死神ちゃんと天使くん 【完結】

君影 ルナ

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第3部 死神の代替わり

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 それからもう何日か経ったある日。朝起きてから何か違和感を感じていた。なんだろう、とりあえず動けるからいいか、と違和感を放置して朝ご飯の準備へ向かう。だって死神は死なないからね。

「アンジュおはよー。」
「クロおは……よぉう!?」
「どしたよ。」

 面白い挨拶を返すアンジュ。大丈夫かな。

「か、かかかかかか!」
「か?」
「体が透けてる……!」
「……はえ!?」

 なんと! 体が透けているって……もしかして?

「代替わり!?」
「えっ、ちょっと待って俺心の準備が出来てないんだけど!」
「あわわわわ」

 私も心の準備出来てないんだけど! もう少しなんか前兆でもあればいいのに!

 二人して慌てふためく。どうしようどうしよう。

「と、とりあえずご飯食べる!?」

 アンジュは混乱しすぎて何故そうなったかよく分からないことを口に出す。でもまあそうだね。いつ消えるか分からないのなら腹ごしらえだけはしておこうか。

 次にアンジュの手料理が食べられるのがいつになるかも分からないし。

「食べる!」

 この時二人とも慌てすぎていて、いつも起こしてあげるけんけんのことは頭からすっぽり抜けていたのだった。













「美味しかった! ご馳走様!」

 死神クロとしてアンジュの手料理を食べるのは最後になるかもしれないのだからといつも以上に味わいながら食べた和食。

 初めて食べたアンジュの手料理も和食だったなあとしみじみ思い出す。

「次クロに手料理を振る舞えるの、いつになるんだろうな……」

 落ち込んだような声色だった。

「でもすぐに向こう現世でも会えるって! 多分! 私が願えば同じ時代に生きられるって言ってたじゃん!」
「そうだね。」
「アンジュと共に生きるのも楽しみだなあ。」

 一時の別れは辛いけど、また絶対会えると思えばきっと大丈夫。



 そんなことを考えていた時、体が透けていったからか、ふわりと包帯が取れる。包帯の先にあったのは初めて見るアンジュの顔。

「ふふっ、アンジュってそんな顔だったんだね。」
「そうだよ? 綺麗でしょ?」
「自分で言うかっての。」

 確かに綺麗だけど。でも好きになったのは顔なんかじゃなくてアンジュという存在なんだからね。

「ふっ、名前は自分を表すって言うのが分かるよ。クロの目、とっても綺麗。」

 つ、と私の目の辺りを撫でるアンジュ。目が綺麗って言われるのは初めてでむず痒い。

「ありがとう。……ねえ、生きてた頃の名前、呼んで?」

 多分もうそろそろ消えてしまう。何故かそれだけははっきり分かった。

「……瞳。」
「うん。」
「瞳。」
「っ……、うん。」

 鈴佳と手を合わせる。

「生まれ変わっても、絶対会おうね。瞳、俺のこと覚えておいてよ?」
「うん……! 鈴佳も私のこと、忘れないでよね?」
「もちろんだよ。」


「「じゃあ、またどこかで。」」



 すうっと消えたのが自分でも分かった。
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