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番外編(続)
3 不憫
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藤side
「藍さん、何かあったんですか?」
「本を返してまた借りてこようかと思って。」
「へぇ……」
そう言って竜胆は考え込むフリをしながらこっちに目線を合わせてきた。その目は雄弁に語っていた。
『私も藍さんに付き添うので先に帰っててください。くれぐれも邪魔しないでくださいよ? 特に茜や椿には何も言わないでくださいね? お願いしますよ?』
……と。
うわぁ、念を押されたよ。竜胆必死すぎ。思わず笑っちゃったよね。
「あー、はいはい。じゃあ先帰ってるねー。皆にも言っとくから。」
人の恋路を邪魔するやつは何とやら。邪魔する気は微塵もないからねー。
と、教室を出てきたはいいが……どうやって茜を振り切ろうか。椿の能力は嘘看破じゃないって分かったからどうにかなるっしょ。問題は茜だ。考えねば。
茜は勘もいいし何より未来を見ることが出来る。藍ちゃんが帰ってきた部分の未来を見れば、自ずと二人がどこに行ったかも分かってしまう。
茜にバレたら必然的に椿にもバレるし、何故隠したと俺が怒られそうだし、二人が藍ちゃん達の元へ行ってしまえば今度は竜胆に何言われるか分からない。
うわー、板挟みとか辛いんだけど。俺超不憫。可哀想。
……まあ、藍ちゃんも可哀想かもね。めんどくさい人間達に好かれちゃったもの。
未来を見る力を持つ人間、過去を見る力を持つ人間、何かあれば周りが血の海になってしまえる力を持つ人間。
どう転んでも大変じゃん。
藍ちゃんご愁傷様。なむなむ。一応拝んどく。
……あ、まあ、藍ちゃんが好きなら別にいいんだけどね。
「藍とりんはどしたや。」
会った瞬間に茜は俺に聞いてきた。よし、さっき考えた設定を……
「あー、学級委員の仕事を藍ちゃんが手伝ってる感じだったかな。」
「ふーん。よし、じゃあ邪魔しに行こうぜ!」
結局こうなるんだよね。嘘だけど。うん。俺一人の力は小さかった。無念。
「……酸漿、何故嘘をつく?」
……あれ、椿の能力って切裂だよね? なんで嘘だって分かったの?
冷や汗が吹き出る。
「あ? 嘘だったのかよ。ふーん?」
あれ、なんで俺がこんな胃をキリキリさせて冷や汗ダラダラかいてるんだろう。俺、何も悪いことしてないよね? 最近の行動を振り返っても悪いことはしてないはず。悪いこと……チョコを食べ過ぎた、とかかな。うん、それくらいしか思いつかないや。
なら何故こうも不憫な目に遭っているんだろう。本当不思議。
「まあいいや。どうせりんがどうのこうの言ったんだろ?」
「まあね。」
「よし、じゃあ図書館に行くか。」
はい、俺の頑張りは無になりました。ちゃんちゃん。もうどうにでもなればいいや。
と、投げやりになってしまったところでハッと気がついた。竜胆に何か言われても話半分くらいに聞いておけばいいんだ、と。
何故今まで馬鹿正直に言うことを聞いてきたんだろー。俺は真面目だったのか! と、その後少しの間ずっと考えていたのだった。
「藍さん、何かあったんですか?」
「本を返してまた借りてこようかと思って。」
「へぇ……」
そう言って竜胆は考え込むフリをしながらこっちに目線を合わせてきた。その目は雄弁に語っていた。
『私も藍さんに付き添うので先に帰っててください。くれぐれも邪魔しないでくださいよ? 特に茜や椿には何も言わないでくださいね? お願いしますよ?』
……と。
うわぁ、念を押されたよ。竜胆必死すぎ。思わず笑っちゃったよね。
「あー、はいはい。じゃあ先帰ってるねー。皆にも言っとくから。」
人の恋路を邪魔するやつは何とやら。邪魔する気は微塵もないからねー。
と、教室を出てきたはいいが……どうやって茜を振り切ろうか。椿の能力は嘘看破じゃないって分かったからどうにかなるっしょ。問題は茜だ。考えねば。
茜は勘もいいし何より未来を見ることが出来る。藍ちゃんが帰ってきた部分の未来を見れば、自ずと二人がどこに行ったかも分かってしまう。
茜にバレたら必然的に椿にもバレるし、何故隠したと俺が怒られそうだし、二人が藍ちゃん達の元へ行ってしまえば今度は竜胆に何言われるか分からない。
うわー、板挟みとか辛いんだけど。俺超不憫。可哀想。
……まあ、藍ちゃんも可哀想かもね。めんどくさい人間達に好かれちゃったもの。
未来を見る力を持つ人間、過去を見る力を持つ人間、何かあれば周りが血の海になってしまえる力を持つ人間。
どう転んでも大変じゃん。
藍ちゃんご愁傷様。なむなむ。一応拝んどく。
……あ、まあ、藍ちゃんが好きなら別にいいんだけどね。
「藍とりんはどしたや。」
会った瞬間に茜は俺に聞いてきた。よし、さっき考えた設定を……
「あー、学級委員の仕事を藍ちゃんが手伝ってる感じだったかな。」
「ふーん。よし、じゃあ邪魔しに行こうぜ!」
結局こうなるんだよね。嘘だけど。うん。俺一人の力は小さかった。無念。
「……酸漿、何故嘘をつく?」
……あれ、椿の能力って切裂だよね? なんで嘘だって分かったの?
冷や汗が吹き出る。
「あ? 嘘だったのかよ。ふーん?」
あれ、なんで俺がこんな胃をキリキリさせて冷や汗ダラダラかいてるんだろう。俺、何も悪いことしてないよね? 最近の行動を振り返っても悪いことはしてないはず。悪いこと……チョコを食べ過ぎた、とかかな。うん、それくらいしか思いつかないや。
なら何故こうも不憫な目に遭っているんだろう。本当不思議。
「まあいいや。どうせりんがどうのこうの言ったんだろ?」
「まあね。」
「よし、じゃあ図書館に行くか。」
はい、俺の頑張りは無になりました。ちゃんちゃん。もうどうにでもなればいいや。
と、投げやりになってしまったところでハッと気がついた。竜胆に何か言われても話半分くらいに聞いておけばいいんだ、と。
何故今まで馬鹿正直に言うことを聞いてきたんだろー。俺は真面目だったのか! と、その後少しの間ずっと考えていたのだった。
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