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第2部 生前との決別
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「ね、クロ。大好きだよ。だぁーい好き。だから置いてかないでね?」
追い討ちを掛けるように言葉が重ねられ、その言葉達に私はたじたじになる。
「っ……、ア、ンジュ?」
「狼狽えてるクロも可愛い。」
「急にどうしたの?」
「生きている間に親や友人に感謝の言葉とか言いたかったこととか言えないまま死んだからさ。これからは言いたいことはその時々に言わないと、って思ってね。それで思ったことをそのまま伝えただけだよ。」
「っ……」
心臓がドクドクと五月蝿い。顔もきっと赤いだろう。
「死んでからずっとクロと一緒にいて、クロのこと大事だなーとか一緒にいたいなーとか思っててさ。それでついさっき気付いたんだよ。クロが大好きなんだって。……クロは俺のこと嫌い?」
「……す、好き、に入ると思う。」
その好きがどんな意味合いの好きかは自分でも分からないけど。そもそもアンジュが言う好きはどんな意味合いなのだろう。犬猫を可愛がるのと同じ感じかな。
「良かった! じゃあ今から俺達恋人ね!」
「こっ!?」
「え、違うの?」
だからなんでそんなにサラッと言えちゃうかな! こちとら羞恥で顔が真っ赤っかだよ! 包帯でアンジュには見えないだろうけど!
「いや、犬猫を愛でるのと同じような意味かと。」
「そんなわけないじゃん。」
「そ、そそ……」
「あ、もしかしてクロ、恋愛初心者?」
「……わ、悪い!?」
うわ、今絶対アンジュニヤニヤしてるでしょ。そんな声だったし。
生前は親から恋愛なんてしないで勉強してろと言われてたのもあるし、私自身興味もなかったから……いざこの状況になった今、恥ずかしくてしょうがない。心臓も先程より大きく脈打つ。
「いや? むしろ俺以外のやつと生前付き合ってたなんて聞いたら嫉妬しちゃうー。」
「しっ!?」
この人の真っ直ぐな言葉に狼狽えてしまう。分かった、アンジュは生前色々な人と付き合って来たに違いない。そうじゃないとこの余裕さに理由が付けられない。
「でもアンジュこそ色んな人と付き合ってきたんでしょ!」
「え、んなわけないじゃん。食堂の仕事の手伝いで忙しかったし、恋愛なんてしてる暇なかったよ。だから初恋ー。」
「嘘つけー!」
「まあ、何人かから告られたことはあるけどね。」
「ほらやっぱり!」
「でも自分からは初めてだよ。クロが初めて。」
「っ……!」
顔から火が出るかと思うくらい熱くなる。包帯を巻いていない口元が真っ赤になっている(多分)のをアンジュに見られていることだろう。思わずローブのフードで顔を隠す。
「ねえ、クロ。俺のこと、好き?」
耳元で囁かれる。あまりの不意打ちに心臓の音がより一層大きく聞こえてきた。ぎゃー! 心臓止まる!
「あわわわわ……」
「……ま、今日はこれくらいにしておこうかな。あまり急いでもいいこと無さそうだし。」
少し落胆したような声。あ、どうしよう、私がちゃんと言葉にしないから……
慌ててアンジュの腕だろうものを掴む。
「……す、すすす好き、です。多分。恋なんてしたことないからよく分かりませんが、多分これは好きだということなんだと思います。」
思わず敬語になってしまった。あわあわあわ。
「ふふ、よかった。クロ、これからもずっと一緒だよ?」
この日、相棒から恋人へランクアップしました!
追い討ちを掛けるように言葉が重ねられ、その言葉達に私はたじたじになる。
「っ……、ア、ンジュ?」
「狼狽えてるクロも可愛い。」
「急にどうしたの?」
「生きている間に親や友人に感謝の言葉とか言いたかったこととか言えないまま死んだからさ。これからは言いたいことはその時々に言わないと、って思ってね。それで思ったことをそのまま伝えただけだよ。」
「っ……」
心臓がドクドクと五月蝿い。顔もきっと赤いだろう。
「死んでからずっとクロと一緒にいて、クロのこと大事だなーとか一緒にいたいなーとか思っててさ。それでついさっき気付いたんだよ。クロが大好きなんだって。……クロは俺のこと嫌い?」
「……す、好き、に入ると思う。」
その好きがどんな意味合いの好きかは自分でも分からないけど。そもそもアンジュが言う好きはどんな意味合いなのだろう。犬猫を可愛がるのと同じ感じかな。
「良かった! じゃあ今から俺達恋人ね!」
「こっ!?」
「え、違うの?」
だからなんでそんなにサラッと言えちゃうかな! こちとら羞恥で顔が真っ赤っかだよ! 包帯でアンジュには見えないだろうけど!
「いや、犬猫を愛でるのと同じような意味かと。」
「そんなわけないじゃん。」
「そ、そそ……」
「あ、もしかしてクロ、恋愛初心者?」
「……わ、悪い!?」
うわ、今絶対アンジュニヤニヤしてるでしょ。そんな声だったし。
生前は親から恋愛なんてしないで勉強してろと言われてたのもあるし、私自身興味もなかったから……いざこの状況になった今、恥ずかしくてしょうがない。心臓も先程より大きく脈打つ。
「いや? むしろ俺以外のやつと生前付き合ってたなんて聞いたら嫉妬しちゃうー。」
「しっ!?」
この人の真っ直ぐな言葉に狼狽えてしまう。分かった、アンジュは生前色々な人と付き合って来たに違いない。そうじゃないとこの余裕さに理由が付けられない。
「でもアンジュこそ色んな人と付き合ってきたんでしょ!」
「え、んなわけないじゃん。食堂の仕事の手伝いで忙しかったし、恋愛なんてしてる暇なかったよ。だから初恋ー。」
「嘘つけー!」
「まあ、何人かから告られたことはあるけどね。」
「ほらやっぱり!」
「でも自分からは初めてだよ。クロが初めて。」
「っ……!」
顔から火が出るかと思うくらい熱くなる。包帯を巻いていない口元が真っ赤になっている(多分)のをアンジュに見られていることだろう。思わずローブのフードで顔を隠す。
「ねえ、クロ。俺のこと、好き?」
耳元で囁かれる。あまりの不意打ちに心臓の音がより一層大きく聞こえてきた。ぎゃー! 心臓止まる!
「あわわわわ……」
「……ま、今日はこれくらいにしておこうかな。あまり急いでもいいこと無さそうだし。」
少し落胆したような声。あ、どうしよう、私がちゃんと言葉にしないから……
慌ててアンジュの腕だろうものを掴む。
「……す、すすす好き、です。多分。恋なんてしたことないからよく分かりませんが、多分これは好きだということなんだと思います。」
思わず敬語になってしまった。あわあわあわ。
「ふふ、よかった。クロ、これからもずっと一緒だよ?」
この日、相棒から恋人へランクアップしました!
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