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90.回復したらムキムキになった?◆
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◆◆◆
「おじさん、詳しい大陸の地図とペン頂戴!」
「ん?おチビさん地図読めるんかい?というよりどこの子だ?親は?」
「いいから!はい、お金!」
「ん。まあちゃんと代金を払うなら…。ちと古い地図しかないぞ。よっこらせ。」
カウンターに置いたお金を見て叔父さんが納得してくれて安心した。追及されると厄介だ。
ゴソゴソと後ろを向いて発見した古びた地図を私に手渡してくれる。
「はいよ。」
「ありがとう!」
雑貨屋のおじさんは気前良く袋に入った飴まで地図に包んで寄越してくれた。ペンも渡されにっこり笑顔で返すと、照れた様に笑い手を上げてくれた。
雑貨屋の店の横に入り地図を開く。
出てきた村から2個ほど町と村を探索したが″———”はいなかった。
これ以上、行った村や町を記憶しておくのが辛い為地図を購入したのだ。
探した村や町はとりあえず×印をつけて行く。
「まだ全然探せてない…かな。
世界で見れば沢山国があるし…。″———”とすれ違いが起きない事を祈るしかない…。全部探してみよう…。駄目ならまた繰り返して同じ所を探そう。」
私は鞄に地図を仕舞うと水筒と小さなパンを取りそれを食べた。
もう少しで食料も尽きる。その前にどうにかしなきゃいけない。
(ナイフ…買いたいな。後は鍋。)
お金だって稼ぎながらじゃないと″———”に会う前に野垂れ死にだ。
硬いパンを少しの水分とともにぺろりと食べると私は町に繰り出した。
町の中の人を目を凝らしてみる。
どれも″———”じゃない。一眼見ればきっと分かるはず。さすがにもの探しが得意でも転生してから見た事ない人を探すのは困難でしかない。
頼りになるのは自分の感覚だけだ。
(歩いてる人の中にはいない…。村長いるかな…。)
村の中で探すのなら手っ取り早くは村長に尋ねる事だ。
村長には迷惑をかけるが、【探している人がいる。親、きょうだいでも見つかればありがたい。】と子供ながらに訴えれば村長は家という家を回ってくれる。
実際探すのは″———”で親、きょうだいではない事が心苦しいが致し方ない。
村長の家を探すのはあまり難しくはない。
村の少し大きめの家や小綺麗な家に住んでるのが大体村長だ。
「あ、ここかも。」
暫く歩いて他の家より大きな家を発見する。
家は大きいのにあまり手入れがされていないのか家の庭や周りは雑草が生えてる。
間違ったら村長の家を聞けばいいだけだ。
そう思い私はその家の玄関扉をノックし声を掛けた。
「すみませーん。」
中から歩く様な音が聞こえる。それが止まると扉が外側に開かれ慌てて体を退けた。
「…はい、どちら様で。」
「こんにちは、村長さんのお宅で間違いないですか?」
出てきたのは顔色があまり良くない60代くらいのお爺さんだ。
足取りもふらついている。
私の問いに村長は咳き込みながら頷いた。
「はい、ゴボッ。そうです。なにか御用かな?小さなお嬢さん。」
「はい、実は家族を探してまして…。出来れば村長さんの伝で村を回りたいのですが…。」
「ゴボッゴボッ、それは。ゴボッ。
すまないね、最近体調を崩していて…。
ゴボッ。歩くのさえしんどくてね…。」
確かにかなり辛そうだ。
だが辛いなら治してしまえばいい。
「なら治れば一緒に行けますか?」
「ああ…ゴボッ。治ればね…。」
よし、言質取った。
そう思った私は村長に小さな両手を向け、にっこり笑ってお爺さんに言う。
「なら失礼しますね。《回復》」
お爺さんが緑の光に包まれる。
驚いた村長は咄嗟に顔を腕で隠した。
緑の光が消えると、村長も顔から腕を退けた。その顔色はかなり良くなり魔法がちゃんと発動したようで安堵した。
「…嘘だろう?こんな小さな子が回復魔法を…。しかも……。ちゃんと治っている…!?」
「これで行けます?」
「た、頼む!妻も治してもらえないだろうか!?」
奥さんも病気なのだろうか。
回復魔法を掛けるのは構わないが、少しでも何か頂ければと思いおずおずと交渉する。
「えっと…パンとか貰えたら…いいですよ。」
「パン以上のものを渡すから!!こっちに!」
私は手を引き飛ぶ様に家の中に引き摺り込まれた。
そのまま部屋に入ると、ベッドに1人の女性が荒い呼吸と時々咳をしながら苦しそうに横たわっていた。
苦しそうなのに、辛そうに眠っている。
頬は痩け、目の下には隈まである。唇に潤いはなく、髪も乱れている。
「あら…村長さんよりもかなり重症ですね。」
「もともと体が弱い人だったんだ…。なのに風邪を拗らせてしまってこの通りだ…。
せめてもう少し良くなれば…。」
話の途中に私は村長の奥さんに両手を向けた。一刻でも早くこの状態から直してあげたほうがいい。
「《高回復》、《高回復》、《高回復》」
3段重ねの高回復は久々にした。
もともと魔法だって今までいた村じゃ隠していたし、転生してから初なのではないだろうか。
緑の魔法の光が消えると、先程とは別人の様な顔色の良さと穏やかな表情を浮かべた女性がすやすやとベッドで眠っていた。
怪我に比べ、病気は回復魔法じゃ治りにくいが治った様子でホッと胸を撫で下ろした。
私は笑って村長に言う。
「うん、大丈夫かな。村長さん、これでうわあ!」
「あ、ありがとう…。ありがとう……。本当に……。感謝するよ…。小さな女神様…。」
話している最中に私は村長に抱きしめられた。ボロボロと大粒の涙を流す村長。
余程嬉しかったのだろう。
だが私を抱きしめなくていい。
やるなら奥さんにしてあげてほしい。
ジタバタと暴れて私は必死に話す。
「村長さん!離して!それよりも私、人を探したいの!」
「ああ!まかせておけ!」
「わー!!?」
先程の弱々しいお爺さんはどこへやら、私を抱っこして村に飛び出した村長はそのまま一件づつ丁寧に家を回ってくれた。
◇◆◇
「この村に残る気はないかね…。」
最後の家も尋ね終わり、″———”は見つからなかった。しゅんとした私に村長は肩車をしながらそう言った。
「探したい人がいるから残れないです。ごめんね。村長さん。」
私が落ち込んで言うと村長は首を横に振った。手を伸ばし私の頭をぽんぽんと撫でてくれる。
「そうだよな…。君の探し人が見つかるようワシは祈るよ…。村の人も君に感謝しているよ…本当にありがとう。」
「ううん。私に治せて良かったよ。」
家という家を回る最中、元気になった村長を見て驚く人が多々居て、私は怪我や病気の回復を行いながら″———”を探したのだ。
″———”はいなかったものの、お礼として食糧や綺麗な衣服、少しばかりとお金を頂いたので此方こそ感謝ものだ。
村長に村の入り口まで肩車で送ってもらうと丁寧に私を下ろしてくれた。
少し寂しそうな顔をするとしゃがんで私に手を差し出す。
「これはほんのお礼だ。
食べ物はもう沢山持って重いだろう?」
差し出されている手に自分の手を出すと、手の中に小さな宝石とお金が落ちてきた。
驚きながらも私はお礼を言う。
「あ、ありがとう、村長さん!」
「礼を言うのはこちらだ。気をつけるんだよ…。」
鞄にもらったものをしまいながら私は手を振り村に背を向けた。
「うん、村長さん、さようなら。」
そう伝え、この村を後にした。
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「おじさん、詳しい大陸の地図とペン頂戴!」
「ん?おチビさん地図読めるんかい?というよりどこの子だ?親は?」
「いいから!はい、お金!」
「ん。まあちゃんと代金を払うなら…。ちと古い地図しかないぞ。よっこらせ。」
カウンターに置いたお金を見て叔父さんが納得してくれて安心した。追及されると厄介だ。
ゴソゴソと後ろを向いて発見した古びた地図を私に手渡してくれる。
「はいよ。」
「ありがとう!」
雑貨屋のおじさんは気前良く袋に入った飴まで地図に包んで寄越してくれた。ペンも渡されにっこり笑顔で返すと、照れた様に笑い手を上げてくれた。
雑貨屋の店の横に入り地図を開く。
出てきた村から2個ほど町と村を探索したが″———”はいなかった。
これ以上、行った村や町を記憶しておくのが辛い為地図を購入したのだ。
探した村や町はとりあえず×印をつけて行く。
「まだ全然探せてない…かな。
世界で見れば沢山国があるし…。″———”とすれ違いが起きない事を祈るしかない…。全部探してみよう…。駄目ならまた繰り返して同じ所を探そう。」
私は鞄に地図を仕舞うと水筒と小さなパンを取りそれを食べた。
もう少しで食料も尽きる。その前にどうにかしなきゃいけない。
(ナイフ…買いたいな。後は鍋。)
お金だって稼ぎながらじゃないと″———”に会う前に野垂れ死にだ。
硬いパンを少しの水分とともにぺろりと食べると私は町に繰り出した。
町の中の人を目を凝らしてみる。
どれも″———”じゃない。一眼見ればきっと分かるはず。さすがにもの探しが得意でも転生してから見た事ない人を探すのは困難でしかない。
頼りになるのは自分の感覚だけだ。
(歩いてる人の中にはいない…。村長いるかな…。)
村の中で探すのなら手っ取り早くは村長に尋ねる事だ。
村長には迷惑をかけるが、【探している人がいる。親、きょうだいでも見つかればありがたい。】と子供ながらに訴えれば村長は家という家を回ってくれる。
実際探すのは″———”で親、きょうだいではない事が心苦しいが致し方ない。
村長の家を探すのはあまり難しくはない。
村の少し大きめの家や小綺麗な家に住んでるのが大体村長だ。
「あ、ここかも。」
暫く歩いて他の家より大きな家を発見する。
家は大きいのにあまり手入れがされていないのか家の庭や周りは雑草が生えてる。
間違ったら村長の家を聞けばいいだけだ。
そう思い私はその家の玄関扉をノックし声を掛けた。
「すみませーん。」
中から歩く様な音が聞こえる。それが止まると扉が外側に開かれ慌てて体を退けた。
「…はい、どちら様で。」
「こんにちは、村長さんのお宅で間違いないですか?」
出てきたのは顔色があまり良くない60代くらいのお爺さんだ。
足取りもふらついている。
私の問いに村長は咳き込みながら頷いた。
「はい、ゴボッ。そうです。なにか御用かな?小さなお嬢さん。」
「はい、実は家族を探してまして…。出来れば村長さんの伝で村を回りたいのですが…。」
「ゴボッゴボッ、それは。ゴボッ。
すまないね、最近体調を崩していて…。
ゴボッ。歩くのさえしんどくてね…。」
確かにかなり辛そうだ。
だが辛いなら治してしまえばいい。
「なら治れば一緒に行けますか?」
「ああ…ゴボッ。治ればね…。」
よし、言質取った。
そう思った私は村長に小さな両手を向け、にっこり笑ってお爺さんに言う。
「なら失礼しますね。《回復》」
お爺さんが緑の光に包まれる。
驚いた村長は咄嗟に顔を腕で隠した。
緑の光が消えると、村長も顔から腕を退けた。その顔色はかなり良くなり魔法がちゃんと発動したようで安堵した。
「…嘘だろう?こんな小さな子が回復魔法を…。しかも……。ちゃんと治っている…!?」
「これで行けます?」
「た、頼む!妻も治してもらえないだろうか!?」
奥さんも病気なのだろうか。
回復魔法を掛けるのは構わないが、少しでも何か頂ければと思いおずおずと交渉する。
「えっと…パンとか貰えたら…いいですよ。」
「パン以上のものを渡すから!!こっちに!」
私は手を引き飛ぶ様に家の中に引き摺り込まれた。
そのまま部屋に入ると、ベッドに1人の女性が荒い呼吸と時々咳をしながら苦しそうに横たわっていた。
苦しそうなのに、辛そうに眠っている。
頬は痩け、目の下には隈まである。唇に潤いはなく、髪も乱れている。
「あら…村長さんよりもかなり重症ですね。」
「もともと体が弱い人だったんだ…。なのに風邪を拗らせてしまってこの通りだ…。
せめてもう少し良くなれば…。」
話の途中に私は村長の奥さんに両手を向けた。一刻でも早くこの状態から直してあげたほうがいい。
「《高回復》、《高回復》、《高回復》」
3段重ねの高回復は久々にした。
もともと魔法だって今までいた村じゃ隠していたし、転生してから初なのではないだろうか。
緑の魔法の光が消えると、先程とは別人の様な顔色の良さと穏やかな表情を浮かべた女性がすやすやとベッドで眠っていた。
怪我に比べ、病気は回復魔法じゃ治りにくいが治った様子でホッと胸を撫で下ろした。
私は笑って村長に言う。
「うん、大丈夫かな。村長さん、これでうわあ!」
「あ、ありがとう…。ありがとう……。本当に……。感謝するよ…。小さな女神様…。」
話している最中に私は村長に抱きしめられた。ボロボロと大粒の涙を流す村長。
余程嬉しかったのだろう。
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やるなら奥さんにしてあげてほしい。
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「ああ!まかせておけ!」
「わー!!?」
先程の弱々しいお爺さんはどこへやら、私を抱っこして村に飛び出した村長はそのまま一件づつ丁寧に家を回ってくれた。
◇◆◇
「この村に残る気はないかね…。」
最後の家も尋ね終わり、″———”は見つからなかった。しゅんとした私に村長は肩車をしながらそう言った。
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私が落ち込んで言うと村長は首を横に振った。手を伸ばし私の頭をぽんぽんと撫でてくれる。
「そうだよな…。君の探し人が見つかるようワシは祈るよ…。村の人も君に感謝しているよ…本当にありがとう。」
「ううん。私に治せて良かったよ。」
家という家を回る最中、元気になった村長を見て驚く人が多々居て、私は怪我や病気の回復を行いながら″———”を探したのだ。
″———”はいなかったものの、お礼として食糧や綺麗な衣服、少しばかりとお金を頂いたので此方こそ感謝ものだ。
村長に村の入り口まで肩車で送ってもらうと丁寧に私を下ろしてくれた。
少し寂しそうな顔をするとしゃがんで私に手を差し出す。
「これはほんのお礼だ。
食べ物はもう沢山持って重いだろう?」
差し出されている手に自分の手を出すと、手の中に小さな宝石とお金が落ちてきた。
驚きながらも私はお礼を言う。
「あ、ありがとう、村長さん!」
「礼を言うのはこちらだ。気をつけるんだよ…。」
鞄にもらったものをしまいながら私は手を振り村に背を向けた。
「うん、村長さん、さようなら。」
そう伝え、この村を後にした。
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