生贄少女とヴァンパイア

秋ノ桜

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エール

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sideルシアス


「っ…!」


内臓の攻撃が終わった。


そしたらまた関節への攻撃が始まる。


「次は関節だ!抑えろ!」


おそらくリラの体内はもうぐちゃぐちゃだ。


死ねないのがつらい、そんな状態だろう。


「おーい!!!!ルシアス!!その他諸々ー!!!」


この手が離せない状態の時に全裸のルディが現れた。


「ルディ!!何やってるんだ!!服くらい着ろ!!」


クロウはルディきお行儀を説く。



「服なんていい!!!とりあえず大変なことがあったんだって!!!」



かなり焦ってるな、待機組の誰か怪我でもしたか?


「見ての通り手一杯だ!何があったか話せ!」


俺がそう言うと、ルディが衝撃的なことを俺たちに告げる。


「あの魔女の本体を見つけたんだよ!!!」

「は!?」



俺は思わず聞き返す。


「あの女の本体!?どこに!」


ライアス達も流石に驚いていた。



「図書室の隠し部屋の床下!」


あの隠し部屋の床下まで探すとはさすがだな。


「その本体ってのは死体なのか?」


クロウが聞いた。


「水の中で保存されてました!」



水の中で本体を保存?


300年だぞ…化け物か…?


「そこの全裸の小僧、こちらへ来い。」


今まで何も話さなかった木の野郎がいきなり口を開いた。


「あ!!!噂の木のおっさん!!!」


ルディはそう言いながら全裸でこっちに走ってきた。



「小僧、そこの魔法使いの男と役割を変わりお前がその小娘の世話をしろ。
お前の説明じゃ何もわからん上に、魔法の知識のない者には判断のできる事ではない。そして服を着ろ。」

「うん!わかった!」



クロウとルディが交代か。


やかましくなりそうだ。



「クロウさん!変わります!で、それ何してんの?」

「リラは今あの魔女に中から攻撃されてる。力を緩めるとリラの関節がありえない方向に曲がるから抑えているとこだ。」


「了解です!」



ルディはそう言ってクロウの手の真横に自身の手を置きしっかりと抑える。


「いいか、離すぞ。」
「はい!!」



クロウがリラの膝を離すと同時に、ルディが押さえに入る。



「こっちは何とかするから後は任せたよ、クロウ。」



ライアスがそう言うとクロウは頷き、空間魔法で一瞬にして消えた。



*********************

sideルディ


「ルシアス!リラに声は届くのか?て言うかなんであの魔女リラにこんな事すんだよ!」


俺が押さえているリラの腕はギチギチとおかしな方向に曲がりたがっている。



「リラの魂を乗っ取ろうと躍起になってる。おそらく、リラが抵抗しているからこんな拷問して魂を明け渡すように催促してんだ。」


なるほど、リラはどんな拷問されてもまだ魂を明け渡してないってことか。



そっか、そっか…こんな痛い事されてるのに、本当に格好いいな、リラ。


「わかった!で、リラに声は聞こえてんのか??」


俺の問いに木のおっさんが答える。



「多少は聞こえるはずだ、聴力が死んだわけじゃない。」



なるほど、じゃあ俺の言葉は届くわけだ。



「よし!!リラー!!!!頑張れ!!!!俺が!俺らがずっと一緒にいるからな!!1人じゃないぞ!!!!
俺らが絶対その魔女後で八つ裂きにするから!
それまでもう少しだけ頑張れ!!!!」



俺が大声で叫ぶとリラの閉じた目から涙が溢れてきた。



「絶対に見捨てないからな!!」
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