パフェ好きの男

福猫

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第4話

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ー岩山にある白い天使の城ー

王部屋で白琉がくつろいでいると紫琉が現れた。

「紫琉!」

驚いた顔でベッドからおりると紫琉が口を開いた。

「白鳥から聞いたか」

「白鳥は戻ってきてない」

「そうか、俺の方が早かったんだな」

「人間を人質にしてるそうだな」

「逃げた、だからお前のところに来たんだ」

紫琉がベッドに座ると白琉は少し離れた。

「離れることないだろ」

「今の俺達の関係は昔の関係とは違う」

「……」

白琉の言葉に紫琉はベッドから立ち上がりその後、白琉をベッドに倒し覆い被さった。

「何のまねだ」

離れようと白琉がもがくと紫琉が驚きの言葉を発した。

「俺達、やり直してみないか」

「バカなこと言ってないで早く離れろ」

「俺は真面目に言ってるんだが」

「俺は…」

「……」

言いかける白琉の唇を紫琉は白琉の左右の手首を掴みながら奪った。

「……」

「……」

白琉の左右の手首を掴みながら唇を離すと紫琉と白琉は見つめ合った。

ー岩山にある白い天使の城ー

やっとたどり着いた白鳥はゆっくり城の前に降り立ち口を開いた。

「目を開けていいぞ」

「……」

ゆっくり目を開くと苺は地面に足をつけた。

「白琉様は王部屋にいるはずついて来い」

白鳥が城の中に入っていくと苺も中に入りついていった。

「……」

「……」

無言で廊下を白鳥と苺は歩き続けその後、王部屋の前で止まった。

「白琉様、今、戻りました」

「……」

「白琉様、入ります」

ドアを開き中に入った白鳥と苺はベッドで紫琉に覆い被され口を手で塞がれている白琉の姿に驚いた。

「何をしている白琉様から離れろ」

白い剣を向けながら怒った口調で白鳥が口にすると紫琉は白琉から離れ白鳥に目線を向けた。

そして苺に築き口を開いた。

「苺、なぜ俺から逃げた」

「……」

苺は紫琉に近づき口を開いた。

「逃げるに決まってるだろ、俺は家に帰りたいんだ」

「苺」

紫琉は苺の手首を掴み口を開いた。

「城に帰るぞ」

「俺は家に帰るんだ、手を離せ」

「……」

嫌がる苺の姿を見て白鳥は剣を紫琉の首に突きつけ口を開いた。

「嫌がってるだろ手を離せ」

「嫌だと言ったら?」

「お前の首を傷つける」

「わかった」

苺の手首から手を離すと紫琉は白琉に目線を向け口を開いた。

「また来る、じゃあな」

その場から紫琉が姿を消すと白鳥は腰ベルトに剣をさし苺に向かって口を開いた。

「大丈夫か?」

「……」

「どうした?」

「……」

ふらつき倒れかけると白鳥は慌てて苺を抱き止めた。

「おい、大丈夫か?」

「白鳥、ベッドに寝かせて」

「はい」

白鳥は苺の身体を支えながらベッドに近づき仰向けで寝かせた。

白琉は苺の手に触れながら身体を調べ始めた。

「……」

「どうですか?」

白鳥が問いかけると白琉は苺の手に触れている手を離し口を開いた。

「知らない国に来た緊張とお腹がすいてるせいで倒れたんでしょう」

「怪我とか大丈夫ですか?」

「怪我をしてるのは彼じゃなくて白鳥でしょ」

「俺は大丈夫です」

「紫琉にやられて大丈夫だなんて嘘、言わないの」

「……」

白琉に怒られた白鳥は無言で白琉の治療を受けた。

それから暫くして治療を終えた白琉は1枚の白い羽を白鳥に渡し口を開いた。

「その羽を使って彼の食べたい物を出してあげなさい」

「はい」

「それと彼の緊張を癒やしてあげなさい」

「はい」

「何かあったら連絡しなさい」

「はい」

「……」

白琉が王部屋を出ていきドアを閉めると白鳥は立ったまま眠る苺の姿を心配そうな顔で見つめた。
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