7 / 10
わーんわん(私、ノーマルでしてよ)
しおりを挟む
「そんな事、私がしたいですわーっっ!!」
自分がするのは良いですが、ケント様がしちゃダメです。
「ど、どうしたらいいんですの。私、今だって鍛えている筈なのに、全然筋肉が付きませんのに……」
「あの女は系統が違うので諦めた方がいいと思いますよ」
侍女が冷たいです。今日のような少し汗ばむ陽気にピッタリですね。
確かに私にはあの大人の色気は出せそうにありません。
「目指すなら、あの犬じゃないですか」
ほら! 頼りになる侍女なんですよ。でも少し不安になります。
「私、勝てるかしら」
「お嬢様なら獣臭く無いし、断然有利ですよ」
鼻をほじりながらでも、私を持ち上げてくれるのですね!
全身モフモフのワンちゃんに勝てるかどうかは分かりませんが、私は負けません! 努力あるのみです!!
「ところで、どうしたら勝てると思います?」
「んー。髪は既にフワフワですよね」
「逆にあちこちを手応えのある感じにしてみるとか?」
ギャーやめてください~っ!! という悲鳴にも似た声があちこちから上がったのですが、なんだか部屋の外からも聞こえたような……。
皆さん私を心配してくださったのかしら。
「却下です」
シーラは落ち着いているので、きっと良い判断をしてくれているはずです。違う案を考えます。
「じゃあ……」
頭も首も捻ってみるのですが、なんの案も浮びません。一体どうしたら良いというのでしょう。
ウエストも捻ったらイケるでしょうか……あ、いい案かも。ついでに痩せれそう「あ。衣裳ですよ!」
まあ、シーラ。閃いた時に手を打つ人って実在したのですね。カンドーです! でも衣裳?
「犬みたいにフワフワの毛の服を用意しましょう! 絶対似合いますよ!!」
「今暑いわよね??」
「じゃ胸と尻だけ覆いましょう。いいえ! 手袋と靴もモコモコさせましょうよ」
「えっと、聞こえなかったのかしら?? 今、暑いわよね」
興奮しだした侍女は、私の両腕を掴んで振り回し、ついでとばかりに胸の脇肉を揉みしだいて、漸く開放されました。
本能に忠実だからこそ、私にとっての最善の答えも嗅ぎ分けてくれると信じていますわ。
少し頭がフラフラしますが大丈夫。ケント様を前にした時と、非常に類似した状態なので慣れています。
「じゃあ早速服を用意してきますね!!」
「用意しても着ないわよ?」
「耳も付けたらどうですか?」
「着ません」
「尻尾と首輪付きでどうですか」
あら、背徳的。寒い時期なら良いかもしれませんね。
製作だけは許可しましょう。
私の返事に周囲がワッと沸きたちました。そんなにモコモコは高い評価を受けるものですの?
それにしてもお仕事中でも、手を休めて私の動向に気を配ってくれるなんて、愛されている事を実感してしまいます。
「今は着ないので、他に案はありますか?」
はい、と別の侍女が手を上げました。
「ツルツルはどうですか」
ハゲろという意味ですか?
「ツルツルした手触りの良い薄手の服で全身を包むのです」
「まあ」
「お嬢様はきめ細やかなお肌をされていますが、上質の薄い絹と柔らかなお肉の組み合わせは、きっと最強です!」
想像してみます。
お肉と組み合わせるというのだから、頭部は除外して良いのかしら。つまり柔らかい部分の素肌に薄手の絹を纏う――きっとスケスケね。そして触ってもらうのが前提――
うん、それは夜着ね!
「それでいきましょう」
だって結婚した女性の夜の正装でしょう? 男性の心を掴むに違いないわ。
待っていてくださいねケント様。最高の包装を考えますからね! 侍女が!
自分がするのは良いですが、ケント様がしちゃダメです。
「ど、どうしたらいいんですの。私、今だって鍛えている筈なのに、全然筋肉が付きませんのに……」
「あの女は系統が違うので諦めた方がいいと思いますよ」
侍女が冷たいです。今日のような少し汗ばむ陽気にピッタリですね。
確かに私にはあの大人の色気は出せそうにありません。
「目指すなら、あの犬じゃないですか」
ほら! 頼りになる侍女なんですよ。でも少し不安になります。
「私、勝てるかしら」
「お嬢様なら獣臭く無いし、断然有利ですよ」
鼻をほじりながらでも、私を持ち上げてくれるのですね!
全身モフモフのワンちゃんに勝てるかどうかは分かりませんが、私は負けません! 努力あるのみです!!
「ところで、どうしたら勝てると思います?」
「んー。髪は既にフワフワですよね」
「逆にあちこちを手応えのある感じにしてみるとか?」
ギャーやめてください~っ!! という悲鳴にも似た声があちこちから上がったのですが、なんだか部屋の外からも聞こえたような……。
皆さん私を心配してくださったのかしら。
「却下です」
シーラは落ち着いているので、きっと良い判断をしてくれているはずです。違う案を考えます。
「じゃあ……」
頭も首も捻ってみるのですが、なんの案も浮びません。一体どうしたら良いというのでしょう。
ウエストも捻ったらイケるでしょうか……あ、いい案かも。ついでに痩せれそう「あ。衣裳ですよ!」
まあ、シーラ。閃いた時に手を打つ人って実在したのですね。カンドーです! でも衣裳?
「犬みたいにフワフワの毛の服を用意しましょう! 絶対似合いますよ!!」
「今暑いわよね??」
「じゃ胸と尻だけ覆いましょう。いいえ! 手袋と靴もモコモコさせましょうよ」
「えっと、聞こえなかったのかしら?? 今、暑いわよね」
興奮しだした侍女は、私の両腕を掴んで振り回し、ついでとばかりに胸の脇肉を揉みしだいて、漸く開放されました。
本能に忠実だからこそ、私にとっての最善の答えも嗅ぎ分けてくれると信じていますわ。
少し頭がフラフラしますが大丈夫。ケント様を前にした時と、非常に類似した状態なので慣れています。
「じゃあ早速服を用意してきますね!!」
「用意しても着ないわよ?」
「耳も付けたらどうですか?」
「着ません」
「尻尾と首輪付きでどうですか」
あら、背徳的。寒い時期なら良いかもしれませんね。
製作だけは許可しましょう。
私の返事に周囲がワッと沸きたちました。そんなにモコモコは高い評価を受けるものですの?
それにしてもお仕事中でも、手を休めて私の動向に気を配ってくれるなんて、愛されている事を実感してしまいます。
「今は着ないので、他に案はありますか?」
はい、と別の侍女が手を上げました。
「ツルツルはどうですか」
ハゲろという意味ですか?
「ツルツルした手触りの良い薄手の服で全身を包むのです」
「まあ」
「お嬢様はきめ細やかなお肌をされていますが、上質の薄い絹と柔らかなお肉の組み合わせは、きっと最強です!」
想像してみます。
お肉と組み合わせるというのだから、頭部は除外して良いのかしら。つまり柔らかい部分の素肌に薄手の絹を纏う――きっとスケスケね。そして触ってもらうのが前提――
うん、それは夜着ね!
「それでいきましょう」
だって結婚した女性の夜の正装でしょう? 男性の心を掴むに違いないわ。
待っていてくださいねケント様。最高の包装を考えますからね! 侍女が!
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる