460 / 471
殴り愛
しおりを挟む
sideリラ
「ちゃんと歯食いしばってね、じゃないと歯が折れちゃうからね、いい?いくよ?」
「はい!!」
バキッ!!!!
「っ!!!」
生まれて初めて友達に殴られた。
「わぁぁあっ!!!ゴリラ!!自分の拳を甘く見るんじゃねぇよ!!!お前の拳はお前が想像している5倍は強い!!」
ルディはさっきから不安そうにしてオロオロしていた。
私は華麗に吹っ飛んで、大広間の壁にのめり込む。
「ゲホッ…」
ダリアちゃんの一撃は相当なものだった。
体が叩きつけられたせいで吐血もした。
肋骨も何本か折れてしまっている。
これが何を意味するか…
「い…痛い…」
涙が出るほど、ダリアちゃんの拳は痛い。
「ごめんね、リラちゃん!でもリアリティを出すにはリラちゃんをボコボコにしないと!」
ダリアちゃんも泣いていた。
お互いつらいね。
殴る方も、殴られる方も。
「ちょっとお二人さーん。壁の修理は俺らがやるんだからお手柔らかにねー。」
キジャさんは呆れたように私たちを見ている。
「そんなに本気で殴らなくてもいいんじゃ…」
ルルドさんは珍しく心配してくれているのかな?
「リラ大丈夫か?」
ルディが私の近くへ来て私を壁から引っ張り出してくれる。
「あぁぁあ…リラの超絶可愛い顔が……」
ルディまでもが泣きそうな勢いだった。
「大丈夫、歯が折れなければいい。」
歯は大事だからね。
特に前歯。
一生歯抜けは嫌だ…。
「リラ……違う、そうじゃない、違うんだよ。」
ルディは根本から違うと私に言いたいらしい。
「ルディ!退いて!!」
ダリアちゃんが一瞬で私の前に現れた。
「それはダメ!!」
バキッ!!!
「えぇっ!?」
蹴り上げられたのはルディだった。
今度はルディが天井にめり込んでいる。
「ルディ!大丈夫!?」
「馬鹿!!この駄犬!!なんで庇ったのよ!!」
ルディが咄嗟に私を庇ったから、今こんな状況になっているんだ。
「も、申し訳、ゴホッ、ございません…咄嗟に体が動いて…ゴホッ…!」
ルディも私と同じくらいの傷を負った。
「もうあんたそこにいて!」
ダリアちゃんはルディを助ける事なく…
「リラちゃん!いくよ!!」
私の胸ぐらを掴み…
「え!?きゃっ!!」
私を反対側の壁側にぶん投げた。
********************
sideルシアス
ドーン!!!!
大広間から大広間らしからぬ音が聞こえた。
また随分と派手にやってるみたいだな。
恐る恐る、大広間の扉を開けた。
なんで、自分の家の大広間をこんな辿々しい感じで開けないといけないんだ。
本当に疑問だらけだ。
バキッ!!!!
リラが吹っ飛んでいくのが見えた。
ダリアの拳が綺麗にリラの顎に入っている。
あれは相当痛い。
顎が割れたかもな。
「あ゛ぁあ゛っ!!それダメ!!それダメ!!殴りすぎ!!」
それより、どうしてルディは天井に食い込んでいるんだ?
「どんな感じだ?」
俺は仁王立ちしているラルフに聞いた。
「いい感じだ。」
「…だろうな。」
俺の最愛の妻がボロボロだ。
「リラ、大丈夫か?」
離れたところから声をかけると、俺の顔を見てリラが急に顔を隠した。
どうしたんだ?
まさか顔がぐちゃぐちゃに崩れたか?
「リラ、見せてみろ。」
あまりにも怪我が酷いなら俺の血を分ける。
「……」
リラは一向に顔を上げない。
「リラ、顔を」
「嫌です…顔が…酷い顔なんです…。」
すごく懐かしいことを思い出した。
俺がライアスに顔をボコボコに殴られて顔を見られたくない時があった。
あの時、リラは確か…
「それなら逆に見てみないとな。」
無理矢理見たよな?俺の顔を。
俺はリラの腕を掴んで無理矢理開かせた。
「ちゃんと歯食いしばってね、じゃないと歯が折れちゃうからね、いい?いくよ?」
「はい!!」
バキッ!!!!
「っ!!!」
生まれて初めて友達に殴られた。
「わぁぁあっ!!!ゴリラ!!自分の拳を甘く見るんじゃねぇよ!!!お前の拳はお前が想像している5倍は強い!!」
ルディはさっきから不安そうにしてオロオロしていた。
私は華麗に吹っ飛んで、大広間の壁にのめり込む。
「ゲホッ…」
ダリアちゃんの一撃は相当なものだった。
体が叩きつけられたせいで吐血もした。
肋骨も何本か折れてしまっている。
これが何を意味するか…
「い…痛い…」
涙が出るほど、ダリアちゃんの拳は痛い。
「ごめんね、リラちゃん!でもリアリティを出すにはリラちゃんをボコボコにしないと!」
ダリアちゃんも泣いていた。
お互いつらいね。
殴る方も、殴られる方も。
「ちょっとお二人さーん。壁の修理は俺らがやるんだからお手柔らかにねー。」
キジャさんは呆れたように私たちを見ている。
「そんなに本気で殴らなくてもいいんじゃ…」
ルルドさんは珍しく心配してくれているのかな?
「リラ大丈夫か?」
ルディが私の近くへ来て私を壁から引っ張り出してくれる。
「あぁぁあ…リラの超絶可愛い顔が……」
ルディまでもが泣きそうな勢いだった。
「大丈夫、歯が折れなければいい。」
歯は大事だからね。
特に前歯。
一生歯抜けは嫌だ…。
「リラ……違う、そうじゃない、違うんだよ。」
ルディは根本から違うと私に言いたいらしい。
「ルディ!退いて!!」
ダリアちゃんが一瞬で私の前に現れた。
「それはダメ!!」
バキッ!!!
「えぇっ!?」
蹴り上げられたのはルディだった。
今度はルディが天井にめり込んでいる。
「ルディ!大丈夫!?」
「馬鹿!!この駄犬!!なんで庇ったのよ!!」
ルディが咄嗟に私を庇ったから、今こんな状況になっているんだ。
「も、申し訳、ゴホッ、ございません…咄嗟に体が動いて…ゴホッ…!」
ルディも私と同じくらいの傷を負った。
「もうあんたそこにいて!」
ダリアちゃんはルディを助ける事なく…
「リラちゃん!いくよ!!」
私の胸ぐらを掴み…
「え!?きゃっ!!」
私を反対側の壁側にぶん投げた。
********************
sideルシアス
ドーン!!!!
大広間から大広間らしからぬ音が聞こえた。
また随分と派手にやってるみたいだな。
恐る恐る、大広間の扉を開けた。
なんで、自分の家の大広間をこんな辿々しい感じで開けないといけないんだ。
本当に疑問だらけだ。
バキッ!!!!
リラが吹っ飛んでいくのが見えた。
ダリアの拳が綺麗にリラの顎に入っている。
あれは相当痛い。
顎が割れたかもな。
「あ゛ぁあ゛っ!!それダメ!!それダメ!!殴りすぎ!!」
それより、どうしてルディは天井に食い込んでいるんだ?
「どんな感じだ?」
俺は仁王立ちしているラルフに聞いた。
「いい感じだ。」
「…だろうな。」
俺の最愛の妻がボロボロだ。
「リラ、大丈夫か?」
離れたところから声をかけると、俺の顔を見てリラが急に顔を隠した。
どうしたんだ?
まさか顔がぐちゃぐちゃに崩れたか?
「リラ、見せてみろ。」
あまりにも怪我が酷いなら俺の血を分ける。
「……」
リラは一向に顔を上げない。
「リラ、顔を」
「嫌です…顔が…酷い顔なんです…。」
すごく懐かしいことを思い出した。
俺がライアスに顔をボコボコに殴られて顔を見られたくない時があった。
あの時、リラは確か…
「それなら逆に見てみないとな。」
無理矢理見たよな?俺の顔を。
俺はリラの腕を掴んで無理矢理開かせた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる