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第4部 現世にて
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「瞳、起きなさい!」
お母さんに叩き起こされる。うう、まだ眠い。
「起きなさいって! 今日高校の入学式でしょう!?」
「うーん……」
渋々起き上がる。……あれ、私、なんか長い夢を見ていた気がする。それも、とても大事な。
「あら、瞳、泣いてるわね。そんなに悲しい夢を見たのかしら?」
「え……本当だ。」
拭ってみたら水分が腕についた。私は泣いていたのか。
そんなに悲しい夢だったのかな。覚えていないけどこの感じは……愛しい、かな。なんだろう、とても不思議な感じ。
「ほら、さっさと準備して学校行きなさい!」
「ふぁーい……」
いつもお母さんは余裕を持って起こしてくれるからそこまで急がなくてもいいんだけどねー。のそのそと布団から這い出る。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
今日は高校の入学式。家から駅三つ程行った先にある学校を選んだため、同じ中学校の人はあまりいない。一から友達作りをしなければならないのだ。
まあ、そんなに人数はいなくていいけど、仲の良い友達が何人か出来ればなあ。そんな願望を抱きながら電車に乗る。
家から近い学校もあったのに、何故か少し遠くの玲北高校を選んだ。なんか直感がここだと言っていたのだ。何故だろう。
そんなことを考えていた時、ふっと視界に入ったのは同じ玲北高校の制服を着た男子生徒。
座席に座って寝ていたその人を見て違和感を感じる。違和感……とも違うのかな。でも違和感という言葉が一番しっくりくる。なんだろう、これ。
分からないまま最寄り駅に到着。寝ていた人もむくりと起きたようなので起こさなくてもよかった。そのまま電車を降りる。
本当なんだったんだろう。今日はよく分からないことが多い。
「新入生代表、如月 瞳。」
「はい。」
入学式も順調に進み、私が喋る番。首席で入学したので何かしら話さなければならないのだ。めんどくさいと思いながらもつらつらと思ってもいない言葉を並べる。
用意していた紙にある言葉を無感情のまま述べ終え、自席に戻る。次は在校生代表だったかな。
「在校生代表、渡辺 鈴佳。」
「はい。」
あ、電車で寝てた人だ。へえ、起きているとあんな風な顔なんだ。寝ている時も思ったけどイケメンだねぇー。なんか全体的に整ってるっていう感じかな?
人間の美醜には疎いからそれしか分からないけど、それでも整ってることだけは分かった。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。……」
その人が話し始めると懐かしい声のような気がした……?
「……あれ?」
なんでだろう。涙が出る。悲しくもないのに。
拭っても拭っても出てくる涙。なんで? 訳わかんない。
そもそも懐かしいって何……?
お母さんに叩き起こされる。うう、まだ眠い。
「起きなさいって! 今日高校の入学式でしょう!?」
「うーん……」
渋々起き上がる。……あれ、私、なんか長い夢を見ていた気がする。それも、とても大事な。
「あら、瞳、泣いてるわね。そんなに悲しい夢を見たのかしら?」
「え……本当だ。」
拭ってみたら水分が腕についた。私は泣いていたのか。
そんなに悲しい夢だったのかな。覚えていないけどこの感じは……愛しい、かな。なんだろう、とても不思議な感じ。
「ほら、さっさと準備して学校行きなさい!」
「ふぁーい……」
いつもお母さんは余裕を持って起こしてくれるからそこまで急がなくてもいいんだけどねー。のそのそと布団から這い出る。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
今日は高校の入学式。家から駅三つ程行った先にある学校を選んだため、同じ中学校の人はあまりいない。一から友達作りをしなければならないのだ。
まあ、そんなに人数はいなくていいけど、仲の良い友達が何人か出来ればなあ。そんな願望を抱きながら電車に乗る。
家から近い学校もあったのに、何故か少し遠くの玲北高校を選んだ。なんか直感がここだと言っていたのだ。何故だろう。
そんなことを考えていた時、ふっと視界に入ったのは同じ玲北高校の制服を着た男子生徒。
座席に座って寝ていたその人を見て違和感を感じる。違和感……とも違うのかな。でも違和感という言葉が一番しっくりくる。なんだろう、これ。
分からないまま最寄り駅に到着。寝ていた人もむくりと起きたようなので起こさなくてもよかった。そのまま電車を降りる。
本当なんだったんだろう。今日はよく分からないことが多い。
「新入生代表、如月 瞳。」
「はい。」
入学式も順調に進み、私が喋る番。首席で入学したので何かしら話さなければならないのだ。めんどくさいと思いながらもつらつらと思ってもいない言葉を並べる。
用意していた紙にある言葉を無感情のまま述べ終え、自席に戻る。次は在校生代表だったかな。
「在校生代表、渡辺 鈴佳。」
「はい。」
あ、電車で寝てた人だ。へえ、起きているとあんな風な顔なんだ。寝ている時も思ったけどイケメンだねぇー。なんか全体的に整ってるっていう感じかな?
人間の美醜には疎いからそれしか分からないけど、それでも整ってることだけは分かった。
「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。……」
その人が話し始めると懐かしい声のような気がした……?
「……あれ?」
なんでだろう。涙が出る。悲しくもないのに。
拭っても拭っても出てくる涙。なんで? 訳わかんない。
そもそも懐かしいって何……?
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