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大惨事
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sideリラ
「うっ…頭痛い…」
寝返りを打つと…
ジャリッ
聴き慣れない音がした。
心なしか体も痛い。
何?
「え!!?」
私の目に飛び込んできた景色はびっくりするものだった。
眩しい太陽に砂浜に海。
ま、まさか?ここで野宿した??
昨日何があったの?
どうしよう、何も思い出せない。
ラリッタさんのお店を出た後から何一つとして思い出せなかった。
あれ?ダリアちゃんは?
「ダリアちゃーん!!」
私の大声は波の音にかき消された。
そしてもう一つ謎がある。
どうして裸足?
せっかく色違いで買ったワンピースも今じゃ砂まみれだ。
まって、何か思い出せるよ。
…………
だめだ、何も思い出せない。
私がどれだけ焦っても海は広くて風も気持ちいい。
少しここに座っていようかな。
状況を整理して、少し休んで、それから行動しよう。
あぁ、それより2連休でよかった。
*******************
sideダリア
「うっ…頭痛い…」
寝返りを打つと…
ガサガサれ!!
聴き慣れない音がした。
心なしか体も痛い。
何?
「は!!?」
私の目に飛び込んできた景色はびっくりするものだった。
砂と石と緑!
ま、まさか?ここで野宿した??
昨日何があったの?
どうしよう、何も思い出せない。
ラリッタさんのお店を出た後から何一つとして思い出せなかった。
あれ?リラちゃんは?
「リラちゃーん!!」
私の大声は木に止まっていた鳥を脅かしただけだった。
そしてもう一つ謎がある。
どうして裸足?
せっかく色違いで買ったワンピースも今じゃ砂まみれだ。
まって、何か思い出せるよ。
…………
だめだ、何も思い出せない。
私がどれだけ考えてもここには森しかない。
少しここに座っていようかな。
状況を整理して、少し休んで、それから行動しよう。
あぁ、それより2連休でよかった。
(※リラとダリアは考え方が同じ)
*********************
sideキジャ
今日俺は朝から大忙しだった。
忙しい理由はなんとも単純。
ヴァンパイアと人間が行方不明になったからだ。
「ここに包囲網を張れ!それからお前らは西を、俺らは東を探す!絶対に生きて連れ帰れ!!」
いや、いやいやいや、団長。
大袈裟すぎません?
「団長、あの子とお友達はもう子供じゃないんですよ?もしかしたら他の男のベッドで」
「アイツがそんな尻軽なわけないだろ!!」
そう思いたいのも分かりますけど…
「とにかく見つけるまで探す!見つけたらすぐに俺に教えろ!いいな!!」
「「「「はい!!!」」」
リラのことになるとこれだ。
もうなんで付き合ってないんだ?本当に疑問だ。
けど俺もちゃんと探してあげないと。
団長は本気で心配してる。
団長は昨日からロクに寝てない。
昨日の夜、集合場所に何時間も現れず探してもどこにもいなかったらしい。
それでこんな捜索隊を出している訳だけど……
「大袈裟すぎません?」
*******************
sideリラ
私が遭難?してから30分経ったくらいに、奇跡が起こる。
「リラちゃーん!!」
この可愛らしい大声は…
「ダリアちゃーん!!!」
私の親友の大声が聞こえた。
私の声を聞いたダリアちゃんが一瞬で私の目の前に現れた。
「リラちゃん!おはよう!無事!?」
どんな状況でも挨拶を忘れないダリアちゃん。
挨拶大事だもんね。
「おはよう!無事だよ!ダリアちゃんは大丈夫?」
一体どこからきたんだろう。
「もちろん大丈夫。それよりここどこかわかる??」
私はにっこり笑って首を横に振った。
「だよね!私もわかんない!」
こんな状況でも2人でいれば楽しいなんて。
「靴もなくしちゃったし、記憶もない。」
私がそう言うと、ダリアちゃんは笑った。
「同じ、同じ。」
2人いればどうにかなる気がする。
「とりあえず適当に歩いてみる?」
私がそう提案するとダリアちゃんは可愛く笑った。
「うん!もちろん!」
それなら決定だ。
「じゃあ適当に歩こう!」
・
・
・
「歩いてはみたけど……」
私は辺りを見渡した。
私が元々いた砂浜の奥は森になっていた。
海にいてもどうしようもないから、ダリアちゃんがいた森から抜けようとしたんだけど……
「うん、歩いてはみたけどここはどこだろうね。」
ダリアちゃんも私も絶望的に方向感覚がなかった。
「そもそもここはどこなんだろう。2人で酔っ払って無人島にでも来ちゃったのかな?」
記憶がないのが痛い。
「いくら私がヴァンパイアでも、酔ってる時にリラちゃんを担いで無人島には行けないよ。」
それもそうだよね。
泥酔していたのならなおのこと。
「無人島じゃないなら、まだ帰る見込みがあるね。」
私たちは呑気にたらたら歩いているからもう夕方になっていた。
そんな私たちを林の影から狙う恐ろしい輩がいた。
私はもちろんそんなことには気づかない。
最初に気配に気づいたのはダリアちゃんだった。
「リラちゃん。」
ダリアちゃんは変に落ち着いた声で私を呼ぶ。
「何?」
その落ち着き方が逆に不自然だ。
ダリアちゃんはいきなり近くにあった少し大きめの石を手に取る。
一体何をするの?
「走って!!!!」
ダリアちゃんはそう叫ぶといきなり林にその石を投げた。
ゴンッ!!!
豪速球で投げられた石は何か硬いものに当たった音がした。
私は言われた通り走っていたけど、ダリアちゃんにすぐ追いつかれて手を引かれてすごいスピードで走っていた。
何がなんだか分からないけど、ダリアちゃんが焦ると言うことは危険な何かがあったってことだ。
今はとにかく、ダリアちゃんの言うことを聞いていよう。
「うっ…頭痛い…」
寝返りを打つと…
ジャリッ
聴き慣れない音がした。
心なしか体も痛い。
何?
「え!!?」
私の目に飛び込んできた景色はびっくりするものだった。
眩しい太陽に砂浜に海。
ま、まさか?ここで野宿した??
昨日何があったの?
どうしよう、何も思い出せない。
ラリッタさんのお店を出た後から何一つとして思い出せなかった。
あれ?ダリアちゃんは?
「ダリアちゃーん!!」
私の大声は波の音にかき消された。
そしてもう一つ謎がある。
どうして裸足?
せっかく色違いで買ったワンピースも今じゃ砂まみれだ。
まって、何か思い出せるよ。
…………
だめだ、何も思い出せない。
私がどれだけ焦っても海は広くて風も気持ちいい。
少しここに座っていようかな。
状況を整理して、少し休んで、それから行動しよう。
あぁ、それより2連休でよかった。
*******************
sideダリア
「うっ…頭痛い…」
寝返りを打つと…
ガサガサれ!!
聴き慣れない音がした。
心なしか体も痛い。
何?
「は!!?」
私の目に飛び込んできた景色はびっくりするものだった。
砂と石と緑!
ま、まさか?ここで野宿した??
昨日何があったの?
どうしよう、何も思い出せない。
ラリッタさんのお店を出た後から何一つとして思い出せなかった。
あれ?リラちゃんは?
「リラちゃーん!!」
私の大声は木に止まっていた鳥を脅かしただけだった。
そしてもう一つ謎がある。
どうして裸足?
せっかく色違いで買ったワンピースも今じゃ砂まみれだ。
まって、何か思い出せるよ。
…………
だめだ、何も思い出せない。
私がどれだけ考えてもここには森しかない。
少しここに座っていようかな。
状況を整理して、少し休んで、それから行動しよう。
あぁ、それより2連休でよかった。
(※リラとダリアは考え方が同じ)
*********************
sideキジャ
今日俺は朝から大忙しだった。
忙しい理由はなんとも単純。
ヴァンパイアと人間が行方不明になったからだ。
「ここに包囲網を張れ!それからお前らは西を、俺らは東を探す!絶対に生きて連れ帰れ!!」
いや、いやいやいや、団長。
大袈裟すぎません?
「団長、あの子とお友達はもう子供じゃないんですよ?もしかしたら他の男のベッドで」
「アイツがそんな尻軽なわけないだろ!!」
そう思いたいのも分かりますけど…
「とにかく見つけるまで探す!見つけたらすぐに俺に教えろ!いいな!!」
「「「「はい!!!」」」
リラのことになるとこれだ。
もうなんで付き合ってないんだ?本当に疑問だ。
けど俺もちゃんと探してあげないと。
団長は本気で心配してる。
団長は昨日からロクに寝てない。
昨日の夜、集合場所に何時間も現れず探してもどこにもいなかったらしい。
それでこんな捜索隊を出している訳だけど……
「大袈裟すぎません?」
*******************
sideリラ
私が遭難?してから30分経ったくらいに、奇跡が起こる。
「リラちゃーん!!」
この可愛らしい大声は…
「ダリアちゃーん!!!」
私の親友の大声が聞こえた。
私の声を聞いたダリアちゃんが一瞬で私の目の前に現れた。
「リラちゃん!おはよう!無事!?」
どんな状況でも挨拶を忘れないダリアちゃん。
挨拶大事だもんね。
「おはよう!無事だよ!ダリアちゃんは大丈夫?」
一体どこからきたんだろう。
「もちろん大丈夫。それよりここどこかわかる??」
私はにっこり笑って首を横に振った。
「だよね!私もわかんない!」
こんな状況でも2人でいれば楽しいなんて。
「靴もなくしちゃったし、記憶もない。」
私がそう言うと、ダリアちゃんは笑った。
「同じ、同じ。」
2人いればどうにかなる気がする。
「とりあえず適当に歩いてみる?」
私がそう提案するとダリアちゃんは可愛く笑った。
「うん!もちろん!」
それなら決定だ。
「じゃあ適当に歩こう!」
・
・
・
「歩いてはみたけど……」
私は辺りを見渡した。
私が元々いた砂浜の奥は森になっていた。
海にいてもどうしようもないから、ダリアちゃんがいた森から抜けようとしたんだけど……
「うん、歩いてはみたけどここはどこだろうね。」
ダリアちゃんも私も絶望的に方向感覚がなかった。
「そもそもここはどこなんだろう。2人で酔っ払って無人島にでも来ちゃったのかな?」
記憶がないのが痛い。
「いくら私がヴァンパイアでも、酔ってる時にリラちゃんを担いで無人島には行けないよ。」
それもそうだよね。
泥酔していたのならなおのこと。
「無人島じゃないなら、まだ帰る見込みがあるね。」
私たちは呑気にたらたら歩いているからもう夕方になっていた。
そんな私たちを林の影から狙う恐ろしい輩がいた。
私はもちろんそんなことには気づかない。
最初に気配に気づいたのはダリアちゃんだった。
「リラちゃん。」
ダリアちゃんは変に落ち着いた声で私を呼ぶ。
「何?」
その落ち着き方が逆に不自然だ。
ダリアちゃんはいきなり近くにあった少し大きめの石を手に取る。
一体何をするの?
「走って!!!!」
ダリアちゃんはそう叫ぶといきなり林にその石を投げた。
ゴンッ!!!
豪速球で投げられた石は何か硬いものに当たった音がした。
私は言われた通り走っていたけど、ダリアちゃんにすぐ追いつかれて手を引かれてすごいスピードで走っていた。
何がなんだか分からないけど、ダリアちゃんが焦ると言うことは危険な何かがあったってことだ。
今はとにかく、ダリアちゃんの言うことを聞いていよう。
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