301 / 471
脅し
しおりを挟む
sideルシアス
あぁ、全く気分がいい。
その顔…
「おい、クソガキ」
相当怒ってんじゃねぇか。
「誰に向かってものを言っている?」
何かあったのは図星だな。
「まぁ、そう怒るなよ。こっちだって喧嘩しに来たわけじゃない。」
ここで本気で怒らせたら全てが台無しになる。
怒らせないようにするのはなかなか難しいだろうが。
「僕らも一応はいい報告ができると思って来たんだけど。」
ライアスはお得意の作り笑いを浮かべるが、逆にそれが胡散臭い。
煽りの天才か?
「いい報告?俺の部下2人の首をもぎ取ったのにか?」
あぁ、俺らが転がした奴らか。
「そんなのでも本当に部下か?よく見てみろ。」
俺とライアスが気づいたからよかったな。
「ほら。」
ライアスが首を拾ってアイツに投げる。
アイツは迷いなくその首を取って俺たちが見つけた痕跡を眺めた。
「注射痕か。」
痕跡に気付いて王がニヤリと口角を上げる。
「それで?これが俺の兵を殺す理由になるのか?」
「もちろん。僕らが1秒でも早く葬ったことに感謝すると思うよ?」
注射痕で全てが腑に落ちた。
この王の衛兵にもあの魔女の息がかかっていたということだ。
「哀れにもその兵は、誰かさんの怖~い元カノの虜らしい。首の注射痕を見るにあの女の手口だ。」
勝気な顔が少しだけ動揺で歪む。
この警戒態勢は俺らへのものじゃない。
あの女を恐れていたんだ。
「ルシアス、あの女じゃきっと沢山いすぎて誰かわからないだろうからちゃんと名前を言ってあげなよ。」
「あぁ、それもそうだな、お兄様。」
誰かを追い詰める時だけは俺とライアスは完璧なチームワークを発揮する。
俺もライアスもとことん性格が悪い。
「「タランテラ・ガルシア」」
*******************
sideクロウ
おいおい、大丈夫か?
「ほう?」
完全に怒ってないか?
そして、ルシアスが怒ったときに額に筋が入るのは親譲りらしい。
「別にそんな怖い顔すんな、それを弱みにゆすりに来たんじゃない。」
親子でゆするとかあるのか?
王族は凄まじいな。
絆を感じられない。
「むしろ、手を組みたくてきたんだよ。協力しよう。」
協力か……
残念ながら、お前たち兄弟は協力って顔をしていない。
大人を揶揄うのが上手いというか、付け上がるのがうまいというか……
完全に水を得た魚だ。
「タランテラの目的は何かは知らないけど、はっきりしていることが一つ。禁断の果実を欲しがっているんだよ。
僕らとしてもその子を取られたくないし、そっちも取られたら都合が悪いんじゃないの?」
ライアスが質問を投げかけたら、王の間に誰かが現れた。
あぁ、あれは。
俺の調べた情報が正しければ、あれは確かアルテと呼ばれている男だ。
シャドウを束ねている手練れと聞いてる。
アルテは王の耳元で何かを囁いた。
俺らには聞こえない、一体何言ったんだ?
「ご苦労、アルテ。後は任せた。」
「はい。」
王は何故かアルテを下がらせた。
「禁断の果実はどこへやった?」
なるほど、アルテは禁断の果実がいないと判断したわけだ。
それにしてもリラの顔を知っているはずだが、まさかドレスアップしていたから分からなかったのか??
「どこにもやってないよ。」
「むしろ今はお前の手中だ。」
ルシアスがそう言った瞬間…
「み、みんな、抵抗しちゃダメだよ…いたっ!」
「おい!!リラに乱暴すんな!いでっ!!」
「ちょっと!!変態!触んないで!」
「おい、ダリアに触んな変態。」
騒がしい我らがチーム☆ゴーストが登場した。
全員、気がつくのが早かったな。
4人は手を背中側で掴まれて拘束されている。
横に一列に並ばされて膝立ちを強いられた。
「離してやれ、男はともかく女にする事じゃないだろ。」
ルシアスがそう言うと王はまた笑う。
「ルシアス、お前はいつもそうだ。女に甘い。この父から一つ教授してやろう。」
王はそう言って一瞬で消えた。
かと思えばリラとダリアの目の前にいる。
2人はその速さに怯えていた。
「ひっ!!」
「きゃっ!!」
王は2人の顎を掴み上げる。
「おい!!やめろよ!!おっさん!!!」
「離せ!!2人に触るな!!」
ラルフとルディが騒ぎ後ろの奴にしばかれる。
それを見て我慢できなくなった俺は…
「乱暴なことをするな。」
ラルフとルディを殴った奴に攻撃魔法を当てた。
ぶっ飛んで行った兵を見てラルフとルディがキョトンとする。
「いや、クロウさんが一番乱暴じゃん。」
「それな。」
あぁ、全く気分がいい。
その顔…
「おい、クソガキ」
相当怒ってんじゃねぇか。
「誰に向かってものを言っている?」
何かあったのは図星だな。
「まぁ、そう怒るなよ。こっちだって喧嘩しに来たわけじゃない。」
ここで本気で怒らせたら全てが台無しになる。
怒らせないようにするのはなかなか難しいだろうが。
「僕らも一応はいい報告ができると思って来たんだけど。」
ライアスはお得意の作り笑いを浮かべるが、逆にそれが胡散臭い。
煽りの天才か?
「いい報告?俺の部下2人の首をもぎ取ったのにか?」
あぁ、俺らが転がした奴らか。
「そんなのでも本当に部下か?よく見てみろ。」
俺とライアスが気づいたからよかったな。
「ほら。」
ライアスが首を拾ってアイツに投げる。
アイツは迷いなくその首を取って俺たちが見つけた痕跡を眺めた。
「注射痕か。」
痕跡に気付いて王がニヤリと口角を上げる。
「それで?これが俺の兵を殺す理由になるのか?」
「もちろん。僕らが1秒でも早く葬ったことに感謝すると思うよ?」
注射痕で全てが腑に落ちた。
この王の衛兵にもあの魔女の息がかかっていたということだ。
「哀れにもその兵は、誰かさんの怖~い元カノの虜らしい。首の注射痕を見るにあの女の手口だ。」
勝気な顔が少しだけ動揺で歪む。
この警戒態勢は俺らへのものじゃない。
あの女を恐れていたんだ。
「ルシアス、あの女じゃきっと沢山いすぎて誰かわからないだろうからちゃんと名前を言ってあげなよ。」
「あぁ、それもそうだな、お兄様。」
誰かを追い詰める時だけは俺とライアスは完璧なチームワークを発揮する。
俺もライアスもとことん性格が悪い。
「「タランテラ・ガルシア」」
*******************
sideクロウ
おいおい、大丈夫か?
「ほう?」
完全に怒ってないか?
そして、ルシアスが怒ったときに額に筋が入るのは親譲りらしい。
「別にそんな怖い顔すんな、それを弱みにゆすりに来たんじゃない。」
親子でゆするとかあるのか?
王族は凄まじいな。
絆を感じられない。
「むしろ、手を組みたくてきたんだよ。協力しよう。」
協力か……
残念ながら、お前たち兄弟は協力って顔をしていない。
大人を揶揄うのが上手いというか、付け上がるのがうまいというか……
完全に水を得た魚だ。
「タランテラの目的は何かは知らないけど、はっきりしていることが一つ。禁断の果実を欲しがっているんだよ。
僕らとしてもその子を取られたくないし、そっちも取られたら都合が悪いんじゃないの?」
ライアスが質問を投げかけたら、王の間に誰かが現れた。
あぁ、あれは。
俺の調べた情報が正しければ、あれは確かアルテと呼ばれている男だ。
シャドウを束ねている手練れと聞いてる。
アルテは王の耳元で何かを囁いた。
俺らには聞こえない、一体何言ったんだ?
「ご苦労、アルテ。後は任せた。」
「はい。」
王は何故かアルテを下がらせた。
「禁断の果実はどこへやった?」
なるほど、アルテは禁断の果実がいないと判断したわけだ。
それにしてもリラの顔を知っているはずだが、まさかドレスアップしていたから分からなかったのか??
「どこにもやってないよ。」
「むしろ今はお前の手中だ。」
ルシアスがそう言った瞬間…
「み、みんな、抵抗しちゃダメだよ…いたっ!」
「おい!!リラに乱暴すんな!いでっ!!」
「ちょっと!!変態!触んないで!」
「おい、ダリアに触んな変態。」
騒がしい我らがチーム☆ゴーストが登場した。
全員、気がつくのが早かったな。
4人は手を背中側で掴まれて拘束されている。
横に一列に並ばされて膝立ちを強いられた。
「離してやれ、男はともかく女にする事じゃないだろ。」
ルシアスがそう言うと王はまた笑う。
「ルシアス、お前はいつもそうだ。女に甘い。この父から一つ教授してやろう。」
王はそう言って一瞬で消えた。
かと思えばリラとダリアの目の前にいる。
2人はその速さに怯えていた。
「ひっ!!」
「きゃっ!!」
王は2人の顎を掴み上げる。
「おい!!やめろよ!!おっさん!!!」
「離せ!!2人に触るな!!」
ラルフとルディが騒ぎ後ろの奴にしばかれる。
それを見て我慢できなくなった俺は…
「乱暴なことをするな。」
ラルフとルディを殴った奴に攻撃魔法を当てた。
ぶっ飛んで行った兵を見てラルフとルディがキョトンとする。
「いや、クロウさんが一番乱暴じゃん。」
「それな。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる