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番外編(続)
13 ゴフッ……
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「藍、起きてる……な。入るぞ。」
「はい。」
ノックしたのは茜さんだったらしい。私はベッドから立ち上がって茜さんを部屋に迎えようとすると、茜さんは私に寝てろと言った。
茜さんはそこにあった椅子をベッドの前に持ってきて座る。
「さて、藍サンよ、熱はどんなもんだ?」
「ね、熱……?」
私、熱なんて出てたんだ……? 自分のことなのに自分が一番理解出来ていないらしい。鈍感すぎるね。もっと自分にも、周りにも目を向けないと……。
「ん。多分疲れが出たんだろう。」
「そう、ですか……」
疲れること……はて、何かあっただろうか。うむむ、と首を捻って考えてみるが、原因は分からなかった。
「見た感じふらふらではなさそうだから、まあ、水分取って寝てれば良くなるだろ。ほれ。」
そう言って茜さんはローテーブルに置いてあったペットボトルをぽいっと私に向けて投げる。それをなんとかキャッチして蓋を開けた。そしてこくりと一口水を飲む。ちょうどいい冷たさで美味しい。
「……藍はりんが好きなのか?」
「ゴフッ」
茜さんは真顔でそんなとんでもないことを言う。思わず噎せてしまったではないか。
「ゲホッ……ゴホッ……」
「ふーん、面白くねぇな……」
今のやり取りで面白み必要!? と言いたかったが、噎せたままでは何も喋ることが出来ず。取り敢えず呼吸を落ち着かせるのが先決だった。
「ゲホッ……ふー……」
「そんなに動揺することかぁ?」
数分間ずっと噎せ続けて辛いというのに、その間ずっとケラケラと笑う茜さん。キッと鋭い目を茜さんに向けてしまうのも自然なことではなかろうか。
「でもそうか……りんかぁ……あ、そうだ。それなら俺にすれば良くね?」
「……?」
話の真意を探るように私は首を傾げると茜さんは『ブハッ』とまた笑った。
しかしそれも一瞬のことで、私が瞬きを一つした時にはもう既に茜さんは真剣な表情に変わっていた。
「なぁ、藍。」
「は、はい……」
茜さんが真剣な顔をしているので、私も気を引き締めて話を聞く。
「俺はりんと同じ顔だ。双子だからな。」
「は、はい……?」
「……だから……俺じゃ駄目か?」
茜さんは私の頬に触れ、懇願するようにそう吐露した。
「はい。」
ノックしたのは茜さんだったらしい。私はベッドから立ち上がって茜さんを部屋に迎えようとすると、茜さんは私に寝てろと言った。
茜さんはそこにあった椅子をベッドの前に持ってきて座る。
「さて、藍サンよ、熱はどんなもんだ?」
「ね、熱……?」
私、熱なんて出てたんだ……? 自分のことなのに自分が一番理解出来ていないらしい。鈍感すぎるね。もっと自分にも、周りにも目を向けないと……。
「ん。多分疲れが出たんだろう。」
「そう、ですか……」
疲れること……はて、何かあっただろうか。うむむ、と首を捻って考えてみるが、原因は分からなかった。
「見た感じふらふらではなさそうだから、まあ、水分取って寝てれば良くなるだろ。ほれ。」
そう言って茜さんはローテーブルに置いてあったペットボトルをぽいっと私に向けて投げる。それをなんとかキャッチして蓋を開けた。そしてこくりと一口水を飲む。ちょうどいい冷たさで美味しい。
「……藍はりんが好きなのか?」
「ゴフッ」
茜さんは真顔でそんなとんでもないことを言う。思わず噎せてしまったではないか。
「ゲホッ……ゴホッ……」
「ふーん、面白くねぇな……」
今のやり取りで面白み必要!? と言いたかったが、噎せたままでは何も喋ることが出来ず。取り敢えず呼吸を落ち着かせるのが先決だった。
「ゲホッ……ふー……」
「そんなに動揺することかぁ?」
数分間ずっと噎せ続けて辛いというのに、その間ずっとケラケラと笑う茜さん。キッと鋭い目を茜さんに向けてしまうのも自然なことではなかろうか。
「でもそうか……りんかぁ……あ、そうだ。それなら俺にすれば良くね?」
「……?」
話の真意を探るように私は首を傾げると茜さんは『ブハッ』とまた笑った。
しかしそれも一瞬のことで、私が瞬きを一つした時にはもう既に茜さんは真剣な表情に変わっていた。
「なぁ、藍。」
「は、はい……」
茜さんが真剣な顔をしているので、私も気を引き締めて話を聞く。
「俺はりんと同じ顔だ。双子だからな。」
「は、はい……?」
「……だから……俺じゃ駄目か?」
茜さんは私の頬に触れ、懇願するようにそう吐露した。
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