お飾り聖女

ゆずみそ

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六話

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「リナです。私が如何に聖女に相応しいか、皆さんに見ていただきたいと思います」

 若干上から目線の挨拶だが、周りには意外にも好印象のようで、皆にこやかに見ている。

「では、誰かにご協力いただきたいのですが……どなたか持病をお持ちの方はいらっしゃいませんか?」

 途端に戸惑いの空気が流れた。ヒソヒソと周囲の神官と何か話合っている。

 そのうち一人の神官が声を上げた。40代程の中肉中背の男だ。

「私、最近腰が痛くて体勢を変えると辛いんですけど……こういうのでも良いのでしょうか」

「はい! 大変結構です! ちょっとこちらにいらしてくださいな」

 満面の笑みでリナはその神官を誘う。

「あ、シェナさん、どこか空いているお部屋は借りれますか?」

 男の背を押しながら、既に入り口まで来ていたリナが問う。

「ちょっと待ってくださいね~。今確認しますから」

シェナは謂わば臨時雇いなので、近くにいた神官に訊ねる。

「丁度、右隣の部屋が空いているそうですよ~」

「わあ、近くて便利。それでは皆さん、暫くお待ち下さい。私の奇跡をご覧に入れますわ!」

 にょほほほと笑いながらパタンと扉が閉じられた――――。

「え? どういう事? ここで披露しなくていいの?」

 ゾーイが出場した大会では、皆、その場で特技を披露していた。審査する者も居らず、不正し放題ではないか。

「全然構いませんよ。まあどの位の時間がかかるか分かりませんから、座って待ちましょうよ」

 空いている席を指し示されたので、ゾーイも座る事にする。

「ゾーイさんは、あまり聖女に詳しくないんですね」

 すっかり休憩モードになった神官達に茶を勧められ、まったりしているとシェナが聞いてきた。

「そりゃそうよ。だって私この国の人間じゃないし」

「え?」

 一斉に神官達が彼女を見る。

「ええ?? だってコンテスト出たんですよね」

「国境沿いの町に住んでて、一番近い……っていっても距離はあるけど、それがこの国の街。友達と祭り見物に来てたの。そしたらいきなりコンテストに連行されて。あれよあれよという間に此処に……」

 聞いていた全員がポカンとしていたが、ゾーイは感無量だった。

 やっとちゃんと話を聞いてもらえた――!!
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