんはというと白い虎の方が気になるようだ。じっと見つめている。
白い虎はぐでんと寝っ転がって昼寝をしていて、こう見るとなんか可愛い。安心しきっているのが分かる。これがあにまるせらぴーか、と感心していると、
「……お前はすごいな。」
ぽつり。隣から聞こえてきた。悲しそうな声色。視線を白虎から福寿さんへと動かすと、いつもよりも眉間に皺を寄せながら虎を見る福寿さんが。一体何を考え、そんな表情を浮かべているのか。なんとなく気になった。
「福寿、さん……?」
私の声に反応してこちらを向いてくれる。その目はどこか苦しそう。
「……こいつは……他とは違くても、堂々としている。すごいよな。……それに比べて俺は……」
右手で長い前髪をくしゃりと握りしめる。とても苦しそうな、悲しそうなその表情。
「福寿さん……」
「……俺のこの髪の毛……銀色だろ?」
「はい。とても綺麗ですよね。」
今日は晴れなので太陽の光が当たって輝いているその髪。私の白髪はただただ気持ち悪いだけであるが、福寿さんのそれはキラキラしていてとても綺麗。風でふわりと浮かぶ自分の黒髪を見てより一層そう思う。
「……ありがとうな。」
苦しそうだった表情がふっと和らいだのが分かった。ありがとうと言われたが、何か言っただろうか。ただ感想を喋っただけなのだが……。
「もー、椿は気にしすぎだってー。アプリオリなんだから気にしたって仕方ないでしょー?」
「……そうだが……しかし……」
「俺達に『普通』なんて言葉は似合わないんだから、気にしたら負けだよ?」
「……。」
……ん? あぷりおり?
初めて聞いた言葉に、私の頭の上にハテナが浮かぶ。
「俺だってあれ以来目が紫色になったし、仲間でしょー。なんで毎回同じことで悩んでんのさ。解決することなんてないんだから考えるだけ無駄無駄。」
……そういえば藤さんって元々は黒目だったって言ってたっけ。あの時は気にならなかったけど、改めて考えると私との相違点が浮き彫りになる。
藤さんの目の色は後天的なものらしいが、私の目と髪の色は『生まれつき』だ。途中で変化したものでは無い。
「……。」
「開き直りなよ、そろそろ。くよくようじうじしてんのずっと見ているとウザったいよ? 龍彦さんも似たようなこと言ってたでしょ?」
「……。」
「もー、ごめんね藍ちゃん。椿ったら小さい頃からエートスのことでくよくようじうじしてんだよ。ウザったいでしょ?」
「いえ。そんなことはありませんよ。私だってくよくようじうじしてますから。」
エートスとか目の色とか髪の色とかでずっと悩んでいるからね。
目の色はエートス故だということは分かったが、髪の色の謎は解決していないのだ。それでくよくようじうじしてる。人のことああだこうだ言えない。
「そう? でもあんまり気にしすぎてもいいことないから藍ちゃんも程々にねー?」
「はい。そうします。」
「椿も!」
「……ああ。」
「よし! 暗い話終わり! 今日は楽しむために来たんでしょ? 楽しもうよ。」
「ですね。」
「……ああ。」
そうだ、今日は楽しむために来たんだ。そのためにはまず私が率先して楽しまなければ!
……言い訳をするのならば、初めて来た動物園に浮かれているわけではないからね! と言いたい。
「ふぉぉぉぉぉぉおお!! これは……!!」
変な声が出てしまった。しかし仕方のないことだろう。この状況を見れば誰でもこうなると思います!
今の状況はというと、簡易椅子に座った私の膝の上にうさぎが座っているのだ。
膝の上のうさぎの頭を撫でると、うさぎは目を閉じて気持ちよさそうに鼻をひくつかせる。はわわわわ、なんて可愛いのだ! これはうさぎに『さん』付けで呼ばなければならないほどではないか!
「藍ちゃんの目がキラキラしてる。」
「……兎……!」
藤さんも福寿さんも膝にうさぎさんを乗せて撫でている。藤さんはいつも通りで、福寿さんは目をキラキラさせてうさぎさんを撫でている。
「あ、椿もキラキラしてる。珍しー。……珍しいっていうか初めて見たかも。」
「……そうだったか?」
「皆よりも長く一緒にいたのにねー。」
「……? 藤さんと福寿さんって花学で出会ったのではないんですか?」
二人の話を聞いていると、花学で知り合ったようには聞こえない。今まで音霧の皆さんは花学に通いだしてから知り合ったのかと思っていたが、二人はそうではないのだろうか。
「うん。俺達同じ人に引き取られてね。俺はあの事件の後引き取られたから、五年くらい前から椿のことは知ってるね。引き取ってくれたのは龍彦さん……花学の学園長って言えば分かるかな?」
「ああ! 杜若学園長ですね! 花学に来た日にお会いしました。とても優しそうな方ですよね。」
自己紹介してもらった時に杜若 龍彦と名乗っていたのを思い出す。
「そうそう、優しいよ。で、椿は俺が来るもっと前からいたんだよね。ええと、いつからだっけ?」
「……十年は前だと思う。あの後すぐに引き取られたから。」
あの後、ということは福寿さんにも何かあったのだろうか。
「ああ、あの子だっけか?」
「あの子?」
「そうそう。ええと……『あーちゃん』だっけ?」
「……ああ。公園で会ったんだ。その子と会えなくなってからすぐに引き取られた。」
私の目を初めて見た時にも聞いたあーちゃんという渾名。福寿さんにとってとても大事な人だったのだろう。
「そうなんですね。ちなみにどんな子だったんですか?」
あーちゃんさんのことを話す福寿さんの雰囲気がふわっと柔らかくなった。辛くないことなら少しくらい聞いてもいいよね。
「……白い髪で灰色の目をしてて、笑った顔がぎこちない女の子。」
「っ……!?」
白髪灰色目って……私!? いやいやいや! 私小さい頃の福寿さんとか知らないし! 桜鼠色の目の男の子なんて知らないよ! ということは私ではない? いやでも私以外で白髪灰色目の人間を探すの難しくない!?
「あれ? 藍ちゃん何にびっくりしてんの? まさか白髪灰色目の子知ってるの?」
「いえ、知りません。」
私以外では。
私の頭の中には全くそのような記憶はないから私ではない……はず。多分。
「……そうか。」
しょんぼりと肩を落とす福寿さん。もし私だったのなら覚えていなくてすみませんと言ってもいいかもしれないが、確証がないのにベラベラ喋っていいものでは無いと思うので黙っておく。あまりこの白髪を知られたくはないし。
「もし何か知っていたら椿に教えてやってよ。ずっと探し続けているんだ。」
「……ああ。あーちゃんと会っていた公園で待ってみたり、その周辺を探してみたりしている。」
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