生意気な妹がVTuber活動をやってるなんて、冗談だと言ってほしい!

あすぴりん

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第32話 女の子たちの水着選びは、もっと大変っ!

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 すみれと竹中が偶然同じ場所で遭遇したが、すぐに水着売り場に行ってしまったので俺はまた仕方なくベンチに座る。するとすぐにズボンのポケットに入れてあるスマホが鳴り出した。すぐに取り出して、表示された名前を見ると彩夏ちゃんからだ。

『ああ、彩夏ちゃんどうしたの?』
『渉さんったら勝手にどっか行って、もう。せっかく良い水着が見つかったから、見てほしかったですの』

 電話越しでもぷんぷんと怒っているのが想像できるな。

『ごめんごめん、喉乾いたから自販機のベンチで飲み物買って飲んでたんだよ』
『そうだったのですの。そうそう、すみれさん達に今さっき偶然会って合流したので、戻って来てくださいの』
『え、ちょっ、待って――』

 彩夏ちゃんはそう言って通話を切ってしまった。やれやれ、またあの水着コーナーに行くとかあり得ないだろ。とりあえず行くだけ行って、事情を説明するとして。後はどこか適当な喫茶店にでも入って、待つことにするか。さすがにすみれが嫌がるだろうしな。

 俺がまた女性用水着売り場に行くと、彩夏ちゃん、すみれ、竹中が楽しそうに水着を選んでいる最中だった。やっぱり女性同士の方が盛り上がるんだろう。そんなふうに思っていると、こっちに彩夏ちゃんが気付いた。

「あっ、渉さん、こっちですの」

 仕方なく3人のいる場所に足を運ぶ。みんなそれぞれ一様に海で着る水着を真剣に選んでいる。しかしこうやって売り場に来て初めて分かったが、女性の水着の種類は多いと知る。

「ねぇねぇ赤坂君は、可愛い妹にどんな水着を着てほしいか、要望はあるのかな?」

 竹中が自分で着る物より何故かすみれに合う水着を、男目線で選んでいるかのような、鋭い眼光で比べている。そしてヒョイヒョイとすみれのカゴに入れていた。

「こらっ。何しれっと露出の多い水着を私に買わせようとしてるの。私そんなビキニ着ないからね」
「じゃあ、私が買ってそれをプレゼントしたら、着てくれるのかな~?」
「もーっ、ふざけてないで、朱里も自分のを選んでってば」

 すみれはカゴに入った水着を元の場所に戻す。流れでいてしまったが、そうだ俺はこんな所に突っ立っているためにいる訳じゃない。さっさと退散しなくては。

「なぁ、3人ともまだ時間かかるだろ。俺は1階の喫茶店にでもいるから、そこで待ってるから」
「え、そんな事言わないでくださいの。せっかく可愛い水着を見つけましたのに~」
「まぁそうよね。普通は居づらいよね、兄貴も」

 すみれの言うとおりだ。さすがに、長くここにいるのは居心地が悪い。変な蕁麻疹じんましんが出てきそうだし、女性の水着を見るのも恥ずかしいのもある。

「とにかく、俺は下の喫茶店に入っているから、終わったら連絡してくれ」

 なんかどっと疲れた気がする。それでもこの階から離れられると思うと安堵した。俺は早足で踵を返し、3人と分かれて1階にある喫茶店に入る事にしたのだった。





 あれから約50分くらいが経っただろうか。入った喫茶店でアイスコーヒーを頼み、暇だったのでスマホゲーで時間を潰していたら、竹中から電話がきた。

『もしもーし、赤坂君。こっちの買い物終わったから、今から全員でそっちに行くね。喫茶店はどの店?』
『ああ、思ったより早かったな』

 竹中に店の名前を伝えて電話を切る。

 やれやれ水着1着でやたら時間をかけやがって。数分後に3人が喫茶店に入ってきた。全員それぞれの手には買い物袋を複数提げている。明らかに水着以外にも買い物したであろう、服のブランドや、よく分からない店名の袋もある。なるほど、他の店にも寄っていた訳だ。

「渉さんお待たせしましたの」
「ごめーん。ちょっと色々他にも見てたら買いたくなっちゃってさ。えへへ」

 3人が空いた4人用の席に座る。窓際に俺、その隣にすみれが、そして向かいに竹中と彩夏ちゃんだ。

「まぁ、どうせそんなもんだと思ったよ。待ってる間に腹減ったし、飯でも頼むけど、みんなはどうする?」
「そうね。私もお腹減ったし、何か食べようかな」

 すみれがメニュー表を取り、何を食べるか考え込む。俺も全てのメニュー表を取り出し、全員に渡す。

「わたくしも、お腹がすきましたわ。みなさんでお食事と致しますの」
「そうだねー。すっかりお腹減ったし、サンドウィッチと紅茶とかあるかな」

 店員さんを呼んで全員がそれぞれ自分たちの料理を注文していく。

「それで全員もう買い物は満足したのか?」
「みんな満足した物が買えたと思うよ。赤坂君は期待して良いと思うよ」

 竹中はごそごそと紙袋の中身を見て、妙に嬉しそうにしている。何かよっぽど良いデザインの水着でも買えたのか?

「そういえば朱里さん、さっき買ったあれは何なのですの?」

 俺とすみれが届けられてきた料理を、受け取っていく。ここに来てから待つ事しかしてないが、目の前にある俺が注文したハンバーガーセットは非常に美味おいしそうだ。ジューシーなパティが肉厚で、野菜も入っており、ソースの匂いが食欲をそそる。

「ああ、あれね。あれは海に行った時までの秘密。その時になったら教えるから楽しみにしててね」
「そうなのですね。わかりましたの。ではお食事と致しますの」

 みんなそれぞれサンドウィッチや、ナポリタン、パンケーキなどを食べ始めた。しかし竹中が買った物については、ちょっと気になるな。一体ここで何を買ったのやら。

「すみれのナポリタン、古き良き味がして美味しそうじゃん。一口ちょーだいよ」
「じゃあ朱里のサンドウィッチと交換ね」

 言いながら2人はそれぞれの料理を少し交換している。

 こうして俺達は食事を済まして後、少しまたぶらぶらしてから全員で帰ったのだった。
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