133 / 471
禁忌の決意
しおりを挟む
sideライアス
頭の中がフワフワする。
腹が立って仕方ないよ。
リラをなかったことにするのか?
ルシアス、見損なったよ。
どんなに憎まれても、どんなに嫌だと言われても、僕がリラを囲うべきだった。
「それで?」
ルシアスは外に出るや否や僕の胸ぐらを掴んできた。
「俺を殴った言い訳は思いついたか?」
「リラをどこに埋葬した?」
僕はそれだけ知れたらいい。
ルシアスが何もなかったことにするなら僕だけでやる。
僕は必ずリラを取り戻す。
「だから、そいつ誰だよ?お前の何だ?」
何だって聞かれてもね…
「さぁ?僕はリラにとって何だったんだろう。是非本人に聞きたいから、早く埋葬したところを教えてくれる?」
僕にとってリラは希望だ。
なくてはならないもの、それだけだ。
「だから何の話してんだ?俺は今自分のことで手一杯だ。おかしな奴に殺されかけた挙句に頭の中もいじられて知らぬうちに結婚してた。」
ルシアスの言葉にフッと殺意が途絶えた。
「……え?」
「だからお前の女寝取る暇なんかねぇよ。帰れ。」
なかったことにしたんじゃなくて…
「もう一回言ってくれる?」
さっきなんて言った?
「だからお前の女」「それじゃないよ。」
僕が聞きたいのはそっちじゃない。
「ったく、だから、おかしな奴に殺されかけた挙句に頭の中もいじられて結婚してた。俺は昨日の記憶がほぼない。」
記憶がない?
それも一定の記憶がないとしたら…
「ちょっと下向いて。」「は?」
「いいから下向いて!」
僕はとぼけるルシアスの髪を引っ張って下を向かせた。
「っ!てめ!何やってんだ!!」
「っ……これは。」
僕はルシアスのうなじを見て驚いた。
「っ!やめろ!」
ルシアスが僕を振り払って警戒したようにこっちを見る。
「お前本当に何なんだ?」
そんなに変人扱いされたら嫌だな。
特にルシアスからは。
「呪いがかけられてるよ。」
皮肉なことに、リラと全く同じ呪いが。
「は?呪い?」
今のルシアスはポンコツすぎる。
いつもの調子に戻るのは少し時間がかかるかもしれない。
「うん、呪い。ある一定の記憶が消える呪いだよ。その様子だと、リラのことだけ忘れているね。」
ルシアスが普通に動ける状態で呪いをかけるなんていくら腕のいい魔法使いでも無理だ。
殺されかけたって言うのは、きっと呪いをかけるためだけにやられた事。
僕はもうこの時点で犯人がわかったよ。
この間、ルルドを半殺しにして僕たちの前に現れたあの魔法使いだ。
リラをどうするつもりだろう。
もしかしたらリラの体はもう好きに使われてしまったかもしれない。
リラが死んでしまっても、禁断の果実の血さえあれば出来ることは多い。
リラの体から血を抜き取り、いいように利用したと考えると腑が煮え繰り返りそうだ。
とにかくリラを取り返そう。
バラバラにされていなければ大丈夫。
まだ、何とかなる。
バラバラにされていたら……
僕が全て縫い合わせよう。
一つ一つ縫い合わせて必ず元に戻す。
リラのためならそれくらい出来るよ。
「何でそんな事を?誰が俺に?」
ルシアスにしては質問が多い。
きっと自分でもいろいろ考えてたのかな。
「それは追々話すよ。」
とは言っても仕事中だね。
「仕事が終わったら僕の家に来て。あ、それともう一つ。殺されかけたって言ってたけどどこで殺されかけたの?」
僕は夜まで暇になった訳だから、早速手掛かりを探そう。
「海。」
海、ね。
「ルシアスが物思いに耽っているあの海?あの、東の方の。」
よくリラを連れて行っていたからね。
もしかして、最期もそこで過ごしたのかな?
「何で知ってるんだ?俺は誰にも言ったことはない。」
自分だけのお気に入りの場所にリラを何度も連れ込んでいたなんてね。
一体、いつからリラを好きだったのか。
「それも追々。じゃあ後で。」
僕はルシアスの返事も聞かずに飛び出した。
手がかりだけでも掴みたい。
今僕は手持ちのカードがない状況だから。
少しでもいい。
何かあれば食らい付いて離さないよ。
早くリラを生き返らせないとね。
きっとできるよ……なんだってできる。
できないはずないよ。
そもそも、僕の人生からリラがいなくなること自体がおかしな事なんだから。
それを元に戻すだけ。
不可能じゃない、絶対にリラにまた会える。
だから僕は泣かないし嘆かない。
僕は、リラに会う未来しか考えていないから。
誰に何を言われようとやってみせる。
禁忌でも何でもいいんだ。
また、リラに会えるなら。
頭の中がフワフワする。
腹が立って仕方ないよ。
リラをなかったことにするのか?
ルシアス、見損なったよ。
どんなに憎まれても、どんなに嫌だと言われても、僕がリラを囲うべきだった。
「それで?」
ルシアスは外に出るや否や僕の胸ぐらを掴んできた。
「俺を殴った言い訳は思いついたか?」
「リラをどこに埋葬した?」
僕はそれだけ知れたらいい。
ルシアスが何もなかったことにするなら僕だけでやる。
僕は必ずリラを取り戻す。
「だから、そいつ誰だよ?お前の何だ?」
何だって聞かれてもね…
「さぁ?僕はリラにとって何だったんだろう。是非本人に聞きたいから、早く埋葬したところを教えてくれる?」
僕にとってリラは希望だ。
なくてはならないもの、それだけだ。
「だから何の話してんだ?俺は今自分のことで手一杯だ。おかしな奴に殺されかけた挙句に頭の中もいじられて知らぬうちに結婚してた。」
ルシアスの言葉にフッと殺意が途絶えた。
「……え?」
「だからお前の女寝取る暇なんかねぇよ。帰れ。」
なかったことにしたんじゃなくて…
「もう一回言ってくれる?」
さっきなんて言った?
「だからお前の女」「それじゃないよ。」
僕が聞きたいのはそっちじゃない。
「ったく、だから、おかしな奴に殺されかけた挙句に頭の中もいじられて結婚してた。俺は昨日の記憶がほぼない。」
記憶がない?
それも一定の記憶がないとしたら…
「ちょっと下向いて。」「は?」
「いいから下向いて!」
僕はとぼけるルシアスの髪を引っ張って下を向かせた。
「っ!てめ!何やってんだ!!」
「っ……これは。」
僕はルシアスのうなじを見て驚いた。
「っ!やめろ!」
ルシアスが僕を振り払って警戒したようにこっちを見る。
「お前本当に何なんだ?」
そんなに変人扱いされたら嫌だな。
特にルシアスからは。
「呪いがかけられてるよ。」
皮肉なことに、リラと全く同じ呪いが。
「は?呪い?」
今のルシアスはポンコツすぎる。
いつもの調子に戻るのは少し時間がかかるかもしれない。
「うん、呪い。ある一定の記憶が消える呪いだよ。その様子だと、リラのことだけ忘れているね。」
ルシアスが普通に動ける状態で呪いをかけるなんていくら腕のいい魔法使いでも無理だ。
殺されかけたって言うのは、きっと呪いをかけるためだけにやられた事。
僕はもうこの時点で犯人がわかったよ。
この間、ルルドを半殺しにして僕たちの前に現れたあの魔法使いだ。
リラをどうするつもりだろう。
もしかしたらリラの体はもう好きに使われてしまったかもしれない。
リラが死んでしまっても、禁断の果実の血さえあれば出来ることは多い。
リラの体から血を抜き取り、いいように利用したと考えると腑が煮え繰り返りそうだ。
とにかくリラを取り返そう。
バラバラにされていなければ大丈夫。
まだ、何とかなる。
バラバラにされていたら……
僕が全て縫い合わせよう。
一つ一つ縫い合わせて必ず元に戻す。
リラのためならそれくらい出来るよ。
「何でそんな事を?誰が俺に?」
ルシアスにしては質問が多い。
きっと自分でもいろいろ考えてたのかな。
「それは追々話すよ。」
とは言っても仕事中だね。
「仕事が終わったら僕の家に来て。あ、それともう一つ。殺されかけたって言ってたけどどこで殺されかけたの?」
僕は夜まで暇になった訳だから、早速手掛かりを探そう。
「海。」
海、ね。
「ルシアスが物思いに耽っているあの海?あの、東の方の。」
よくリラを連れて行っていたからね。
もしかして、最期もそこで過ごしたのかな?
「何で知ってるんだ?俺は誰にも言ったことはない。」
自分だけのお気に入りの場所にリラを何度も連れ込んでいたなんてね。
一体、いつからリラを好きだったのか。
「それも追々。じゃあ後で。」
僕はルシアスの返事も聞かずに飛び出した。
手がかりだけでも掴みたい。
今僕は手持ちのカードがない状況だから。
少しでもいい。
何かあれば食らい付いて離さないよ。
早くリラを生き返らせないとね。
きっとできるよ……なんだってできる。
できないはずないよ。
そもそも、僕の人生からリラがいなくなること自体がおかしな事なんだから。
それを元に戻すだけ。
不可能じゃない、絶対にリラにまた会える。
だから僕は泣かないし嘆かない。
僕は、リラに会う未来しか考えていないから。
誰に何を言われようとやってみせる。
禁忌でも何でもいいんだ。
また、リラに会えるなら。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる