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番外編(続)
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よし、心を落ち着かせるためにも読書しよう。先程再び借りた小説をパラパラと捲り、今読んでいるページまで飛ばす。
数秒で目的のページまで辿り着いたので、さて読もうと意気込んだその時両隣の椅子に誰かが座る。
「みっけ。」
「……一人か?」
声で誰かは判別出来たけれども。二人とも小声で話しかけてきた。私も小声で返事をする。
「茜さん、つーくん……一人だよ。」
「りんはどしたや。」
茜さんにそう言われてビクッと肩を震わせる。いけないいけない、考えないようにしないと。平然を装えなくなる。心の中で深呼吸して心を落ち着けさせてから話し始める。
「む、向こうの読書スペースに……」
「ふーん。ま、いいけどさ。……で、何読んでんだ?」
そこまで重要な質問ではなかったのか、興味なさそうに相槌した茜さん。それなら何故聞いたのだろう。まあ、いいか。
「これです。」
表紙を見せると、茜さんはまた『ふーん』と興味なさげに相槌をする。
「……どこら辺まで読んだ?」
「ええと、五十二ページかな……」
「……じゃあ××の辺りか。」
「うん。」
つーくんはこの本も読み込んでいるようで、ページ数を伝えただけでどの場面か分かったようだった。わあ、すごい記憶力。
「……、」
「……。」
竜胆side
少し時は遡る。
私はしばらくの間暇つぶしに読書をしていたのだが、一向に藍さんが戻ってこないことに気がついた。はて、どうしたのだろうか。
ふっと本から目を離し、辺りを見回す。しかし藍さんの姿は無い。
「……。」
時計を見ると図書館に来てから三、四十分は経っているようだから、まあ、本は借り直しているだろう。もしかしてどこかここから見えない所で本を読んでいる?
しかしそれならどうして私の隣に来ないのだろう。
「もしかして……」
図書館の中で迷子になっているのかもしれない。うん、そうだ。そうに違いない。そうでないと……
ぶんぶんと首を振り、マイナス思考を振り切る。私が煩わしいから隣に来ない、だなんて考えたくはない。頭からその考え方を無くす。
「探しに行こうか……」
よし、そうしよう。そして藍さんの様子を確認してからこれからの動き方を考えよう。
音を立てずに立ち上がり、今まで読んでいた本を棚に戻す。そして鞄を持って探しに行こう。
数秒で目的のページまで辿り着いたので、さて読もうと意気込んだその時両隣の椅子に誰かが座る。
「みっけ。」
「……一人か?」
声で誰かは判別出来たけれども。二人とも小声で話しかけてきた。私も小声で返事をする。
「茜さん、つーくん……一人だよ。」
「りんはどしたや。」
茜さんにそう言われてビクッと肩を震わせる。いけないいけない、考えないようにしないと。平然を装えなくなる。心の中で深呼吸して心を落ち着けさせてから話し始める。
「む、向こうの読書スペースに……」
「ふーん。ま、いいけどさ。……で、何読んでんだ?」
そこまで重要な質問ではなかったのか、興味なさそうに相槌した茜さん。それなら何故聞いたのだろう。まあ、いいか。
「これです。」
表紙を見せると、茜さんはまた『ふーん』と興味なさげに相槌をする。
「……どこら辺まで読んだ?」
「ええと、五十二ページかな……」
「……じゃあ××の辺りか。」
「うん。」
つーくんはこの本も読み込んでいるようで、ページ数を伝えただけでどの場面か分かったようだった。わあ、すごい記憶力。
「……、」
「……。」
竜胆side
少し時は遡る。
私はしばらくの間暇つぶしに読書をしていたのだが、一向に藍さんが戻ってこないことに気がついた。はて、どうしたのだろうか。
ふっと本から目を離し、辺りを見回す。しかし藍さんの姿は無い。
「……。」
時計を見ると図書館に来てから三、四十分は経っているようだから、まあ、本は借り直しているだろう。もしかしてどこかここから見えない所で本を読んでいる?
しかしそれならどうして私の隣に来ないのだろう。
「もしかして……」
図書館の中で迷子になっているのかもしれない。うん、そうだ。そうに違いない。そうでないと……
ぶんぶんと首を振り、マイナス思考を振り切る。私が煩わしいから隣に来ない、だなんて考えたくはない。頭からその考え方を無くす。
「探しに行こうか……」
よし、そうしよう。そして藍さんの様子を確認してからこれからの動き方を考えよう。
音を立てずに立ち上がり、今まで読んでいた本を棚に戻す。そして鞄を持って探しに行こう。
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