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スクナビコナとろくろ首⑩―迷うチュルヒコ!勇気を奮い起こせ!!スクナビコナを助けられるのはお前だけだ!!!―
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『…うーん……』
チュルヒコはうなりながら部屋の中をせわしなくグルグルと動き回る。
『…どうなさいました、タケル殿?どうにも落ち着かぬようですが……』
チュルヒコの様子を見て不審に思ったハツカノミコトが尋ねる。
『…うん、…どうにもスクナのことが心配で……』
チュルヒコは悩ましそうにハツカノミコトの質問に答える。
『…しかしもはやあの首どもはほっといても滅び行く運命。スクナ殿とて無理にあの者たちと戦うことはしないのでありますまいかな?』
『…うん、僕もそう思うんだけど……』
チュルヒコはハツカノミコトの言葉に煮え切らない返事を返す。
『…まだスクナ殿のことが心配なのですかな?』
『…うん。…スクナは、…確かにすごく頭がいいんだけど…。無謀って言ってもいいくらい積極的で、おっちょこちょいなところがあるんだ。だからひょっとしたら何かの弾みでろくろ首と戦うことになったりするんじゃないかと……』
チュルヒコは心から心配そうにハツカノミコトに言う。
『…うーむ、タケル殿……』
ハツカノミコトはチュルヒコのほうを真剣な眼差しで見ながら言う。
『…な、なに?』
『それほどまでに心配なら、いっそのことスクナ殿の元に向かわれてはいかがですかな?』
『で、でも……!』
ハツカノミコトの言葉にチュルヒコは動揺する。
『…ぼ、僕なんかがスクナの元に行ったら絶対にスクナの足を引っ張っちゃうよ!僕ってスクナみたいに強くないし……』
『…あなたが強くない……?』
ハツカノミコトが怪訝そうな顔をしながらチュルヒコに言う。
(…しまった!)
チュルヒコはハツカノミコトの表情を見て、自分の犯した失態に気づく。
自分はネズミたちの前ではあくまで強い〝ネズミタケル〟として振る舞わなければならなかったのだ。
しかしついつい普段の〝チュルヒコ〟として振る舞ってしまったのである。
『…実は……』
観念したチュルヒコはネズミたちの前で全てを〝白状〟する。
自分がスクナビコナとともに高天原から地上に降りて、ネズミの穴にやってくるまでに起こったすべての出来事の〝真実〟を。
『…みんなは僕のことをすごく強いネズミだって思ってるのかもしれない…。でも本当は強くもなんともないんだ。僕はいつだってスクナに頼ってきた。スクナがそばにいてくれなければ何もできないただの弱いネズミなんだ……』
チュルヒコはがっくりとうなだれながら全ての〝告白〟を終える。そしてうつむいたまま沈黙する。
そのときである。
『…ハーッハッハッハッ……!』
ハツカノミコトの場違いとも思える大きな笑い声が場の沈黙を破る。
『…え……?』
チュルヒコも周囲のネズミたちもなぜ突然ハツカノミコトが笑い出したのかわからず、ポカーンとしたままハツカノミコトのほうを見る。
『…ハッハッハッハッ…、いやいや失礼、タケル殿。私が笑ったのは何もあなたが実は弱いことをバカにしたかったからではないのです。そのことだけははっきりと言っておきたい』
『…じゃあ、なんで……?』
チュルヒコはいまだにハツカノミコトの真意がわからず、尋ねる。
『…私があなたのことを笑ったのはあなたがあなたご自身のことにあまりにも無知だからですよ』
ハツカノミコトは微笑を浮かべながら、チュルヒコに言う。
『…僕が、…自分のことをわかっていないってこと……?』
チュルヒコは思わぬハツカノミコトの指摘に戸惑う。
『ええ、あなたはまったく自分自身のことを理解しておられない。あなたがいかに強いのかということを……』
そう言いながら、ハツカノミコトはじっとチュルヒコのほうを見る。
『…僕が本当は強い……?』
チュルヒコはいまだ半信半疑の様子で、ハツカノミコトを見る。
『そうですとも!一応私はそれなりの期間あなたの様子を見て、しかもそのうちの幾日かは同じ場所で寝泊りしたこともある。しかし私は一度もあなたのことを〝弱い〟などと思ったことはありませんぞ』
『…それはあくまで僕が強いふりをしていたからで……』
『いやいや。これほど長い間ともに過ごしてきて、〝強いふり〟だけで我々の目をごまかし続けることなどできない。何より少なくとも私が見ている間、スクナ殿はあなたを信頼しているご様子でしたぞ』
『…スクナが僕のことを…?…でもそれはただ単に僕が強いように見せかけるためにそうしていただけで……』
『いえいえ、決して〝見せかけ〟ではありません。その証拠に今回スクナ殿はろくろ首の胴体を外に運び出すという重要な〝任務〟をあなたに託された。心から信頼していなければそんなことはできますまい』
『…それは僕に託したんじゃないよ。ここにいるネズミたちみんなに託したんだ。それに胴体を家の外に運び出せたのはみんなの力のおかげだ。僕はたいしたことはやってないよ……』
『何を言われます!あなたの力なくして胴体を外に運び出すことは絶対にできなかった!絶対にだ!』
ハツカノミコトは大声で力説する。そのあまりの勢いに完全に気おされたチュルヒコはすっかり黙りこくってしまう。
『…ふう、あなたという方は妙なところで頑固なところがある……』
ハツカノミコトはすっかり呆れた様子で言う。
『いいですか!ここにはこの私を含めてあなたのことを〝弱い〟などと言うものはおりませぬ!』
『そうですよ!』
ハツカノミコトに続いて一匹のネズミが声を上げる。
『タケル様、あなたは弱くなんかありません!』
『あなたは強い方です!』
『胴体を家の外に運び出せたのはあなたのおかげですよ!』
さらに次々とネズミたちがチュルヒコに対して声を上げる。
『…みんな……』
チュルヒコは大勢いるネズミたちを見回しながら、思わず泣きそうになる。
『…タケル殿、あなたが決して〝弱く〟などないということは十分伝わったかと思います……』
ハツカノミコトは改めてチュルヒコのほうを見ながら言う。
『…その上でタケル殿、私はあなたにもう一度言いたい。やはりあなたはスクナ殿を助けに行くべきだと!』
ハツカノミコトは強い口調できっぱりと断言する。
『…ぼ、僕は……』
チュルヒコは思わず口ごもる。
『タケル殿。あなたは今、あなたの心の中で様々なことを考えておられるのかもしれません。すなわち自分が行ってもスクナ殿の足を引っ張るだけなのではないか、迷惑をかけてしまうのではないか、なんの役にも立たないのではないか、といったことです。しかし……』
ハツカノミコトは少しの間言葉を止め、次に何を話すのかを考えているような素振りを見せる。そして再びチュルヒコの目を見て、話を再開する。
『…ときには〝己の心のままに行動する〟ということも必要なのではありますまいかな?』
『…己の心のままに行動する……』
ハツカノミコトはチュルヒコのつぶやきにうなずきながら、さらに話を続ける。
『あなたがスクナ殿を案ずる気持ちはあなたの心からのものであるはず。ならばその気持ちに正直に行動するべきということです。もしあなたが自分の心を偽り、そのためにあなたの望まぬ結果となったとき、あなたは二重の意味で後悔するのではありますまいか?確かにあなたが心のままに行動したとしても、いい結果は出ないのかもしれません。しかしそれでも自分の気持ちに嘘をつくよりははるかにいいはずだ!』
ハツカノミコトは熱弁を振るう。チュルヒコはその言葉をじっと真剣に聞く。
『私やここにいるネズミたちにはあなたほどにはスクナ殿を強く思う気持ちはありません。それにスクナ殿の元に駆けつけても何もできない可能性がある。しかしあなたは違う!それは強調しすぎてもしすぎることはないほどだ!』
ハツカノミコトは最後に今まででもっとも強い調子で断定する。
『…そうだね……』
ハツカノミコトが話を終えたあと、チュルヒコはうつむきながら静かにつぶやく。そして少しの間、沈黙する。
『…僕、行くよ!』
チュルヒコは顔を上げて、高らかに宣言する。
『タケル殿!』
チュルヒコの言葉を聞いて、ハツカノミコト以下、その場の全てのネズミたちの表情がパッと明るくなる。
『…ハツカ殿、みんなも…。…本当にありがとう!』
チュルヒコはハツカノミコトたち、全てのネズミの顔を見回して、礼を言う。
『じゃあ、行ってくる!』
チュルヒコはそう言うと、走って部屋から出て行く。
ネズミたちはその背中に、頑張って、気をつけて、という言葉をかけて送り出すのだった。
チュルヒコはうなりながら部屋の中をせわしなくグルグルと動き回る。
『…どうなさいました、タケル殿?どうにも落ち着かぬようですが……』
チュルヒコの様子を見て不審に思ったハツカノミコトが尋ねる。
『…うん、…どうにもスクナのことが心配で……』
チュルヒコは悩ましそうにハツカノミコトの質問に答える。
『…しかしもはやあの首どもはほっといても滅び行く運命。スクナ殿とて無理にあの者たちと戦うことはしないのでありますまいかな?』
『…うん、僕もそう思うんだけど……』
チュルヒコはハツカノミコトの言葉に煮え切らない返事を返す。
『…まだスクナ殿のことが心配なのですかな?』
『…うん。…スクナは、…確かにすごく頭がいいんだけど…。無謀って言ってもいいくらい積極的で、おっちょこちょいなところがあるんだ。だからひょっとしたら何かの弾みでろくろ首と戦うことになったりするんじゃないかと……』
チュルヒコは心から心配そうにハツカノミコトに言う。
『…うーむ、タケル殿……』
ハツカノミコトはチュルヒコのほうを真剣な眼差しで見ながら言う。
『…な、なに?』
『それほどまでに心配なら、いっそのことスクナ殿の元に向かわれてはいかがですかな?』
『で、でも……!』
ハツカノミコトの言葉にチュルヒコは動揺する。
『…ぼ、僕なんかがスクナの元に行ったら絶対にスクナの足を引っ張っちゃうよ!僕ってスクナみたいに強くないし……』
『…あなたが強くない……?』
ハツカノミコトが怪訝そうな顔をしながらチュルヒコに言う。
(…しまった!)
チュルヒコはハツカノミコトの表情を見て、自分の犯した失態に気づく。
自分はネズミたちの前ではあくまで強い〝ネズミタケル〟として振る舞わなければならなかったのだ。
しかしついつい普段の〝チュルヒコ〟として振る舞ってしまったのである。
『…実は……』
観念したチュルヒコはネズミたちの前で全てを〝白状〟する。
自分がスクナビコナとともに高天原から地上に降りて、ネズミの穴にやってくるまでに起こったすべての出来事の〝真実〟を。
『…みんなは僕のことをすごく強いネズミだって思ってるのかもしれない…。でも本当は強くもなんともないんだ。僕はいつだってスクナに頼ってきた。スクナがそばにいてくれなければ何もできないただの弱いネズミなんだ……』
チュルヒコはがっくりとうなだれながら全ての〝告白〟を終える。そしてうつむいたまま沈黙する。
そのときである。
『…ハーッハッハッハッ……!』
ハツカノミコトの場違いとも思える大きな笑い声が場の沈黙を破る。
『…え……?』
チュルヒコも周囲のネズミたちもなぜ突然ハツカノミコトが笑い出したのかわからず、ポカーンとしたままハツカノミコトのほうを見る。
『…ハッハッハッハッ…、いやいや失礼、タケル殿。私が笑ったのは何もあなたが実は弱いことをバカにしたかったからではないのです。そのことだけははっきりと言っておきたい』
『…じゃあ、なんで……?』
チュルヒコはいまだにハツカノミコトの真意がわからず、尋ねる。
『…私があなたのことを笑ったのはあなたがあなたご自身のことにあまりにも無知だからですよ』
ハツカノミコトは微笑を浮かべながら、チュルヒコに言う。
『…僕が、…自分のことをわかっていないってこと……?』
チュルヒコは思わぬハツカノミコトの指摘に戸惑う。
『ええ、あなたはまったく自分自身のことを理解しておられない。あなたがいかに強いのかということを……』
そう言いながら、ハツカノミコトはじっとチュルヒコのほうを見る。
『…僕が本当は強い……?』
チュルヒコはいまだ半信半疑の様子で、ハツカノミコトを見る。
『そうですとも!一応私はそれなりの期間あなたの様子を見て、しかもそのうちの幾日かは同じ場所で寝泊りしたこともある。しかし私は一度もあなたのことを〝弱い〟などと思ったことはありませんぞ』
『…それはあくまで僕が強いふりをしていたからで……』
『いやいや。これほど長い間ともに過ごしてきて、〝強いふり〟だけで我々の目をごまかし続けることなどできない。何より少なくとも私が見ている間、スクナ殿はあなたを信頼しているご様子でしたぞ』
『…スクナが僕のことを…?…でもそれはただ単に僕が強いように見せかけるためにそうしていただけで……』
『いえいえ、決して〝見せかけ〟ではありません。その証拠に今回スクナ殿はろくろ首の胴体を外に運び出すという重要な〝任務〟をあなたに託された。心から信頼していなければそんなことはできますまい』
『…それは僕に託したんじゃないよ。ここにいるネズミたちみんなに託したんだ。それに胴体を家の外に運び出せたのはみんなの力のおかげだ。僕はたいしたことはやってないよ……』
『何を言われます!あなたの力なくして胴体を外に運び出すことは絶対にできなかった!絶対にだ!』
ハツカノミコトは大声で力説する。そのあまりの勢いに完全に気おされたチュルヒコはすっかり黙りこくってしまう。
『…ふう、あなたという方は妙なところで頑固なところがある……』
ハツカノミコトはすっかり呆れた様子で言う。
『いいですか!ここにはこの私を含めてあなたのことを〝弱い〟などと言うものはおりませぬ!』
『そうですよ!』
ハツカノミコトに続いて一匹のネズミが声を上げる。
『タケル様、あなたは弱くなんかありません!』
『あなたは強い方です!』
『胴体を家の外に運び出せたのはあなたのおかげですよ!』
さらに次々とネズミたちがチュルヒコに対して声を上げる。
『…みんな……』
チュルヒコは大勢いるネズミたちを見回しながら、思わず泣きそうになる。
『…タケル殿、あなたが決して〝弱く〟などないということは十分伝わったかと思います……』
ハツカノミコトは改めてチュルヒコのほうを見ながら言う。
『…その上でタケル殿、私はあなたにもう一度言いたい。やはりあなたはスクナ殿を助けに行くべきだと!』
ハツカノミコトは強い口調できっぱりと断言する。
『…ぼ、僕は……』
チュルヒコは思わず口ごもる。
『タケル殿。あなたは今、あなたの心の中で様々なことを考えておられるのかもしれません。すなわち自分が行ってもスクナ殿の足を引っ張るだけなのではないか、迷惑をかけてしまうのではないか、なんの役にも立たないのではないか、といったことです。しかし……』
ハツカノミコトは少しの間言葉を止め、次に何を話すのかを考えているような素振りを見せる。そして再びチュルヒコの目を見て、話を再開する。
『…ときには〝己の心のままに行動する〟ということも必要なのではありますまいかな?』
『…己の心のままに行動する……』
ハツカノミコトはチュルヒコのつぶやきにうなずきながら、さらに話を続ける。
『あなたがスクナ殿を案ずる気持ちはあなたの心からのものであるはず。ならばその気持ちに正直に行動するべきということです。もしあなたが自分の心を偽り、そのためにあなたの望まぬ結果となったとき、あなたは二重の意味で後悔するのではありますまいか?確かにあなたが心のままに行動したとしても、いい結果は出ないのかもしれません。しかしそれでも自分の気持ちに嘘をつくよりははるかにいいはずだ!』
ハツカノミコトは熱弁を振るう。チュルヒコはその言葉をじっと真剣に聞く。
『私やここにいるネズミたちにはあなたほどにはスクナ殿を強く思う気持ちはありません。それにスクナ殿の元に駆けつけても何もできない可能性がある。しかしあなたは違う!それは強調しすぎてもしすぎることはないほどだ!』
ハツカノミコトは最後に今まででもっとも強い調子で断定する。
『…そうだね……』
ハツカノミコトが話を終えたあと、チュルヒコはうつむきながら静かにつぶやく。そして少しの間、沈黙する。
『…僕、行くよ!』
チュルヒコは顔を上げて、高らかに宣言する。
『タケル殿!』
チュルヒコの言葉を聞いて、ハツカノミコト以下、その場の全てのネズミたちの表情がパッと明るくなる。
『…ハツカ殿、みんなも…。…本当にありがとう!』
チュルヒコはハツカノミコトたち、全てのネズミの顔を見回して、礼を言う。
『じゃあ、行ってくる!』
チュルヒコはそう言うと、走って部屋から出て行く。
ネズミたちはその背中に、頑張って、気をつけて、という言葉をかけて送り出すのだった。
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