お飾り聖女

ゆずみそ

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五話

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「それでは改めまして、此方が昨日聖女に就任されたゾーイさん。そして此方が今日、自薦の飛び入り聖女候補者であるリナさん」

 あれから神官側での調整が必要になったとの事で、少し時間を置いて再び合い見えることになった。

 部屋に集まった神官達の前、フェイの紹介で互いに握手をしあう。

 先程のゾーイの行動から、リナは若干警戒しているようだった。上目遣いで睨んでくる。

「お二人ともタイプの違う美人で、私共も悩んでしまいました」

 リナが小首を傾げる。

「ですので急遽、聖女決定戦を開催致します!」

 ワッと室内にいた神官達が盛り上がる。

「望むところよ! 私が真の聖女よ! 私の力を見せてやるわ」

 握り拳を作り、鼻息も荒くリナが応える。

「おお! 頼もしいですね。では先行はリナさんで宜しいでしょうか」

「え? 今?」

「はい。そもそも本大会はもう終わってますからね。臨時開催ですけど、ゾーイさんに勝ったら、ちゃんと新しい聖女だって周知しますからねー」

「それならいいわ」

 そう言うと、グイッとゾーイを押し除けて、神官達の正面に立つ。

 この時ゾーイは気になる事があった。正直に言えばかなり前の段階から、気になる事は山程あったのだ。
 ただ、今一番気になるのは、どうして誰も自分の意思を聞いてくれないのだろうというものだった。


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