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ラリッタ・バーサン
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sideリラ
泣き出しそうだった。
ルシアス様の好きな人が少し先にいる。
あの人が羨ましくて仕方なかった。
こんな感情、持ってはいけないのに。
「まぁ、嫌だわ。人間よ、あれ。」
取り巻きの1人が私を見てヒソヒソ言い出す。
ヒソヒソとは言っても、もちろん聞こえるように。
「本当だわ。あら?隣にいるのは淫乱女じゃないの?」
「あの隣の人間もカトレアで働いているらしいわ。」
「淫乱が2人もいたら宝石の価値が下がるわ。」
「皆さん、本当のことは口に出してはいけないものよ?」
カレンと呼ばれていた、ルシアス様の好きな人はきっと物凄い性格をしてる。
注意するフリをして私たちを馬鹿にしてるんだから。
ルシアス様はどうして、あんな嫌な人好きなの?
……なんて、私が言えたことじゃないよね。
「リラちゃん、なんかここ臭くない?」
ダリアちゃんの唐突すぎる質問に私は悲しさを一瞬忘れた。
「え?あ。うん。」
ダリアちゃんいきなりどうしたんだろう?
「うーん。やっぱり臭いわ…。っ!!やだ!!あの人!!ドレスが茶色だからって、う○こ漏らしてるわ!ご令嬢がう○こ漏らすなんて大変!!」
ダリアちゃんは相当な大声をあげた。
茶色のドレスを着ていた令嬢はカレン嬢の取り巻きの1人だ。
「普通お店でう○こ漏らす!?ご令嬢が!?通りで自慢話もクソ長いのね!!もうやだ!!ご令嬢!」
ダリアちゃんが指を差して言ったから店中の人は全員その令嬢に注目する。
もちろん、その周りにいた他の取り巻きやカレン嬢も視線の餌食になる。
4人は全員にクスクス笑われて顔を真っ赤にしていた。
その様子に吹き出しそうになった私の手を引いたのはダリアちゃん。
私たちはお店を出て大笑いした。
「ダリアちゃん、ふふっ…もう!」
「あはは!もうあの顔最高!!あー、スッキリした!」
ダリアちゃんは私のためにわざわざ下品な言葉を連呼して仇を取ってくれた。
強くて最高の友達だわ。
「うん…ダリアちゃん、大好き。」
私の本気で言った言葉だった。
「うん!知ってる!」
ダリアちゃんは本当に豪快で楽しい子だ。
本当に、ダリアちゃんと友達になれてよかった。
*******************
sideカレン
「なんなの!あの下品な女!」
「このドレスは新作のドレスなのに!」
「人間と連んでいる低俗な女よ!汚らわしい!」
私の周りにいる女達は口々にそう言う。
馬鹿ね、そんなことをしてもここでの印象が悪くなるだけよ。
「教養のない方の嘘に振り回されてはいけませんわ。このドレスはとても素敵よ。」
なんて大嘘。
私ならそんなダサいドレス絶対に買わない。
「カレン嬢…。お優しいのね、ルシアス様が虜になるわけだわ…。」
そうそう、その無駄にデカい声でもっと言いふらしなさいよ。
「虜だなんて、恥ずかしいわ///」
噂が立てば陛下の耳にも届くはず。
私とルシアス様がいい仲だってこと。
それに、会う機会を増やせればきっと私のものにできる。
ルシアス様は顔もよくて強い方。
王族に食い込める上にそんな方を手に入れられるなら私はなんでもするわ。
けど、ルシアス様はよくカトレアに行くと噂がある。
あの時の誘拐の時もルシアス様はあの場にいた。
あの2人とルシアス様が知り合いじゃない保証はどこにもないわね。
何にしても邪魔なハエ2匹ね。
私の脅威になることはないだろうけど、もしもの時は私も考えないとね……。
********************
sideリラ
「あっひゃっひゃっひゃっ!!」
何故か私は、ダリアちゃんとラリッタさんとお酒を飲みながらワイワイ話している。
「茶色のドレスだよ!?私あのドレスは絶対着ない!」
ダリアちゃんは今日のことをラリッタさんに話していた。
「嫌な女はみんな蹴散らせばいいのさ!!大事なのはここ!!」
ラリッタさんは自身の胸をかなり強めの力で叩いた。
「本当それ!!ラリッタさんよく分かってる!」
ダリアちゃんも楽しそうでよかった。
もちろん私も楽しい。
今日あった嫌なこと全部忘れるくらいにね。
「いいかい、リラ!人間であることを誇りに思いな!!嫌な女はどこにでもいる!!負けるんじゃないよ!!」
「は、はい!!」
ダリアちゃんがおばあちゃんになったらこんな感じになりそう。
私はそう思い密かに笑っていた。
・
・
・
ラリッタさんが店を締める時間になり、私たちは店を出た。
「ラリッタさん面白い人だね!」
私が笑いながらそう言うとダリアちゃんも笑った。
「本当ね!豪快だし、ラリッタさんみたいなおばあちゃんになりたいなぁ~」
大丈夫、ダリアちゃん。
もう半分なってるよ!
「あ!それより、リラちゃん。二次会と行きますか~??」
「もちろん!!!」
泣き出しそうだった。
ルシアス様の好きな人が少し先にいる。
あの人が羨ましくて仕方なかった。
こんな感情、持ってはいけないのに。
「まぁ、嫌だわ。人間よ、あれ。」
取り巻きの1人が私を見てヒソヒソ言い出す。
ヒソヒソとは言っても、もちろん聞こえるように。
「本当だわ。あら?隣にいるのは淫乱女じゃないの?」
「あの隣の人間もカトレアで働いているらしいわ。」
「淫乱が2人もいたら宝石の価値が下がるわ。」
「皆さん、本当のことは口に出してはいけないものよ?」
カレンと呼ばれていた、ルシアス様の好きな人はきっと物凄い性格をしてる。
注意するフリをして私たちを馬鹿にしてるんだから。
ルシアス様はどうして、あんな嫌な人好きなの?
……なんて、私が言えたことじゃないよね。
「リラちゃん、なんかここ臭くない?」
ダリアちゃんの唐突すぎる質問に私は悲しさを一瞬忘れた。
「え?あ。うん。」
ダリアちゃんいきなりどうしたんだろう?
「うーん。やっぱり臭いわ…。っ!!やだ!!あの人!!ドレスが茶色だからって、う○こ漏らしてるわ!ご令嬢がう○こ漏らすなんて大変!!」
ダリアちゃんは相当な大声をあげた。
茶色のドレスを着ていた令嬢はカレン嬢の取り巻きの1人だ。
「普通お店でう○こ漏らす!?ご令嬢が!?通りで自慢話もクソ長いのね!!もうやだ!!ご令嬢!」
ダリアちゃんが指を差して言ったから店中の人は全員その令嬢に注目する。
もちろん、その周りにいた他の取り巻きやカレン嬢も視線の餌食になる。
4人は全員にクスクス笑われて顔を真っ赤にしていた。
その様子に吹き出しそうになった私の手を引いたのはダリアちゃん。
私たちはお店を出て大笑いした。
「ダリアちゃん、ふふっ…もう!」
「あはは!もうあの顔最高!!あー、スッキリした!」
ダリアちゃんは私のためにわざわざ下品な言葉を連呼して仇を取ってくれた。
強くて最高の友達だわ。
「うん…ダリアちゃん、大好き。」
私の本気で言った言葉だった。
「うん!知ってる!」
ダリアちゃんは本当に豪快で楽しい子だ。
本当に、ダリアちゃんと友達になれてよかった。
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sideカレン
「なんなの!あの下品な女!」
「このドレスは新作のドレスなのに!」
「人間と連んでいる低俗な女よ!汚らわしい!」
私の周りにいる女達は口々にそう言う。
馬鹿ね、そんなことをしてもここでの印象が悪くなるだけよ。
「教養のない方の嘘に振り回されてはいけませんわ。このドレスはとても素敵よ。」
なんて大嘘。
私ならそんなダサいドレス絶対に買わない。
「カレン嬢…。お優しいのね、ルシアス様が虜になるわけだわ…。」
そうそう、その無駄にデカい声でもっと言いふらしなさいよ。
「虜だなんて、恥ずかしいわ///」
噂が立てば陛下の耳にも届くはず。
私とルシアス様がいい仲だってこと。
それに、会う機会を増やせればきっと私のものにできる。
ルシアス様は顔もよくて強い方。
王族に食い込める上にそんな方を手に入れられるなら私はなんでもするわ。
けど、ルシアス様はよくカトレアに行くと噂がある。
あの時の誘拐の時もルシアス様はあの場にいた。
あの2人とルシアス様が知り合いじゃない保証はどこにもないわね。
何にしても邪魔なハエ2匹ね。
私の脅威になることはないだろうけど、もしもの時は私も考えないとね……。
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sideリラ
「あっひゃっひゃっひゃっ!!」
何故か私は、ダリアちゃんとラリッタさんとお酒を飲みながらワイワイ話している。
「茶色のドレスだよ!?私あのドレスは絶対着ない!」
ダリアちゃんは今日のことをラリッタさんに話していた。
「嫌な女はみんな蹴散らせばいいのさ!!大事なのはここ!!」
ラリッタさんは自身の胸をかなり強めの力で叩いた。
「本当それ!!ラリッタさんよく分かってる!」
ダリアちゃんも楽しそうでよかった。
もちろん私も楽しい。
今日あった嫌なこと全部忘れるくらいにね。
「いいかい、リラ!人間であることを誇りに思いな!!嫌な女はどこにでもいる!!負けるんじゃないよ!!」
「は、はい!!」
ダリアちゃんがおばあちゃんになったらこんな感じになりそう。
私はそう思い密かに笑っていた。
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ラリッタさんが店を締める時間になり、私たちは店を出た。
「ラリッタさん面白い人だね!」
私が笑いながらそう言うとダリアちゃんも笑った。
「本当ね!豪快だし、ラリッタさんみたいなおばあちゃんになりたいなぁ~」
大丈夫、ダリアちゃん。
もう半分なってるよ!
「あ!それより、リラちゃん。二次会と行きますか~??」
「もちろん!!!」
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