触れられ触れて、人になる。

佐倉 悦巳(さくら えつみ)

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  幸せそうに細められた目から、一筋の涙がつたう。それは秋久さんの細い顎にたどり着くと、雫になって光った。俺は引き寄せられるかのようにそこに舌を這わせて舐めとる。秋久さんのすべてを、ひとつも残さず自分のものにしたかった。
  涙の痕を逆から口づけで辿る。顎から口元へと、ちゅっ、ちゅっと音を立てながら。途中、甘いしょっぱさを分け合うように舌を絡め、頬へ、目尻へ……額へ。その間、秋久さんは回した手でずっと背中を撫でてくれていた。
「……困ったな」
  ぽつりとこぼすと、至近距離から問いかけるような視線を向けられた。
「その……知識が、ほとんどなくて……すごく……秋久さんを欲しいと思うのに、方法がよく分からない」
  そう白状すると、目の前の顔が一遍に赤く染まった。
  生来せいらい、俺は他人にも性的なことにも興味が薄い。女性相手にだって大して経験が無いというのに、男性とこんなことになるなど、考えたことすらなかった。
  俺の言葉に、伏せられた睫毛がふるりと揺れる。
「僕も……」
  するりと触れてきた手が、俺の手の甲を包んで、そっと導く。
  その先は……、
「男同士……だと、ココ……を使うってコト、くらいしか……」
  女性と比べると硬い男の身体。その中で最も柔らかいであろうところ。
  誘われるままに触れると、手に伝わる弾力に思わず息をのんだ。“ココ”と上から強く押されて、服越しながら、中指が谷間に埋まる。
  (……心臓がうるさすぎて、めまいがしそうだ)
  危うく、勢いを増して全身を巡る血液が、一カ所に集まってしまいそうで、俺は熱を散らそうと、ゆっくりと息を吐き出した。
「とりあえず、シャワー……浴びてきていい?」
  “そこから先は、一緒に進もう”真っ赤な顔をして、秋久さんはそう言った。
  
「僕、シャワーを浴びてきていい?って訊いたんだけど……」
 浴室は声が良く響く。隣の部屋を気にしてか、声を落として秋久さんが言う。
「浴びてるでしょう?」
「一緒にって言った覚えはないよ」
「俺も浴びたかったし、お互いに独りで待つ時間を作りたくなかったんだ」
  シャワーと俺の間に挟まってお湯を浴びている秋久さんが、不満そうに見上げてくる。
「せっかく秋久さんがシてもいいって思ってくれたのに、俺がシャワーから戻ってくるまでに気持ちが醒めたら嫌だ」
「……」
「ぃてっ」
  不満そうなまなざしがその色を深めたと思ったら、かぷりと鎖骨に噛みつかれた。突然のことに驚く俺をぐいと引き寄せて、今度は唇に、同じく噛みつくようなキス。
「……してもいい、じゃないし、そのくらいのことで醒める程度の気持ちじゃないつもりなんだけど」
  華奢で柔らかそうな見た目に反して、随分と男らしい行動をとって見せた彼は、
「……少しも怖くないわけじゃないけど、僕だって文人くんとシたい」
  と告げた後、
「けど、いきなり全部見られるなんて、なんていうか、その……心の準備?が、さ」
  と恥ずかしそうにうつむいた。
「……秋久さん、それ、俺を煽るだけだって分かってる?」
  耳まで赤く染める愛しい人を前に、頭のどこかで、理性が焼き切れる音がした。
  
「あ……っ、文人くん、そこ、や……っ」
  狭い浴室に、シャワーでは隠しきれない、くちゅくちゅと濡れた音が響く。
  下宿を選ぶ時に、バスとトイレがセパレートになっていることを条件に入れていた自分を褒めてやりたい。そのおかげで、お情け程度とはいえ、この部屋の風呂には洗い場がついている。
  そこに膝立ちになり、壁に手をついた秋久さんを後ろから抱きしめるようにして、俺は彼の後ろに指を挿し入れていた。
「辛い?」
  時折苦しそうな声が漏れ、その度に不安になっては手を止めて尋ねる。本来挿れるようになど作られていないソコは、きゅっと締まって、侵入者を拒む。なだめすかすようにしてなんとかナカにおさまった中指が、動かしにくいほどに。
「へい、き」
「平気なわけないでしょう」
  ちゅ、とうなじに口づけを落とす。
「強がらなくていいよ。痛かったり辛かったりしたらちゃんと言って?やり方変えてみるから」
  でもごめん、とこめかみにもキスをする。
「工夫ならいくらでもするけど、やめてあげることは……できそうにない」
  そう告げた瞬間、ぐっと身体をよじった秋久さんに口を塞がれた。
「ん……っ」
「んぁ、ふ……」
  ぷは、と大きく息を吸った彼は、相変わらず耳までを真っ赤にしたままで言った。
「ここまで来て、やめるなんて言わないでよ。……僕だって、もう止まれない」
  “だから、指、増やしてよ。早く、文人くんとひとつになりたい”その言葉に背中を押されて、俺は指を二本に増やす。ボディソープの助けを借りてつぷんと入り込んだ指を、ゆっくり抜き差ししてはナカを擦り、ゆっくりと広げる。
「あ!ん、……あぁっ……ん、ぅ」
  ぐち、と中で曲げた指が、腹側の一点を押した瞬間、
「ぅ、あぁっ⁉」
  と秋久さんが一際高い嬌声をあげた。
「ごめ……っ!」
  痛かったのかと思い慌てて指を抜こうとしたけれど、きゅっとナカが締まって引き留められる。
「なに?今の……」
  呆然とした様子で秋久さんがつぶやく。
「痛かった?」
「ううん、大丈夫……なんか、ゾクッとして……」
「気持ちイイ?」
「わかんない……他のところと、違う感じがする」
「……ここ?」
  さっき触れたのはここら辺だっただろうかと、無意識の行動をなんとか辿る。すると、周りと比べて少し硬くなっている箇所があることに気付く。
  (ここ、か?)
  目星をつけた場所を、ぐ、と圧迫した途端、秋久さんの身体が大きく跳ねた。
「ふぁっ!?」
「良かった、合ってた」
  押すだけでなく、強めに擦ったり、くすぐるように軽く触れてみたり……そんなことをする内に、どうやら表面ではなく中側に反応するのだと気付く。
「あ、くっ……あ……ぁ」
  ぐりぐりとその場所を刺激するうち、秋久さんは身体を小さく震わせ始めた。ナカが不規則に収縮し、段々とその間隔が短くなっていく。
「……もしかして、イきそう?」
  そう問いかける俺を、熱に浮かされたように潤んだ瞳が見上げる。
「文人……くん……イ、きたいのに、イけない……っ」
  収縮の理由が痛みではなく快感であったことに一瞬安堵したものの、胸をなで下ろしたい気持ちと逆行して、欲が背中を駆け上がる。
  ゾクリとした劣情が頭の芯をしびれさせ、自然と口角が上がる。求めに応えるように、秋久さんを抱きしめていた手で、性器に触れる。今にもはち切れそうなほど張り詰めているのに、吐き出せずにいるせいで、驚くほど熱い。
「あ……っ」
「ごめん、苦しかったよね。これならイける……?」
  ナカを刺激しながら、指を絡めた屹立を扱く。
「や、文人くん……っ!ダメ、文人く、ダメ……っあぁぁっ!」
  秋久さんの背が弓のようにしなり、とぷ、と俺の手の中に白濁が溢れる。
  ようやく吐き出せたけれど、秋久さんはそのまま洗い場に崩れてしまいそうになり、慌てて抱きとめる。
「ごめん、大丈夫?」
  ぐったりとした体を抱えたまま、体を反転させて洗い場に直接腰を下ろす。
「こっち。背中、俺に預けていいから、座って」
  投げ出した脚の間に秋久さんを挟むようにして座らせる。寄りかかった肩は、まだ苦しそうに上下していた。
「あんな、つよくされたら……っ、あたま……おかしくなる……っ」
  乱れた呼吸の合間に告げられる言葉の中に、抗議めいたニュアンスを感じ取る。
  けれど、促されるままに体を預けてくれていることで、本気で非難している訳ではないのだと分かった。
「気持ちよかった?」
「しぬかとおもった」
「生きててもらうことに必死で今日まで来たのに、ここで死なれたら困るなぁ」
  快感に翻弄されて呂律が回っていないのが可愛い。軽口をたたいて、ふふ、と笑うと、その拍子に秋久さんが身体を硬くするのが分かった。
「どうかした?」
  耳元に言葉を落とすようにして尋ねると、背中を少し浮かせた秋久さんは後ろ手に俺の中心に触れる。
「……勃ってる」
「……ごめん、当たった……よね」
  すると、彼は愉快そうに笑いだした。
「なんで謝るの?僕でこうなってるんでしょう?嬉しいよ。謝るのはこっちの方。僕だけ先に、ごめん」
  くるりと俺の上で身体の向きを変えた秋久さんは、そのまま腹ばいで寝そべるようにして、俺の治まらない熱に手を伸ばす。
「だから今度は文人くんの番、だよね」
  俺が答えるより先に、秋久さんが硬く勃起しきったモノへと舌を這わせた。
「……っ」
  温かくぬるりとした感触に、舐めあげられたそこが震える。
「ふふ、もっと硬くなった、ね」
  嬉しい、と秋久さんは何度も唇を寄せる。ちゅ、ちゅっと軽い音が浴室に響いて、視覚だけでなく聴覚からも興奮させられてしまう。
  唇を使った軽い音は、やがて水分を増し、まるで猫がミルクを飲むときようなぴちゃぴちゃというものに変わった。それが彼の唾液によるのか、俺のモノから溢れる先走りのせいかは分からなかったけれど。
「う……っ」
  先端を舐めあげられて思わず声が漏れる。それに気を良くしたのか、秋久さんは先端に溜まった雫を吸うように軽く口づけた次の瞬間、はむ、と亀頭を口に含んだ。
「あ……っ、は、ぁ」
  上顎と舌で挟むようにして、圧迫しながら刺激される。それだけで簡単に達してしまいそうで、俺は必死にせり上がってくる射精感をこらえる。けれど、諌めるかのように口へ収まっていない茎の部分を手で扱かれ、あっけなく欲を吐き出してしまった。
「……っ、あ、あ……」
  ビクビクと震える性器は、俺の意思を裏切って秋久さんの口内を汚す。慌てて、うがいをしてもらおうとシャワーへ手を伸ばしたけれど、秋久さんが脚の上に乗っている状態では指先すら届かなかった。そうこうしているうちに、俺の放ったものを秋久さんは飲み下してしまう。
「浴室なんだから、吐き出してくれて良かったのに」
  ごめん、と彼の口元を伝う筋を指で拭う。
「不味いでしょ、そんなもの」
  自分が出したということにわずかな抵抗を感じはしたけれど、秋久さんの感じているものを共有したくて、身体を起こした彼に口づけた。
  舌を潜り込ませた瞬間に感じる青臭さと苦み。
「う……、ホントに不味い」
  顔をしかめる俺に、秋久さんは笑った。
「無理しなくていいのに」
「秋久さんが感じてるものを感じたかったんだ」
  二回目……だし、と申し訳なさで身を縮める俺の頭を、秋久さんはなだめるようにぽんぽんと叩いて立ち上がった。
「確かに美味しいものじゃないけどさ、いいんだ、文人くんのなんだから。申し訳ないなんて思わないで?」
  そう言ってにこりと微笑む。
「僕だって、自分のは嫌だよ。だから文人くんはそんなことしなくて良いんだ。これは、もうキミに味わわせないためだからね」
  と前置きして口をゆすいだ彼は、普段の真面目で穏やかな様子からは想像もできないような妖艶さで告げたのだった。
「ね、ベッド、行こう?」
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