秘密の恋

福猫

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第8話

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「なぜ千春の心と身体を傷つける、誰に頼まれた」

「それは言えないな」

口にした後、祐也は通話を切りスマホを机に置いた。

その頃、英治は何でも屋で女性と会っていた。

「英治、久しぶりね」

「そうだな」

「個室で話しましょうか」

口にした後、女性は英治を連れて個室に向かい中に入りドアを閉めた。

「座って」

「あぁ」

女性と英治はソファーに近づき向かい合って座った。

「私にしてほしいことは何?」

「人を探してほしいんだ」

「ちょっと待って」

ソファーから立ち上がり机に近づくとパソコンを持ってソファーに座った。

パソコンを開き口を開いた。

「探して欲しい人の名前と電話番号を教えてくれる?」

「紙に書いてある」

テーブルに紙を置くと女性は紙を受け取りパソコンに入力し決定ボタンを押した。

5秒後、女性が口を開いた。

「見つかったわよ」

「本当か」

英治はソファーから立ち上がり女性の側に座るとパソコンを見つめた。

「森の中に家があるでしょ」

「あぁ」

「この家に反応したの、英治が探している人、この家にいるんじゃないかな」

「地図を書いてくれ」

「わかった」

女性は紙にわかりやすく地図を書き英治に渡した。

「里奈(りな)、ありがとう」

紙を持って英治が立ち上がると里奈も立ち上がり声をかけた。

「英治」

「……」

振り返り見つめると里奈が口を開いた。

「ここから歩いていくと3時間か4時間かかるからタクシーで行ったら?」

「走っていくから大丈夫だ、ありがとう」

個室から出ていきそのまま何でも屋を出ると英治は走りながら森に向かった。

ー森の中の家ー

浴室でシャワーを浴びながら髪と身体を洗いその後、濡れた身体で洗面台の前に立ちバスタオルで髪と身体を拭き始めた。

その後、祐也は上下の下着と衣服を着て洗面台を離れ寝室に向い中に入った。

祐也はベッドに近づき座り眠る千春の頬に手を伸ばし触れた。

「……」

千春が目を覚ますと祐也は千春の頬から手を離し口を開いた。

「目が覚めたか」

「……」

身体を起こし全裸姿でベッドから離れると千春は涙を流しながら祐也を見つめた。

「……」

千春の姿に祐也は心を奪われベッドから立ち上がり千春を抱きしめた。

離れようと千春が身体を押すと祐也はギュッと優しく抱きしめた。

その後、祐也は千春から離れ口を開いた。

「服を着てここから出ていけ」

「……」

上下の下着と衣服を掴み着ると千春は背を向けている祐也に声をかけた。

「あの?」

「すまなかったな」

「……」

千春は寝室を出ていき玄関に向かうとドアを開き裸足で外に出て走り出した。

5分後、千春は英治と出会った。

「英治!」

「千春!」

千春は英治に抱きつき英治は千春を抱きしめた。

その後、英治は千春を見つめながら口を開いた。

「逃げてきたのか?」

「出ていけって言われて急いで出てきた」

「そうか…裸足じゃ怪我をするから」

英治は千春をお姫様抱っこし歩き出した。

それから暫くして英治は大きな石に千春を座らせスマホで悠聖に電話をかけた。

「もしもし」

「俺だ」

「どうした?」

「俺の側に千春がいる」

「良かった」

「今からメールで場所を送るから車で来てくれないか」

「わかった」

通話を切ると英治は居場所をメールで悠聖のスマホに送った。

4時間後、悠聖が車に乗って現れると千春と英治は後部座席に乗り込み家に帰っていった。

利江に電話をかけるため机に近づいた祐也は千春のスマホに気づいた。

「スマホ、忘れてる」

口にした後、祐也の顔は優しい顔になった。
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